【アメコミ初心者向け】ウルヴァリン入門記事/マーベル最強ファイターの闘いを目撃せよ!
孤高のヒーロー、ウルヴァリン。彼の血と暴力に満ちた壮絶な人生を、オムニバス形式で描いた短編集『ウルヴァリン:ブラック、ホワイト&ブラッド』が3月17日に刊行されました。これを記念して、ウルヴァリンが主役のコミックスを(ごくごく簡単にではありますが)ご紹介しましょう!
ウルヴァリンの基礎知識
彼の本名はジェームズ・ハウレット。“ウルヴァリン”というヒーロー名は、北アメリカ大陸やユーラシア大陸の北部に棲むイタチ科の動物「クズリ」の英名に由来します。クズリは小型のクマほどの大きさで、鋭い爪と牙をもつのが特徴です。牙を剥いているクズリの写真見ると、彼に似ているような気もしますね。
突然変異を起こした人類「ミュータント」の一員であるウルヴァリンは、心身のどんな傷からも回復できる能力「ヒーリング・ファクター」をもっています。並外れた感覚を備え、両手の甲から3本ずつ鉤爪を伸ばして戦います。さらに、政府の研究機関「ウェポンX」によって合金アダマンチウムを骨格に注入されたことで身体は強化されており、鉤爪で(ほぼ)どんな物でも切り裂くことが可能。生まれは19世紀末ごろでカナダ出身ですが、回復能力によって老化が防がれているため、若々しい姿を保っています。
なおウルヴァリンは実際には、実の父(と思われる人物)の姓である“ローガン”を名乗ることが多いです。ローガンと聞くと、2017年公開の映画『LOGAN/ローガン』を思い出す人も多いはず! この作品の設定では彼の治癒能力が衰えており、不老であるはずのローガンがマジで老眼に悩まされるなど、“生身の人間”ウルヴァリンが強調して描かれていました。
ちなみに『マーベル・エンサイクロペディア』によると、ウルヴァリンの身長の公式設定は160cm。ウルヴァリンを演じていたヒュー・ジャックマンが190cm近い長身なので、映画版から入ったファンにとっては大柄なイメージがありますが、設定上は意外と小柄なんですね。
そんなウルヴァリンのオリジンを詳しく知りたいという方には、ウルヴァリンの出生の秘密を解き明かした『X-MEN ウルヴァリン:オリジン』がオススメです!
X-MENに加入
20世紀フォックス(現・20世紀スタジオ)の映画シリーズ『X-MEN』で描かれていたように、ウルヴァリンといえばX-MENの中核メンバーとしておなじみです。
X-MEN加入の経緯は映画でも描かれていましたが、コミックスの世界では彼はどのようにしてX-MENに加入したのか? 気になる方には『ウルヴァリン:シーズンワン』がオススメです。記憶を失い、野獣のように荒野をさまよっていた男が、カナダ政府の特殊機関に保護され、戦士としての訓練を受けてヒーロー「ウルヴァリン」となっていく姿が描かれます。
映画『X-MEN』シリーズは近い将来、MCUの一環としてリブートされることが予告されていますが、そこではどのようにウルヴァリンが描かれ、X-MENに加入するのか? コミックを読みつつ楽しみに待ちましょう!
ウルヴァリンと日本の関係
そしてウルヴァリンといえば、日本と関わりが深いのも特徴です。日本を訪れて武士の心得を学んだり、忍者やヤクザ軍団とバトルしたり、マリコという日本人の恋人がいたり、アミコという娘(養子)がいたりなどなど……彼と日本の縁を挙げると、枚挙にいとまがありません。
「日本で大暴れするウルヴァリンのコミックを読みたい!」という方にオススメなのが『ウルヴァリン:バック・イン・ジャパン』。そのタイトルの通り、ウルヴァリンが日本にやってきます。
また、300ページ越えで読み応えのある長編『ウルヴァリン:エネミー・オブ・ステイト』も、ウルヴァリンが日本の長崎に住む知人に助けを求められるところから物語が始まります。
そしてもちろん、『ウルヴァリン:ブラック、ホワイト&ブラッド』にも、日本を舞台にしたエピソードを収録。32人の刺客がウルヴァリンに襲い掛かります!
『ウルヴァリン:ブラック、ホワイト&ブラッド』
ウルヴァリンを主役にした最新刊『ウルヴァリン:ブラック、ホワイト&ブラッド』。モノクロに“血のような赤”を加えた本シリーズは、ウルヴァリンを皮切りに、カーネイジ、デッドプール、エレクトラ、ムーンナイトなどの派生タイトルが続々と刊行されています(ウルヴァリン以外は未邦訳)。このシリーズの特徴は、なんといっても過激なバイオレンス描写です。かなり生々しい表現が満載なので、正直「万人向け!」とは言い難いですが……誤解を恐れずに言えばこれはまさに“大人のアメコミ”で、ハードなアクション作品が好きな方には自信を持ってオススメしたい一冊です。
1990年代から現在に至るまで、ウルヴァリンやX-MEN関連作に関わってきたアーティスト、アダム・キューバートによる気合の入りまくったカバーアートにも注目! 本書は短編集故に予備知識がなくてもお楽しみいただけますので、少しでも気になった方はぜひお手にとってみてくださいね!
文責:三浦修一(編集部)