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『セプテンバー5』を観たよ!
『第81回ヴェネツィア映画祭で上映されるや、大絶賛を受け、一気にアカデミー賞をはじめとする賞レースの最有力候補に浮上した 〈公式HPより〉』
それは言い過ぎ笑。
ちなみに米アカデミー賞では『脚本賞』にノミネート。素晴らしいことだけど「最有力」は盛り過ぎだってよ、『セプテンバー5』
1972年のミュンヘンオリンピックでパレスチナ過激派組織『黒い九月』が選手村に侵入してイスラエル人の選手やコーチを人質にとったテロ事件を、生中継したアメリカのテレビ局ABCのテレビクルーの視点から描いた作品です。
映画のほとんどがスタジオ内での出来事、そしてカメラに映し出された事件の様子で成立しています。
テロという言葉がまだメジャーではなかった時代、世界で初めて生中継されたテロ事件、生中継することになったのはABCの報道局ではなく、オリンピックを生中継していたスポーツ局。
警察が犯人に秘密攻撃を仕掛けようとする時も、それを生放送しちゃって「あれ?犯人もテレビ観てない?」って失敗させちゃったり、人質は全員解放されたという未確認情報を流すか(他社に先駆けたい)流さないか(良識)で悩んだり、スピード感のあるストーリー展開で、有名な役者は出ていないけど適材適所でみんな上手。
もうね、お金も時間もたっぷりかけて制作した極上の『ザ! 世界仰天ニュース』って感じ。なんなら『ザ! 世界仰天ニュース THE MOVIE』って感じ。ザ、多め。
でも、ザ・世界仰天ニュース的な映画って『賞レースの最有力候補に浮上』することはないのよね。ノミネートはされるけど5番手、6番手って感じ? それはやっぱり事実の焼き回しっていう感じがするからかなー?事実以上でも以下でもない。どんなにリアリティを積み重ねてみてもリアルには敵わない、そんな「あと一歩」感が、この手の映画には付きまとうと思う。
だけど、私はザ!世界仰天ニュース的な映画は好きです。好きっていうか積極的に観に行くタイプ。聞いたことはあるけどよく知らない史実や事件。人物に関する映画は特に観る気になります。気軽に知識を得られるので。
私のそういう性格はどうやら母譲りで、母も『ザ!世界仰天ニュース』が大好き。この間も「今夜はホテルニュージャパンよ!」って朝からワクワクしてたもの。いや、さすがにホテルニュージャパンに関してまだ他に知りたいことある? って疑問だったけど(私も母も、散々そういうのを観てきたから)放送が始まったら「え!スプリンクラーついてなかったの?」なんて、まるで初耳みたいにハシャいで楽しんでました。
ボケた?ちょっと心配になったけど、いや、でも、テレビや映画など映像から気軽に得た知識って忘れやすくもあるから、そんなものなのかもしれませんけど。
ザ・世界仰天ニュースがお好きな方は、ぜひ。