希少性の高い人間になる
年齢を重ね大人になるにつれ、仲間内での会話も変化してくる。
若い時は地元の友達やサッカーの仲間と集まってもサッカーや洋服、女の子の話しかしなかったが今は仕事やキャリアの話がほとんどになった。(女の子の話もします。)
僕は今、いろんなことに挑戦していることもあり『サッカー以外にやりたいことや、できることがあっていいな。』
と言われることが結構ある。
確かにプロサッカー選手まで上り詰めた選手のほとんどは幼少期からサッカーに全てをかけてきた、という人が多い。
だからサッカー以外のやりたいこと、自分ができることを見つけることは難しい作業なのかもしれない。
僕自身もここ数年でやっと考えていたことを実行に移せるようになったし、まだ何も形になってない今の状態で偉そうに語るつもりはないが、子供の時から両親に言われていたことで意識していることがある。
『希少性の高い人間になる。』
ということだ。
これは理論上は何も難しいことではなく、自分が今いる業界で珍しい人になる。ということだ。
僕の場合で考えてみると、サッカー選手というカテゴリーで自分でアパレル業をやってる人は僕が知ってる範囲でも何人か思いつく。
これだけでもある程度は希少性があることかもしれないが、さらに今勉強してる英語を不自由なく話せて、プログラミングもできてホームページ作成などができるとなればさらに希少性は高くなる。
スキルや出来ることを掛け合わせれば必然的に希少性は上がり、生きていく上で仕事に困ることはないと思う。
例えばサッカー選手であれば、引退後に指導者の道に進む人が多い。
もともと育成や指導に興味があり指導者になりたかったのであればそれは良い事だと思うが、そうではなくサッカー以外に何も出来ることがないから、
『今までの経験を生かして指導者になるしかない』
という風に自分の可能性を決めつけ指導者の道に進む人も実際にいると思う。
ただ、毎年引退する選手は必ずいて、さらに少子化が進めば子供の数が減り指導者の需要も下がるかもしれない。
そうなった場合に必要とされるのがやはり希少性だと思う。
仮に英語を話すことができれば、普通の育成の指導者より高い給料でインターナショナルスクールでサッカーの指導ができるかもしれないし、通訳などの選択肢もある。
さらに言えば海外に出てそれをすることもできると思う。
動画編集のスキルがあれば、選手のプレーを映像でフィードバックすることができ、本来コーチと映像分析担当の2人の枠を使うところを1人でまかなうことが出来れば、その人間の価値は間違いなく高いだろう。
僕が言いたいのは、それを実際に身につけるのは一朝一夕では不可能かもしれないが、『何をすればいいのかわからない』ということにはならないはずだ、ということだ。
ここまでは希少性を高めて、未来の自分に必要なことを予測し何かを始めることを書いたが、結局スキルを身につけたところで、思い描いた通りに行くかどうかは誰にもわからない。
しかし、何かをはじめることで努力を必要とし、その努力の過程でまた新たに別のことに興味をもったり気づいたりすることが多々あるし、むしろそのプランBのほうが成功する可能性も充分にあるんじゃないかと思う。
スティーブ・ジョブズが生前、スタンフォード大学の卒業式のスピーチで
『先を読んで点と点をつなぐことはできません。
後からふり返って初めてできるわけです。
したがってあなたたちは、点と点が将来どこかでつながると信じなければなりません。
自分の勇気、運命、人生、カルマ、何でもいいから、信じてください。
点がやがてつながると信じることで、
たとえそれが皆の通る道からはずれても、自分の心に従う自信が生まれます。
これが大きなちがいをもたらしてくれるのです。』
と語った。
この言葉の通り、今自分が挑戦してることが『点』だとすれば、その『点』と『点』が『線』となり繋がるのは振り返ってからわかることで、今やってる全ての『点』が何に繋がるかを事前に決め、その通りに物事が進むことは難しいと思う。
大切なことは、いつか『線』になることを信じ、『点』を増やすことだ。
しかし、なにか行動を起こさない限りは希少性は上がらず、『点』は増えないし『線』にはならない。
僕自身も今自分がやってることが結果的に何に繋がるかはわからない。
だが、自分が信じて選んだ道で『点』が『線』になった時、僕は希少性の高い人間になれているはずだ。