シナジー
相乗効果(そうじょうこうか、シナジー、英: synergy)とは、ある要素が他の要素と合わさる事によって単体で得られる以上の結果を上げること。
最近はアスリートのキャリアについて議論されることが多いように感じます。
TVやネットニュース、最近流行りのClubhouseでもそれについてよく議論されてるのを目にしますし、僕がお世話になってる株式会社マエノメリを含め、アスリートのキャリアをサポートする企業も僕がプロになった約10年前より確実に増えていると思います。
僕の意見は、自分が必要だと思えば競技以外のことにも挑戦すればいいし、必要だと思わなければする必要はないと思います。
アスリートが競技以外に行う活動に関しては、競技とは全く別物で、競技力を向上させる事とは無縁だと考えられていると思います。
その点に関しては僕自身も同じように感じていましたし、今やってる洋服やフードデリバリーのプロジェクトも、競技力を向上させようと思って始めたことではありません。
しかし、僕は実際に自分でやってみて、サッカー以外にやっていることがサッカーにも繋がるんではないか、と考えています。
僕は洋服を作って売る、という行為でそれを感じたことがありました。
それはありきたりで面白みがないかもしれませんが、感謝するということです。
僕はこの一年、自身の洋服のブランドである「CLUB SARCASM」のPOPUP STOREを広島、岩手、長崎、東京の各セレクトショップで開催させてもらい、岩手以外の全てで店頭に立ち接客させてもらいました。
僕はサッカー選手として名前のある選手ではないし、世間では全く知られていない僕のブランドがただPOPUP STOREをやるといっても集客できるわけない、と思っていました。
しかし、開催させてもらってるセレクトショップさんに対して売上という結果で返さないといけないと思っていたし、自分自身やれることは全てやらなければ経験さえ得られないと思っていたので、自分ができることは全てやりました。
恥を忍んで沢山の人に直接連絡させてもらったし、人を集めるために必死になりました。
このPOPUP STOREと同じように、人を集めて何かをするという意味では、Jリーグに所属しているときに、サイン会等で何度もありましたが、その時は所属チームの看板で、チームが集客し、ただ機械的にサインをしていただけだったと思います。
あくまでこれは僕個人の話ですが、本当に正直に言えば、僕はJリーグのチームに所属してプレーしている時、スタジアムに来てくれてる人たちや日頃応援してくれてるファン、サポーターに対して感謝する、という感情があまりわかりませんでした。
1プレー1プレーに責任を持つということも自分自身や自チームに対して、であって応援してくれてる人たちに対して考えたことはあまりなかったと思います。
しかし、自分で身銭をきって洋服を作り、覚えたExcelで納品書を作って(これが一番苦手)取引先に納品し、自分で集客し、自分で接客してお金を頂く、という行為は僕に本当の意味で感謝するということを教えてくれた気がします。
縁もゆかりもなかった広島でも沢山の人がきてくれたし、4年所属した長崎では、退団して1年程経ってるにも関わらず、本当に沢山の人が来てくれて喜んでくれて、お金を払って買ってくれて、本当に応援してるよ、という言葉を掛けてもらいました。
知り合うはずのなかったセレクトショップの方たちや、洋服を始めてから繋がった人たちも心から応援してくれています。
僕はこの人たちに還元したいと思ったし、こうやって応援してくれる人たちのためにプレーしたいという気持ちになりました。
結果として、サッカー以外の事をしてみて初めて、本当の意味で感謝するということがわかった気がします。
もちろん自分自身がプレーすることに喜びや情熱を感じているからこそサッカーをしていますが、自分がやりたいことをやることで喜んでくれる人がいるということは素晴らしいことだなと改めて感じました。
こういう気持ちでサッカーができたら、一つ一つのプレーにも、もっと責任をもってプレーできると思いました。
自分自身の看板を使って、お客さんからお金をもらってなにかをするということは、自分が思ったより全く人が来てくれないかもしれないし、数字として結果が出るという意味では現時点での自分の価値を知るようで、すごく怖いことなのかもしれません。
ただこれはあくまで僕個人の考えですが、もし全く人が来なくて、大変な思いをして作りあげたものが一切売れなくて恥をかいたとしても、だから何だという気でいます。
もちろん沢山人が来てくれて、成功するに越したことはありませんが、自分が好きで情熱を注いでいるものが、それだけのことで無に帰することはないし、大事なことは、やると決めたことに対して全力でぶつかることであり、全力でぶつかることができればそれがどんな結果であっても次に進めると思います。
それに僕は恥をかくことはすごく大事なことだと思います。
あとは自分を貫いて、成功の途中だと思って続けるだけです。
これはサッカーにも言えることだと思うし、全てのことに言えることだと思います。
最近リリースがあった通り、南葛SCでプレーさせてもらうことが決まり、改めてプレーする喜びを感じることができています。
自分自身これからこの経験をシナジーに変えて、プレーヤーとしてどうなっていけるか楽しみです。
チームが決まっても、サッカー以外のことにチャレンジすることは変わらないし、むしろもっといろんなことにチャレンジしたいと思っています。
これからも沢山失敗するだろうし、恥もかくと思いますが、その度成長できるように頑張っていきます。
来週から「CLUB SARCASM」のオンラインサイトをリニューアルして新作を販売しますので、そっちもチェックお願いします!