「あなた、エロいですね?」20/3/28

「あなた、エロいですね?」と訊かれて、いえ、エロくありませんと言う人は嘘つきだ。少なくともこれを読む人間は皆がエロいだろう。

演奏家として人の演奏を聞きに、クラシックのコンサートやバンドのライブ、エスニックのライブなど良く足を運ぶが、いい体験をしたと思うときと二度と行かねーわと思うときが当然ある。

いい体験ができたな~と思える演奏者の演奏に触れたときは、心の中で

「なにこいつ、エッッッロ!!」

と叫ぶことがある。

男女問わず、きわどい服を着たりセクシャルアピールをしている訳ではないのにも関わらず、いい演奏をする人はエロく感じる。音そのものがエロいとか表情がエロいとかを超越して、全身から"性"が立ち上っているのを感じる。めちゃムラムラするのだ。

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頻繁に音楽に触れる人には、この「エッッッロ!!」がなんとなく分かるのではないだろうか。

音楽はエロい。
と言っても「音楽=エロ」ではなく「音楽の中にエロさは内包される」と言う意味でだ。
三島由紀夫の著作"音楽"において、ある女が性行為のオーガズムと音楽を同一視するという狂言を吐く。このように音楽とエロは切っても切れない関係にあるのだろう。

クラシックの楽曲なんかは、構造上、性行為のフローに近い進行をするものが珍しくもなく、曲の冒頭では少しずつ局部を確かめ、終盤に向かって鼓動やダイナミクスが絶頂に達するなんてクラシック音楽のあるあるだ。

とは言え、いい演奏に触れたときに自身の体に生理的な反応を示すことはほぼない(全く無いとは言ってない)。あくまで精神的なエロスを覚えるのである。

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たくさんの(いい演奏をする)エロい演奏家に接してきたことは僥倖である。

いい打楽器奏者を見付けては「なにこいつヤベー…エロすぎんよ」と思い、いいギタリストを見付けては「こんなエロいくせによく町を歩けるな」と思い、いいピアニストを見付けては「エロすぎる。責任取れんの?」と思う幸せな日々である。

実例を挙げるとセクハラ大炎上案件を免れ得ないので秘匿するが、そこのお前もエロいしお前もエロいしアンタもエロいしあなたもエロいので安心して欲しい。

今夜使わせてもらいます

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