未来の構文おじさんこわい

友人の演奏会やライブに行くと、必ず一人や二人は「あっ……この人は絶対にFacebookで演奏者にヤバ絡みして総スカン喰らっているな」というオジサン(またはオバサンだが、この話において中心となるのは性差ではなくてキモさなのでその辺は気にしないで頂きたい。)が存在している。

演奏後に謎のアドバイスをして去っていく、演奏者のSNSに陰部むき出し土足で踏み荒らし去っていく、等の危険な存在「クソリプファンオジサン」がどんなライブにも必ず一人とか二人はいるので、どこかにクソリプファン事務所みたいなのがあって派遣されてきてんじゃないだろうか。実は逆接的にアイドルの価値を支えるために生み出された、不憫な"裏アイドル"なのでは。おっと誰か来たようだ……あ、普通に宗教の勧誘だった、いえ、フライングスパゲッティモンスター教なんで、はい、結構です

自分もよく人の演奏に足を運び楽しんでいるのだが、ある日急に"あれ?三十路になったから僕もクソリプファンの仲間入りなのでは?"という不安が生まれつつあることに気付いた。そもそも大学生が子供に見え、歯を磨くと「オ…オェッ!」とえづく確率が上がってきた事からも相対的にオジサン化していることは事実である。

普段から友達のライブ後に
「今日は全身が可愛かったよ…」とか
「私、図らずも興奮してしまいました。」とか
「髪型良かったね、どこで切ってるの?」ニチャア…とか
平気でLINEしてしまう僕である。このLINEがもし親しくない年下などに向けられれば、いくら僕が妻夫木と羽生くんを足してギタラクルで一刀両断した令和初のイケメンだからといって許されるものではないかも知れない。

これはいけない。
この僕が。クソリプファンオジサンをプロファイルすることを生業としてきた僕がクソリプファンオジサンと化すなんて。ありきたりなミステリーのようではないか。

───こうして僕は「ライブ終わった瞬間にこつぜんと姿を消す自尊心ヤバみオジサン」「演奏者に"良かった"と一言だけ送りつける大物匂わせオジサン」へと進化したのである。

(Facebookでイケメン演奏者に「息子にしたい~!」って激クサコメントしてたキモすぎるオバサンいたからクソリプファンって男女関係ねーんだなって思っ)

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