Meals&Entertainment(接待交際費) について、ちょっと詳しく話してみた
今年の4月にDeaprtment of Treasury(米国財務省)及びIRSからの発表で
Beginning January 1, 2021, through December 31, 2022, businesses can claim 100% of their food or beverage expenses paid to restaurants as long as the business owner (or an employee of the business) is present when food or beverages are provided and the expense is not lavish or extravagant under the circumstances.
というのがあった。
いわゆるレストランへの支払いを条件としたmeal については、2021年1月から2022年12月までの間で、今までの50%から原則100%の損金算入を例外的に認めますというもの。
これを踏まえて、実は奥が深いと言われているMeals & Entertainment(M&E)について深堀りしたくなったので、備忘録も兼ねて文章に残すことに。
ちなみに日本語訳だと接待交際費だが、米国ではMeals&Entertainmentとなり、すこし性質が違うので、注意が必要だ。
実はとても複雑なSection 274: Dis-allowance of certain entertainment, etc., expenses
M&Eについて記載されているのが、Section 274なのだが、section261 以降については”ITEMS NOT DEDUCTIBLE" 位置付けであり、これは損金算入していいですよ、という条文ではない。
とういことは、あくまで原則的は、損金不算入であり、さらにmealsについては、例外的に上限50%を損金算入を認めますよとしている(さらに例外的に2021年1月から2022年12月までの間は100%としているのは、上述した通り)。またアメリカでビジネスをしている人なら知っていると思うが、Entertainment については、現行法で全額損金算入となっている。
とりあえずbusiness meals についての条文の一部を見てみよう。
(1) In general, No deduction shall be allowed under this chapter for the expense of any food or beverages unless—
(A) such expense is not lavish or extravagant under the circumstances, and
(B) the taxpayer (or an employee of the taxpayer) is present at the furnishing of such food or beverages.
まずすごく曖昧なのが、lavish / extravagant の部分。例えば日本のクラブやキャバクラなどで、会社規模や商談規模にもよるだろうが、数百万円の接待交際費なんかは、合理的に考えるとlavish / extravagant該当すると思う。一応、参考までに少し前例を探したんだけど、いい例が見つからなかったので、根拠はあまりないけど、、、、(Stare decisis(先例拘束力の原則)で判例法を根幹とするアメリカ社会においては、前例があるということは強力なので、税実務上もすごく大事な作業)。
あとは地域の物価差もあるよね。NYCとミシシッピ州のド田舎(全米で一番、Living cost が低い州)だと、lavish / extravagant の基準も変わってくるしね。
the taxpayer (or an employee of the taxpayer) is present の部分についてはわかりやすい。
ざっと紹介したけど、M&Eはかなり奥が深くて、Big4の中でもM&Eばっかりやっている専門家が何人もいたりする。
Mealsの損金範囲
どういった場合には、Meals として処理できるのかという質問を頂くので、簡単に説明していく。
まずは会食について。
Client, Customer, Vendor, Supplier, Agent, business partner, advisor との会食も原則損金算入となる。またはPossible Clientについても問題ない。また従業員との会食も合理的な理由さえあれば、特段問題ない。例えば、人事評価を含むランチミーティングや、キックオフミーティング等などだ。(みなし給与されない範囲であれば、問題ない。ここも結構深い話になるので、Mealsに限らず、みなし給与の話はいずれどこかでしないとなーーと)
出張中の食費:Travel mealsについても損金算入可。
Entertainment との分け方:これについてもIRSよりガイダンスがでており、例えば、クライアントとの野球を見に行ったとする。野球のチケットに関してはEntertainment として損金不算入となるが、野球場で買ったドリンクやフードについては、損金算入となる。(他も同様に、meals とentertainment の正確に区別できるものであれば、meals の部分は損金算入となる)
実務上の管理
例えばQuickBooks なんかを使用していると、M&Eはデフォルトの設定で、M&Eとして一つのアカウントになっている。これについては、分けておいた方が良いだろう。トランプ税制より前からある企業は、トランプ税制前ではEntertainment も50%損金算入だったので、同アカウントで記帳していた会社も多いが、トランプ税制以降は勘定科目の変更を余儀なくされた会社も多いだろう。
またレシートの管理についでだが、原則IRSの規定で$75未満のレシートにつていは、保管する必要がないとされている。(税務上の規定はそうであるが、会社の内部統制上は保管すべきであるので、レシートについては金額の基準を設定すべきでなく、原則すべてのレシートを保管しておくべきだ)
そしてレシートと一緒に(レシートに直接書くのが楽)、名前や会社名、目的などを明記しておく必要がある。ガイダンスにも記載のある通り、そうしておかないと、万が一、IRSから監査が入った場合は、損金不算入とされてしまう可能性があるからだ。
以上。