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少年堂の裏話:撃たれたGジャンと古着ビジネスのリアル


少年堂の古着は、主にロサンゼルスやシカゴにある巨大なウェアハウスから仕入れていました。倉庫の規模は東京ドームほどもあり、中にはリーバイス501やペンドルトンのネルシャツなど、掘り出し物が眠っています。
しかし、それらを見つけるのは容易ではなく、半日かけてようやく50~100点レベルの良品が見つかる程度でした。

ウェアハウスの経営者はユダヤ系の方が多く、働いているのはメキシカンやプエルトリカンの労働者たち。陽気で親切な彼らが、時々面白いエピソードを生み出してくれました。

ある日、メキシカンのスタッフがニコニコしながら「50セントでいいよ」と手渡してきたのが、リーバイスのGジャンでした。ビンテージではありませんでしたが、美しいインディゴの色落ちとサイズ42が絶妙にマッチした一品。



しかし、よく見ると3箇所ほど穴が空いており、なんと血痕が付いているではありませんか…。そう、このジャケットを着ていた人は撃たれた可能性が高かったのです。

50セントはほぼタダ同然。シャレとしてディスプレイ用に仕入れ、少年堂に飾ることにしました。
ところが、そのジャケットに興味を持つお客様が現れ、数万円で購入されました。仕入れ価格やいきさつを正直にお話ししたにもかかわらず(笑)。
この頃、少年堂では月に50万から150万ほどのビンテージGジャンが売れていたので、驚く価格ではありませんでしたが、その背景を知るとインパクトのある販売だったことは間違いありません。


面白いことに、この出来事の少し後、日本では穴あきGジャンが東京や大阪で大ヒットしました。ファッションの流行とストリートカルチャーが絶妙にリンクする瞬間でした。

古着ビジネスやストリートカジュアルは、危険な橋を渡り、汚れ仕事にも向き合う世界。普通の人なら引いてしまうような場面もありましたが、
だからこそ少年堂は他にはない個性的な店として全国のお客様から支持されたのです。まるで漫画のようなアメリカでの仕入れエピソード。
そのひとつひとつが、少年堂の歴史を作ってきたのです(笑)。


「こうしたアメリカでの買い付けのエピソードが、今の少年堂音楽番組にも影響を与えています。当時の店内で流れていたレゲエやヒップホップ、ディスコソングの雰囲気を再現しつつ、新しいオリジナル楽曲を配信中です。

最新の動画では、少年堂のスピリットを感じる音楽と映像をお届けしています。ぜひYouTubeの『少年堂音楽番組』をご覧ください。
リンクはこちら →少年堂 (Shonen-Do) - YouTube

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これからも、音楽とともに少年堂の物語を紡いでいきますので、どうぞお楽しみに!」

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