透明人間もスーパースターになりたい
私は影が薄い。目立つこと、人前に立つことは実は好きなのに、得意ではないので結果的に影を潜めてじっとしている。
私は高校のとき、クラスで2番目くらいに早く登校していた。その少し後にクラスで中心的な女の子たちが数人登校し、教室の中にはその子たちと私とあと他に1,2人がいるかいないかくらいの状況になる。
その中心的な明るい女の子たちが、人が少ないのをいいことに恋バナを始める。他人には聞かれたくないような話なのだろうが、クラス中に聞こえるような大きめの声で話している。そのため、私には全て聞こえている。しかし、その子たちは、私に話を聞かれているのを気にする素振りはない。
その時はちょっとうるさいかな、と思いつつも、好奇心から少し聞き耳を立ててしまったりして、ともかく、私はそこまで気に留めていなかった。けれど、後々考えるてみると、ある事に気づいてしまう。
その子たちは、クラスには自分たちしかいない、私をいないものとして恋バナをしていたんじゃないのか?私は影が薄いどころか、存在しないものとされているのか???
そう思うと無性にモヤモヤしてくる。もちろんその恋バナ女子たちには何の非もない。ただ楽しく友人とのおしゃべりを楽しんでいただけだ。その女の子たちに対して苛ついているのではなく、私はきっと、自分の存在価値が低いと言われてるみたいで悲しいのだ。私はいるかいないか分からないような、どうでもいい存在なんだなあ、と。
思えば、その高校の時に関わらず、私は学生時代ずっと、いてもいなくてもいいような存在として過ごしてきたのだと思う。
それなのに、自分でもそえ気づいているのに、物心ついた時から今に至るまでずっと信じ続けていることがある。こんなこと書くのは恥ずかしいが、自分は将来、すごいことを成し遂げて、すごい有名になって、すごい大物になるのだと、子どもの頃から信じ続けてきた。将来が少しずつ限られてきた20歳の今になっても、根拠もなくずっと信じている。いつか、いなくてはならない存在になるんだ。光り輝くスーパースターになるんだ、と思って、もがき続けている。
でも、たとえ有名人になれたとしても、結局はいてもいなくてもいい私なのかもしれない。私がいないなら、それはそれで代わりが出てきてなんとかなってしまうんだろう。結局は社会の中のちっぽけな一人でしかないと気づいて、悲しくなったりするんだろう。
それでも、求められていなくても、だからといって諦めるのではなく、求められる努力をせずにはいられないんだと思う。そうしないと虚しい、どうしようもない。世間に見てもらっても、見てもらわなくてもどっちでもいいと思って生きていくのは、きっと私にはできない。
他人から見ればどうでもよかったり、大したことじゃなくても、
そして、その事に自分自身気づいていても、
せめて心の中では、ずっと自分を信じ続けたい。
せめて自分だけは、ずっと自分の味方でありたいんだ。