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エルゴラッソ総括レポート2021

数週間ぶりに本屋さんに行けた。


前から気になってた本があって見に行ったんだけど、それは実際に見てみて「買わなくてもいいかな」と思って買わなかった。


その代わりというわけじゃないけど、エルゴラの全クラブ総括レポート2021を見つけて、ベルマーレのページと、他にもこのページはずっと読み続けたいと思うところがあったので買ってきた。


この本はこれまでも何度か買ってる。

さすが専門紙が出してる本だけあって、各クラブそれぞれ深く掘り下げた記事が多くて、読み応えがある。

ベルマーレはもちろん、他クラブの内容も「あの時のこのチームはこういう状況だったんだな」とか、「ハイライトで見たら数秒のプレーでも、陰ではこういうことを考えてたんだな」とか、その年の総括にふさわしい本だと思う。

1222円で普段のサッカー雑誌よりは高いけど、この写真とこの内容なら、そりゃそうだろうなと納得して買える。

個人的に、キャピキャピした系統の記事は別にいらないというか好きじゃないので(苦笑)、この本は試合関連のデータと、特定の試合やプレーの話ではなくてもサッカーには大いに関係がある内容しかなくて、後々読み返す目的としても大切に保存しておきたくなる。


発売されたばっかりの本で、買うつもりでまだ買ってない方もおられると思うし、詳しい内容をここに書くのは避けるけど、ベルマーレのページに、番記者さんが「ベルマーレは降格するだろうね」と言われたという話が出てくる。


それで思い出したことがある。

これは特にこの本の内容の詳細ではないので書こうと思う。


私がベルサポになってから、ベルマーレは何度か昇格と降格を繰り返した。


ある時の降格危機。

私はその時も、実際に応援に行ける機会は限られてたけど、何とか残留できるようにいつも一生懸命応援してた。


その頃、他チームサポーターさんの知り合いがいた。もともとは知り合いの知り合いで、サッカー繋がりで話すようになった。


ある日、「(当時ベルマーレと残留争いをしてたチームの)〇〇監督大好きなんだよね。〇〇さんが降格するのは絶対嫌だから、ベルマーレに落ちてほしいんだ」と面と向かって言われた。


その人にはその人の思いがあって、私には分からない部分でその監督に支えられてたかもしれないし、その人が誰を応援しようと自由だとも思う。

ただ、私が小さい時からずっとベルマーレを大好きだと知ってて、そういう言葉を目の前で吐き捨ててくることには正直耳を疑ってしまった。


私はその時、その人に何と返事をしたんだろう?

おそらく、その人は結構年上の人だったし、失礼がないように、傷つけないようにと私なりに言葉を選んで、何らかの言葉を口にしたんだと思う。

でも、内心ショックだった。


そのシーズン、ベルマーレは実際に降格してしまった。

とても悔しい気持ちでいるところに、その人に「やったー!〇〇監督残留したー!!ね?ベルマーレ降格したでしょ?すると思ったんだ!まぁ、また上がればいいだけじゃん。上がれるかもよ?運が良ければ」と言われてしまったことが、また余計に悔しかった。


私は、誰かのことを真っ向から嫌いになったりはほとんどしない。


理不尽な暴力を振るわれたり、明らかに不快な言葉を繰り返されたりしなければ、私は比較的自分から歩み寄ろうとするほうだと思う。

だけど、この時はどうしても、「この人はサッカーに限らず、人の大切な人やもののことを平気で傷つけてくるんだろうな」とすごく思ってしまったので、少しずつ距離を置いて今に至る。


今から考えたら、私にとってその大きな悔しさは、遠くからベルマーレをいつでも応援する上での大きな節目の一つになってると感じる。

もちろんそんな思いはしないに越したことはないとは思うけど、この世界にはいろんな人がいて、みんながみんな「遠くからベルマーレ応援してるんだねー!頑張って応援してね!」と温かく見守ってくれるわけではないというのを実感した経験だった。


初めのうちは、「ひたすら残留し続けて、ベルマーレは強くなったんだなと思ってもらいたい、見返したい」という気持ちも正直あった。

でも今は、その人が今サッカーを見てても見てなくても、前に応援してたチームのサポーターをしててもしてなくても、その監督を今でも好きでもそうじゃなくても、それはその人の人生で、元気でいてくれたらそれでいいと思ってる。

私がブレずにベルマーレを大好きなら、それでいいと思えるようになった。

人を嫌って恨んだだけでは、何の解決にもならないと思う。

そこから何を感じて、どう活かすかで未来はずいぶん変わる気がする。

自分がされて嫌だったことは人にもしない。

傷つく痛さが分かるなら、なおさら人にはしたらいけない。それを学ばせてもらった。


そのこと以外にも、たくさん悔しいことはあったけど、それを乗り越えるたびに「自分はほんとにベルマーレを大好きなんだな」と再確認することができたし、すっかりふるさとの9市11町のホームタウンはこれから先もずっともう一つのふるさとだ。


同じようにサッカーを好きでも、価値観や想いや考えは人それぞれ。

何も共通項がない人よりは仲良くなれる可能性は高いかもしれないけど、サッカーという共通項があるからといって、必ずしも全ての部分で深く理解し合わないといけないということではないと私は思う。

いろんなことがあるからこそ、本当に理解し合える友達や仲間と出会えたらそれを宝だと思えるし、決して当たり前じゃなく幸せなことなんだと分かるような気もする。


ベルマーレのページでそんなことを思い出すと同時に、私みたいに遠方から応援してる人にとって、番記者さんやこの総括レポートのような本は、決してそのチームと接することがない毎日の生活と、そのチームを強く結びつけてくれる大切な存在だと改めて感じた。


本ではなく新聞のエルゴラも、関東では今もコンビニで買えるけど、西日本では販売がない(デジタル版はあるけど)。

紙の新聞を買ってスクラップをしてきた私にとっては、本当は前みたいに駅の売店でエルゴラを買えたらいいなと思ってしまう(前から西日本では駅構内の売店か駅構内のコンビニにしか売ってなかった)。

神奈川のベルサポさんたちが「エルゴラ買えた!」「〇〇のコンビニで最後の1つだった!」「表紙が最高だから部屋に額に入れて飾ったよ」と言うたびに、いいなー、うらやましいなーと思う。


でも、ないものねだりは良くない。

私にも、こうしてこの本を読んで、今年のベルマーレや今年のサッカーでの出来事を振り返る時間がある。それだけでも、充分感謝しないといけないもんなあ。


ベルマーレのページ以外も、特に読みたいところや気になるところはじっくり読んだ。もちろん、少しずつ全チーム分を一字ずつ心を込めて読むつもりでいる。


ゴールを決めたヒーローだって、ある日突然さっと決めてスポットライトを浴びてるわけじゃない。

そこに到達するまでに、人が見てないところでたくさん葛藤があったり悩んだりして、それでも自分を奮い立たせて頑張ってるからこそ、そういう輝かしい結果を出せるんだと思う。


私はそういうところをちゃんと見たい。

ゴールにしても、ピンチを劇的に防いだディフェンスにしても、そのプレーが一番陽のあたる場所で目立つのは自然かもしれないけど、そこに至るまでの過程や努力、頑張りに心から拍手を送って、それまでの道のりにも目を向けられる人でありたいと思う。そのでこぼこの道のりにこそ、一番大きな価値や意味がある。


どこが優勝したとか、どこが勝ったとか、それも大切なことだし、プロである以上はそこにこだわるのは当たり前だとも思うけど、私はそういう面だけじゃなく、サッカーのいろんな部分を見て、見習えるところは自分にも取り入れて、チーム関係なく素晴らしいことにはすごいねと言えて、そんなふうにこれからもサッカーと関わっていきたい。


この本を読んで、そんなふうに思った。

サポーターの立場からしても、コロナ禍でとても制限がある中でのサッカーだけど、番記者さんたちにとっても、取材面などかなりの制約があって大変だったはず。

その中での、迫力ある臨場感ある写真や、遠くから応援してるだけでは分からない部分まで踏み込んだ記事、本当に感謝だなと感じる。


ずっと大切にしたいと思える本を、今年も本当にありがとうございました(^^)

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