スペシャルヒーロー

湘南地域出身のマイヒーローの話。

湘南地域の定義って細かく分からないけど(たぶんはっきりとは定義されてなさそう)、ベルマーレのホームタウンに指定されてる市町は、私にとっては全部胸を張って堂々と湘南!*\(^o^)/*

本当は、どこのチームの〇〇選手にこんなふうに励まされたとか、こういうところが素晴らしいとか書きたいし、何かの形でもし本人にも伝わったとしたら、それはとても嬉しいと思う。

でも、前にネットで、特定のチームのサポーターをしてて、他クラブ所属の選手も応援してるという人に対して、とても批判的な声があるのを偶然見かけてしまったことがある。

その選手が自分がサポーターをしてるチームに前にいて、移籍した後も個人的に試合を応援に行ってるという内容で、私は特に何も思わなかったけど、全面的にその個人的に応援してる選手を詳しく押し出してしまうと、批判を浴びる場合もあるんだなと知った。


本来は、その選手や周りに迷惑をかけなければ、その人その人ごとにサッカーとの向き合い方は違ってもいいと思う。


でも、もし私がいろいろ詳しく書いて大きな批判を受けた時に、私に批判が来るのは仕方ないとしても(本来はそれもおかしいのかもしれないけど)、相手やその所属クラブに迷惑がかかってしまったら、それは結果的に迷惑になって応援とは言えないと思うので、あえて所属クラブや名前は伏せて書かせていただくことにします。

少し分かりにくい文章かもしれません、ごめんなさい。

前置きが長くなりました(^_^;)


私はずっと長くベルマーレを応援してるけど、今から書くのは、湘南地域出身だけどベルマーレに在籍したことはない選手の話。

かつて在籍してて、その後移籍しても個人的に応援を続けてるというんではなくて、まだ一回もベルマーレに所属したことはない。


応援し始めたのは、その選手がまだ学生だった頃にさかのぼる。

元々その学校自体にとてもいい印象があって好きだったのもあるし、湘南地域出身というのを知って注目してたら、すごく強い気持ちがあふれたプレーをするんだなって、応援したいと思った。

もちろん、湘南地域出身なだけで無条件に応援するわけじゃない。

湘南地域の人はいい人が多い!と思うけど、それでも中には残念ながらそうではない人も少しはいるだろう。

そこは見極めないといけないと思うから。


その学校のサッカー部の記事を見たりして、プレーそのものだけでなく、サッカーにひたむきな性格が伝わってきて、「この人は応援していきたいな」と思ったから、応援し始めた。

私の家から近くの学校ではなかったから、応援するといっても現地で応援できる機会はなくて(試合経過や結果やハイライトを見ながら「行きたいなあ」とよく思ってた)、本当に小さい小さい応援しかできなかったかもしれないけど。


その選手がプロにならずに他の世界に行ったとしても、サッカーがずっと好きならベルマーレの試合でバッタリ会える…なんてドラマみたいなことまでは考えられなかったけど(笑)、それまで以上に学生サッカーについていろいろ知ったり応援したり、その時点でもすごく世界が広がって感謝したいと思ってた。


私の誕生日の数日後に、プロになるというニュースを見た。

「努力する人には、ちゃんと神様は見てるんだなあ!!」と、自分のことのように感動して、その記事を読み返したのを覚えてる。

それだけでも充分嬉しいニュースだった。

ただ、そのチームのホームタウンは湘南地域から更に遠かった。

「これはなかなか、応援には行けないな…」と少し思った。

新体制発表での新入団選手の挨拶の動画が、ちょっと緊張してるように見えて、「頑張れ」と心の中でエールを送った。


ベルマーレ関係の知り合いには、その選手の話はほとんどしてない。

湘南地域出身の選手だし、言ったとしても「ほんとに湘南地域好きだなあ!」と笑って平穏に終わる話なんだろうと思うけど、一口にサッカーを熱心に応援してる人と言っても、価値観や感覚はそれぞれだと思うと、なんとなく言えずにいる。

本当は、その選手をずっと応援してることは私の大きな誇りなのに、と思う。


それでも密かに、その選手が入団したチームの応援マガジンみたいな本を買って部屋で読んでたり、そのチームの公式サイトを見に行ったりしてた。

ユニフォームのデザインもかっこ良くて、その選手に似合ってるなと思った。

学生時代につけてた背番号が、個人的にとても好きな自分のラッキーナンバーだったから、プロになってすぐのチームではその番号が空いてなくて違う番号になったのが慣れなかった(^^ゞ

名鑑とかでも、いつもの番号を探して違う選手がいるのを見て「あ、間違えた…今年は〇番だったんだ」って。


この2年はコロナ禍もあって、その選手の…という話に限らず、ベルマーレの試合も含めてスタジアム自体なかなか行けなかった。

その選手のグッズが手に入った時も、もったいなくてなかなか使えなくて、今も大事に置いてある。

たまに出して見ては、初心を忘れないようにしよう!と思う。


今年、家族の病気のことが落ち着いてる時に、行ける範囲のスタジアムで、その選手を応援できた日があった。

そのスタジアムには前にも行ったことがあるのに、新しい場所に行くような気分だった。


密にはならなさそうな空間というのは、あらかじめある程度分かって行ったけど、実際にもかなり風通しが良くて、自分個人の用事で久しぶりに外の風を感じるなあと思った。


試合前、スクリーンを見てたらその選手はスタメンで、こんなふうに試合を見れる日がついに来たんだなと思いながら、スタメンの名前の一覧の画面を記念に写真に残した。


試合中は、プレーを見ながらもずっと夢を見てるような感覚で、涙が出そうになってそんなに写真も撮れず、やっとスタジアムに来れたと思うと、視界がうるんで実際にもそこまで目に焼き付けられなかった。

やっと行けたのに、なんじゃそれはー!と自分でも思う(苦笑)


試合が終わって、家の都合もあったし、密にならない間に早めに帰ったけど、私にとって忘れられない大切な一日になった。

今もその日の写真は、大事に手帳に入れてある。


前にここの記事でも書いたけど、私はベルマーレでは基本的に背番号は入れないか、12を身につけるようにしてる。

チームも地域もまるごと大好きな私には、それが一番合うと思ってる。


でも、その選手の所属クラブの試合に行く時は、その選手の背番号を身に着けたりする。

ごく親しい人には、その選手のことやその選手のチームの試合にも行ってるのを話してるから、「Nikoにこれあげるよ」と言って、背番号入りのタオルマフラーをプレゼントしてくれた人がいた。

とてもありがたくて、とても嬉しくて、大切に使わせてもらってる。

「(その背番号)似合うなあ!」と言われたら、一日ずっと嬉しくて、いつも以上にニコニコしてる。


「ベルサポなんでしょ?」と言う人もいると思う。

だけど、その選手にこれまでたくさん、勇気や笑顔をもらったこと、本当にしんどい時も前に進むための力をもらったことは、私にとってはチームという枠を越えるんだ。

ヒーローは、ときに黄緑と青以外を着てる場合だってある。


どこに入団したとしても、プロにならなかったとしても、私はずっと変わらず応援してたと思う。

何十年応援したって、きっと返せないくらいの恩がある。

どれくらい力になれるかなんて分からなくても、ありがとうと思いながら、応援していたい。


今年、ついにその選手の背番号のユニフォームを着るようになった。

なかなか試合には頻繁には行けないけど、私にとって忘れられない出来事になった。

「それ、似合いすぎるわ!」「20年前から着てたんじゃないの(笑)」「皮膚と一体化してる!」

そのユニフォームで家事をする私を見て、家族はそう言って笑った。

(ちなみにベルマーレのユニフォームも「もうずっと昔から着こなしが慣れてる」らしい)

縁がある大好きな数字を背負って過ごす毎日は楽しい。

その楽しい笑顔になれる毎日も、サッカーとその選手がくれたものだ。

試合に出てくれたらもちろん嬉しい。

だって、あのスタメンの日は心がピッチに飛んでいきそうだった。

でも、試合に出られない時も、私の応援の気持ちが薄れることは決してない。

むしろ元気をそのチームのホームタウンに向けて飛ばし続けてる!

試合に出てる出てないに関係なく、私が大変だった時を見えない何かで力強く引っ張ってくれて、心を支えてくれたその選手は、ずっとスペシャルヒーローだから。


いつも、いつも、本当にありがとう。

「なんで、家族が病気になっても手術しても、なかなかサッカーに行けなくても、Nikoはそんなにいつも楽しそうに笑ってられるの?」

家族の病気のことを知ってる人にそう言われる時もあるけど、それは私が強いとかではない(いつも笑顔とは昔からしょっちゅう言われてるけど、それはたぶん性格が単純だから!笑)。

どんな時でも、楽しい面やプラスの面を見て過ごすようには心がけてるつもりだけど、自分一人でそう思ってるだけじゃやっぱり、そうできないことだってある。


パワーをくれる人がいて、そんなチームもあって、私は周りに支えられて恵まれてるから、元気に笑っていられる。

私も周りにとってそういう人でありたいと思う。

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