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「補助金が地方のガンなんや!」地域と補助金とコンサルの関係性

「補助金が地方のガンなんや!」

普段から行政のお金(税金)で地域活性化のお手伝いをさせていただいているので

「んなこたない」

という反発心を見事に釣られ、読み始めました。

以下、ちょっと内容にも触れるので、
ネタバレが嫌な方は、読み終わった後に帰ってきて頂けると嬉しいです。

本自体は、地方出身の東京でお仕事をする主人公が、
実家の家業をたたもうと、地元に通いだすのをキッカケに、地域の活性化事業にのめり込んでいくというストーリーです。
ストーリー調になっているので非常にわかりやすく、途中途中に筆者の解説も入るるので、どんな方にも読みやすい内容となっています。

以下ネタバレ少々と考えたこと

そのストーリーの中で、補助金事業がトラブルを生んじゃうのですが、
これがまた「あるある」
行政事業をやったことがある方なら誰でも共感できると思います。

「補助金が地方のガンなんや!」の意味は
そこのあたりを読むとこの言葉の意図がよく理解できると思います。

筆者の解説に下記のようなものがありました。

補助金は、最初は軽い気持ちで「使えるものは使おう」と手を出す人が多くいる。しかし、補助金を貰うからこそ事業計画がいい加減になり、そのうち何をやるのにも補助金がなければ事業を立ち上げられないような状況に陥り、さらにもっと額の大きい補助金を求めるようになる。依存性と耐性があるという意味でも、補助金は麻薬と同じ弊害があるのだ。

「地域と補助金(行政)とコンサル」関係性

上記筆者の解説を読んで、「地域と補助金(行政)とコンサル」関係性って
「患者と薬と医者」の関係に似てる
なと思いました。

患者=地域:高齢化・過疎化などの病に困っている。
薬=補助金:地域の病を治すために用意された。
医者=コンサル:補助金を行政から取って、地域に処方する。

完全にしっくり来る置き換えではないですが、こんな感じですかね。

薬には適切な使い方があって、適切に使う必要があるけど、
悪い医者が自らの儲けのためにバンバン薬を売っちゃう麻薬バイヤー状態になる。
麻薬で患者がハイになっている間に、医者は「治療しました感」をだけ作りちゃっかり利益を持っていく。
薬の切れ目が縁の切れ目。
薬が無くなれば医者はいなくなり患者には結局何も残らない。
禁断症状を起こした患者は、次の薬を求め路頭に迷う。
そこに新たな薬の登場!そしてタイミングを見計らった麻薬バイヤーの登場!
またまた地域をハイにしちゃいます。
以下リピートの状態。

こう当てはめると、筆者の「補助金が地方のガンなんや!」がよく理解できます。
確かに補助金は麻薬ですね。


私も地域活性化コンサルに勤めていますが、
どうやらこの”医者”というポジションに居るということを考えると
これまでの地域との関係性や事業の進め方は間違ってはいないんだなーと改めて感じました。

うちの代表は常に、地域の自律を目指し
「何を目指してこの予算を使うの?」
「予算が無くなったときはどうするの?」
という問いかけのもと事業を運営してきました。
(もちろん行政サイドの意見と異なる事もありますが、都度しっかりとお話をして合意の上、進めてきました。)

沖縄離島体験交流促進事業という事業では、
現在22離島25地域の観光受け入れ体制の構築を目指し、
平成22年から30年度までの9年間を通して、
11地域に観光受入組織が立ち上がり
ホームステイ型の民泊事業が8つの島でスタートしました。

もちろん薬を使わず治し、免疫と自然治癒力を高めるのが一番ですが、
薬をうまく使うことで病気を完治することもあります。
ただ、薬はあくまでも”補助”であり、
大切なのは、患者さん自らが「自分の力で完治させる!」という確固たる意志を持ち行動を積み重ねていくことなんでしょうね。

”医者”という立場として、地域の皆さんの想いを引き出しながら、薬を使わない活性化を進めていきたいなと思いました。

とても良い本に出会えましたー!
行政職員の方、議員さん、地域に関わるコンサル、旅行社、広告代理店あたりの方々にぜひ読んで頂きたい内容です。


最後まで読んでくれてありがとうございます! これからも沖縄・地域活性化・読んだ本からの気づいたことをぽつぽつと載せていきまーす