Leica M11は新時代のフイルムカメラ
高級カメラの代名詞ライカの最新機種 M11が2022/1/23に発表されましたね。
ライカM型を持っている・いない問わず、なかなか試せる機会がないためにM11購入を迷っている方がいるのではと思い、フジやα7S、M10-Pを経てM11を買ってしまった私がちょこっと書いてみようと思います。
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この記事でわかること
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・M11はどんな方におすすめか
・それはなぜか
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記事の前提
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・ライカM型を試したことがある
・or 一定知っている方むけ
結論から言うと、
ライカM11は新時代のフイルムカメラをお求めの方
向きです。
もう少し丁寧にいうなら、
フイルムのように妙に説得力のある画
フイルム並みの軽快感=レンズ1本でお散歩できる
という点にビビッとくる方向け。
個人的にはビビッときました(買ってから気づいたのですが汗)。
妙に説得力のある画
が撮れちゃいます。
銀塩フイルムの解像度をやっと超えた
ライカM11の大きな進歩の一つが、画素数の大幅アップ。
ライカM10, M10-P:24MP
ライカM11:60MP
と、2.5倍になりました。
印刷するにはA4なら9MPもあれば十分ということですが、そもそも印刷以前に素材として、デジタルの比較対象の銀塩が持っていたのか、というと
程度のようです。
あれ、M10-Pで十分じゃない?となりますよね。お待ちください。
実はデジタルの場合、解像度はおよそセンサーの画素数の4/9倍とも言えるんです。
なぜかというと、デジタルの場合センサー面の前にベイヤー式カラーフィルターというカラーで光を読み出すための装置が入っています。
※1/3でなく4/9である理由は、センサー配列ゆえなのですが、長くなるので別記したく。
だから実質的画素数は
ライカM10-P : 10MP強
ライカM11: 27MP弱
でした。なので、M11でようやく銀塩フイルムの解像度を超えたわけです。
解像力とレンズを活かした3D Pop
個人的にLeica や Carl Zeissなどのドイツレンズで気に入ってる描写が、立体感。Zeissの言うところの
ですね。Popというのは、画面から自分に向かって出てくることを指す言葉。
そのPopが、M11になってその度合いが強くなった気がします。
とあるように、この描写 Popの主要要素が、マイクロコントラストの高さです。ざっくり言えば、マイクロコントラストは、微細な凹凸の影の濃淡を描き分けられているか、です。
細かい書き分けができるほど黒から白へ細かく刻めます。そのため、受光時の解像度が高いほど、マイクロコントラストによる3D POPの限界値が上がります。
※立体感に関わる論考は、単独でもかなり長くなるので、また別の投稿にて。
M 11で解像度が上がり、LeicaやZeissのレンズが持っていたマイクロコントラストが十分に活かされた結果、フイルム時代のようにPopする妙に説得力のある画になったのだと思います。
クロップがあればレンズ1本でおでかけできる
個人的に「上手くなる、写真を楽しむ」ための一番の方法は、いつもカメラを持っていくことだと思っています。
大抵のことは 考える→試す→反省するの繰り返しだと思いますゆえ。
となると、写真の場合は、カメラをもってなきゃ試せない!わけです。
でも「このレンズもあのレンズも持っていかなきゃ、いやズームでもいいのか?でも単焦点じゃなきゃ」などと思っているうちに、カメラとレンズを眺めてうっとりするのが日常になったり、、、(特にライカは眺めるだけでもうっとりしやすい造形美ですし)。
M11の60MPのセンサはそんな問題をあっさり解決しちゃいました。
印刷や投稿ならクロップで十分。
受光部は大きくなければ、と言いましたが、実際の出力は
つまりおよそ9MP弱あればOKな訳です。
となると
35mm x √ (60MP/9MP) = 90mm
なので
35mm レンズで撮った画像を90mmまで拡大しても全然OK!
だから、上の3枚の写真を見てわかるように、
おでかけは35mmレンズ一本あればOK!!
になっちゃいます。
※ただしクロップに耐えるだけの解像力のあるレンズが必要です。上の例にあったAPO-SUMMICRONは100万越え(白目)。これも別の投稿にて。
※M11は撮影時にクロップできるデジタルズーム機能があります。が、ビゾフレックスかLCDでしかできないので、レンジファインダーで撮影している私は使っていません。レンジファインダーのフレームを自由に変更できたらいいのになぁ、と思います
※ポスプロの時間短縮も大事なプロの現場だったら、クロップでなくレンズ交換すると思います。写真ごとに画像サイズ違うのも納品物として微妙でしょうし。
そもそもライカM型は現実をクロップするもの
ライカM型は一眼レフレックスよりも前に流行した、レンジファインダーというタイプのカメラです。
※レンジファインダーの仕組みや詳細は、いっぱいブログあるのでそちらを参照ください
ミラーレスカメラがiPhoneのように撮影される画像のみを見ながら撮るのに対し、レンジファインダーは素通しのガラスを通して見える風景のうち、どこをクロップするのかを判断してシャッターを切ります。
焦点距離が変わると、見える風景はそのまま、撮影範囲を示す白枠が小さくなったり、大きくなったりします。
なので、レンジファインダーで撮影する行為は、そもそもクロップと言えるのではないでしょうか。
だから、レンジファインダーに慣れるに従い、後でクロップ(正確にはトリミング)することも抵抗がなくなってきます。
α7Sよりも、フジよりも軽い
私は2021年までフジフイルムを使っていたのですが
SONY α7s
Leica Q
Leica M10-P
を経て、M11を購入しました。でふと重さを振り返ってみると
X-Pro3 + XF23mmF1.4 R LM WR + XF56mmF1.2 R = 1,277g
α7S + SEL35F28Z + Batis 2/85 = 1,184g
M10-P + Summicron-M 35mm ASPH v2 + Summarit-M 90mm = 1,287g
(もしSONYで60MPなら)α7R IV + SEL35F28Z = 885g
M11 + Summicron-M 35mm ASPH v2 = 782g
と、
M 11のシステムが一番軽い!
のです。M10-Pではずっと重い印象があったので、
これは隔世の感があります。
もうM 11でいいじゃないか、と
まとめ
M11は
フイルムのように妙に説得力のある画
フイルム並みのトリミング強さ=レンズ1本でお散歩できる
による「新時代のフイルムカメラ」だと個人的には思いました。
こんな方におすすめだと思います。
フイルムのような質感のある写真を撮れるカメラが欲しい
フイルム・レンジファインダーのような軽快さで写真を撮りたい
(個人的に)こんな人にはあまりおすすめしません
スタジオ撮影でバリバリ使いたい(テザー出来ません)
ノートリミング派
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