ただの音楽好きが、音楽について真剣に語る夜 第一夜
今宵も音楽を聴きながら記事書いているショウマです。
今回語るのはKing Gnuの「白日」。
https://youtu.be/ony539T074w
昨年の2月にリリースされたこの曲は、ドラマの主題歌のタイアップにも起用されたことで有名になり、youtubeに公開されているMVは再生回数が一億超えを記録して、昨年の年末には紅白歌合戦にまで出場することとなった最大の出世作。
なぜこのタイミングで白日?なのかと思うかもしれない。
理由は単純。ただ語りたいだけなのだ。
パート毎にこの曲の素晴らしさを書いていこうと思う。
「時には誰かを知らず知らずのうちに
傷つけてしまったり」
この悲壮感溢れる歌とピアノで曲が始まっていく。
とても繊細で、息遣いまでもが歌の一部になってるんじゃらないかと思わせる。
このパート歌っている井口さん(Vo&Key)はこの入りがとても難しいと言っていた。
それでもライブやテレビの生放送ではしっかりと決めるのはほんとに凄い。(間違えた時は、ANNで岡村さんにイジられていた。)
途中からドラムとギターが入ってきて次のパートに移行していく。
「今の僕には何ができるの? 何になれるの? 誰かのために生きるなら 正しいことばかり言ってらんないよな」
Bメロに移行すると、常田さん(Gt&Vo)が主旋律を歌いオクターブ上を井口さんが歌うようになる。
Aメロとは違い、ラップのような歌唱で展開していく。
さらにはピアノ、ギター、ベース、ドラムが加わり、特にベースは地を這うようなリズムでとてもカッコいい。
音源でもよくベースが聴こえるので、イヤホンを挿して聴いてみてほしい。
「真っ新さらに生まれ変わって 人生一から始めようが へばりついて離れない 地続きの今を歩いているんだ」
ここでサビに入ってきます。
最初聴いた時は、「人生一から始めよう"か"」だと思ってたんだけど、歌詞を検索すると「人生一から始めよう"が"」だった。
再び主旋律は井口さんが歌い、オクターブ下を常田さんが歌うようになる。
今まで繊細さを徹底してきた井口さんが、エッジの聴いた歌声を展開していく様はほんとにカッコいい。
ボルテージを上げながらも、複雑な音程を軽々と歌い上げていく。
さらに楽器隊の演奏力によって、歌だけに意識を向けるのではなく、ボーカルと楽器隊の一体感を存分に楽しむことができる。
そして2番のサビから間奏に移行する直前では、「全てを忘れさせてくれよ」は井口さんの高音のロングトーンで思わず涙が溢れてしまうほどの破壊力である。
実際ワンマンで白日をやったときはめちゃくちゃシビれた。
そして間髪入れずに常田さんのギターソロが始まる。
ギターを唸らせながら、常田さんという存在をさらけ出しているのかと思わせるほどのエモーショナルな演奏は圧巻。
ライブ毎に微妙にフレーズが違ってくるのも見所の一つ。
「朝目覚めたらどっかの誰かになってやしないかな なれやしないよな 聞き流してくれ」
ここに来て急に主人公が戯言を吐き出している。
さっきまでの達観してた彼はどこにいったのだろう。
と思ったりもしたが、その不安定さも人間らしさといえるのではないか。
こういうことを気付かせてくれる常田さんは本当に天才。
作曲だけではなく、作詞も才能溢れてるからこそテクニカルでありながらも万人に受け入れられる曲を作れるのだと思う。
そしてラスサビの直前では、「うんざりするよ」で最高音のhiF#が登場し、ラスサビに入ると転調していく。
ちなみにこの「うんざりするよ」は、ライブでは歌ったり歌わなかったりするのだが、テレビ出演(生放送)の際は毎回歌っている。
「うんざりするよ」から「真っ新さらに」の繋ぎはありえないぐらい神がかっている。
ラスサビでは転調したこともあり、コーラス部分も更に強調され今まで以上に力のあるパートになっている。
そしてピアノで静かにこの曲は終わっていく。
4分半ほどの曲だが、体感的には2分半ほどで終わってしまう。
聴き終えた後、「あれ?もう終わり?」と思ってまたリピートしてしまう。
それはこの曲の濃密さであるということではないかと考える。
インタビューでも言っていたのだが、「全てサビをつもりで作っている」というのは本当にその通りだと思う。
どの箇所も濃密で、情報量が多い。
歌もギターもベースもドラムもピアノどれもが奥深く、聴くたびに新しい発見がある。
恐らく何百回とこの曲を聴いてきたが、未だに飽きることなく聴いていられるその楽しさがあるからだろう。
この記事を書いていたらまた聴きたくなってしまった。
「白日」以外も奥深い曲が沢山あるKing Gnu。
YouTubeで5月末までの期間限定でライブ映像も配信されてますので、この機会に是非聴いてみてください。
それではおやすみなさい。