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【感想】Chair/IL POSTO(マームとジプシー)

この作品の良さを語れる人は上級者。少なくとも僕には無理。
藤田氏は昨年12月に福知山でワークショップを実施しており、私も参加していた。ありがとうございました。


大まかなストーリー

イタリアの宿舎に泊まっている5人の若者が日常生活を送っている。それは本当にたわいもない日常生活である。しかしその裏側で、地球上では毎日人が死んでいる。日本で起きた具体的な殺人事件の名前も劇中では登場する。最後は登場人物の1人が夢をかなえるところで幕が閉じる。

何を観ればいいのか?

舞台はきれいである。
・舞台中央に椅子
・両サイドにも椅子や服
・幕にイタリアの街の風景が投影
・劇中はBGMがずっと流れている
・終演時には散らかっている舞台

ただ、ストーリーに盛り上がりがない。
ドラマがない。
基本的にイタリアの生活で同じシーンの繰り返し(リフレイン)。
特に事件も起こらない。
ただし終盤で日本で起こった殺人事件が語られる。
でも登場人物に降りかかる事件ではない。オーディションを受けようという女性が困難に会うというようなこともない。
あえて事件を起こしていないとも考えられる。
つまり、ただ単に作者が観た風景を舞台上に再現しただけ、ともとれる。
始まりも特に暗転等無く始まり、盛り上がりもないまま気づいたら話は終わっている。

作品のテーマ

テーマがあったのかと言うと微妙。
全くないわけでもない。
日常の尊さを感じた人はいるかもしれない。

座席

本講演では整理番号順に10人ずつ中に入った。
たまたま最前列が空いていたので私はそこに座った。
これは間違いだった。
本作品ではイタリア人の役者はイタリア語を話し、日本語訳(と、英語訳)が幕に投影される。
しかし最前列だと字幕を観ようとすると視線を上にあげることになり、役者が見えない。
字幕を見ていると、役者が何を言っているか分からないままストーリーが進んでいく。
役者は袖にハケない。登場しないシーンでは両サイドにある椅子に座る。

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