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web3でアイデアより大切なもの KBW Hacker House記録

導入


こんばんは、Skylandの松本です。今回はSkylandのメンバー、シュウト、ケンと一緒に、KBWの開催に伴う各種イベントへの出席のために韓国に行ってきました。

今回の目的は「現地のVC・起業家のコミュニティにアプローチ出来る土台を整えること」で、そのためにいくつかのハッカソンやサイドイベントに参加し、交流を深めてきました。

また、シュウトが主体となり、ハッカソンに出る人向けにハッカーハウスを開催し、今回のMost Valuableな出会いが沢山産まれたのもとても良いポイントだなと思います。

 MEETUP! 結構カンナムからは遠い場所なのですがたくさん来てくれました

僕らとお話してくださった方はわかると思うのですが、今回の韓国遠征は本祭が始まる4日前に現地入りし、本祭の前日に帰国しました。それによって招待されていた様々なイベント・食事の機会を逃しまくりではあったのですが、逆に早めに行くことで、KBWの中でもかなり熱量のあるチームや人物に会えたかもしれないという感覚もあります。 (あくまで肌感ですが)

特に良い出会いだったなと思ったのが、BuidlersTribeというアクセラレータ的なところでweb3起業家のサポートを行っているAyushでした。MEETUPの画像↑の右から三番目で僕と肩を組んでいるインド人です。

彼は特にプロジェクト同士、またプロジェクトとVCのコネクションを行うのが主な役割で、月に最低でも150以上の起業家とMTG・壁打ちを行っています。web3における150という数字は実は結構なもので、それでいてかなりインフラストラクチャ、またアプリケーションレイヤーでもかなり技術・ユースケースにはっきりと新規性・優位性のあるところがほとんどなので、業界におけるコネクションの広さが伺えました。

今回の出張では、起業家、Ayushのような業界のKOL的な人々、アクセラやVCに多く話を聞き学んだことことから、以下の結論が言えると判断しました。

「イノベーションは既に起きている、後はどう届けるかだ。」

ほぼ全てのアイデアは存在している

これはグローバルで戦う人ほどよく理解している観点かな、と思います。基本的にBlockchain周りのインフラ、アプリケーションの領域で「完全に新しいアイデア」を出すことは非常に難しいです。

ほとんどの魅力的なアイデアは誰かが先にやっているか、後から大型のVCやパートナーシップを引っ提げて他社が参入してくるパターンに苛まれてしまうというのは、特に会っている起業家の数が多いアクセラレーターの間では共通する見解でした。

だからと言ってトレンドから外れてしまうと、相当な大博打をしてしまうことになるリスクを抱えてしまいます。

ディストリビューションの失敗

ただし、このアイデアのほとんどは「一度死んでいる」というのも理解しなければいけません。自分たちがあるべきだ、これが欲しいと思ったアイデアの多くは一度誰かが事業化に失敗しているというのがweb3の特徴でもあります。

というのも、web3の新しいアイデアは市場や投資家に理解されるのに時間がかかりますし、多くの場合 (特にまだブロックチェーンインフラが完成していないが故に) 、今現在直接にユーザーの利益を創出できるものは少ないのが現状です。

だからこそ、より自分たちのプロジェクトをより多くの人に、より魅力的に伝える仕事である、ディストリビューションやマーケティングを行うBD (Business Developer) の重要性が高いのが今のweb3の特徴です。

このExecutionが重要であるというのは、Hashedを含む韓国であったほとんどのVC・エンジェル / アクセラと意見が一致しました。

web3におけるBDの重要性

この業界にいるとよくあるのが、「同じ人に会ったのにいつの間にか別のチームに移っていた」というパターンです。特に優秀なBD、更に女性である場合は特にこれが顕著に見られます。世界ではBDのヘッドハントがそこら中で行われている。これは全web3スタートアップが知るべき概念かなと思います。

web3における、マーケットフィットとインベスターフィットの多くはパートナーシップとインベスター、そしてコミュニティに依存します。有名なチームにサポートされているかどうか、強いVCが入っているかどうかなど。これは表面的なもの、というよりは実はブロックチェーンだからこその一面もあります。

web3ではどのアイデアが実際に未来を作るかということがわからないので、アイデア単体では差別化が難しい傾向にあります。そのため、アイデアよりもそれを広める上記のような要素が重要になり、それは全てCクラス、そしてBDの仕事です。

僕は2月にあったParis Blockchain Week辺りからグローバルなBDと会うようになりましたが、優秀だと思ったBDが実はビッグチームにヘッドハントされていたというのを何度も目にしました。(KBWではどうしても投資したいと思っていたチームのオンリーBDが別のチームにいた友人だったりしました) 

BDのペルソナ

閑話休題。BDの重要性について語ったので、その中でも優秀なBDとはどんな人で何ができるのか、簡単に経験を元に言語化しました。

  • 英語が高いレベルで話せる (ネイティブレベルが望ましい) 

  • 自分たちのプロダクトの強みを正確にプレゼンできる。

    • 技術的なレベルまで開発者とコミュニケーションを取って理解している

  • 自分たちのチーム・プロダクトが好きである。

  • 返信が早い、フットワークがめちゃくちゃ軽く、連絡したらすぐ会う予定を立ててくれる。

  • 一人一人とのコミュニケーションの中に明確な目的意識がある。

    • 例えば投資家とのコミュニケーションの場合 : どれだけのチェックサイズやサポートを相手のVCに求めるかについて正確に言語化できている。

個別の英語力などに関してはわかりませんが、日本ではKEKKAIの戸田くん (@NFTyuta) や、Oasysのやすさん (@yas_crypto) がペルソナとして挙げられると思います。Cレベルだと言うまでもなくたくさんいます。

結論

web3ではエンジニアに焦点が当てられることが多いですが、あまり表舞台に上がりづらいBDについて簡単に書きました。
アイデアだけでは世界と戦えず、圧倒的なBD力によるパートナーシップ連携やコミュニティの形成などに今のweb3のゲームは存在するということを肌で学びました。もっと具体的なレベルでのBDのスキルなども、実際に一線級で活躍している人とのポッドキャストコンテンツを出すなど、皆さんに知ってもらえるよう頑張りたいなと思います。















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