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生きるための忘却本能と人生を良くする記憶の技能

令和3年4月27日晴れ

昨日、同世代の経営者の突然の訃報を耳にしました。建設業界の団体で一緒に活動していたその方は、工務店としては非常に珍しい上場を果たされたスター社長で、上場後、熱心に全国に事業拡大をされていただけにまだやり残したことがあったのではないかとその無念の心中を慮り、私までいたたまれない気分になりました。その社長は一昨日の天気の良かった日曜日に、趣味であるヨットで草レースに出航するとFacebookに満面の笑みをたたえて投稿されており、その数時間後に強風によってヨットが転覆、ご夫婦ともの死亡が確認されたと中日新聞のニュースに掲載されました。その記事にまさか!と目を疑いましたが、本当に人生は一寸先は闇、何が起こるか予測がつかないものです。

喉元過ぎれば熱さを忘れる

日本は今、緊急事態宣言が発出されて当たり前の日常の暮らしがまたもや一変してしまいました。これまでにも地震や台風などの自然災害に見舞われて、一瞬にして当たり前の日常がなくなってしまったことが何度もあり、その度に人の力の無力さ加減と、なんのことない日常が実はとても有難いものだと思い知らされてきましたし、この度の知り合いの経営者の突然の訃報には明日は我が身とつくづく考えさせられるものがありました。
人が絶対に逃れることが出来ない3つの真実として、人は必ず死ぬ、それはいつかはわからない、そして日々死に近づいていくと言うものがあります。当たり前の事なので、理屈ではわかってはおりますが、いざそれを実感として持って毎日その真実に向き合って覚悟を持って日々を暮らしているかというと決してそうではなく、当たり前の日常が明日もやってくると思ってしまっているのが実際です。これまでの人生で何度も日常がひっくり返る経験をしているのにかかわらず、です。喉元過ぎれば熱さ忘れる。と昔の諺にありますが、元来人間は忘れっぽいものだと言う事なのかもしれません。

忘却は生きるための防御本能

記憶は時間の経過とともに薄れていくものです。これは、決して悪いことばかりではなくて耐え難いような深い悲しみの淵に叩き落とされた際に、ずっとそのままの状態が続くと気が狂ってしまいます。忘れると言う事は精神を正常に保つための防御本能でもあると言われています。世の中はすべからず表裏一体で、良いことも悪いこともセットで存在していると言うことですが、私は忘れたほうが良いことと、覚えていたほうが良いことが確実に存在すると思っています。一般的に、心に刻みつけておくべきだと言われるのは、失敗を犯したときの経験で、同じ過ちを二度と繰り返さないように覚えておけと言う風によく言われます。それも確かにその通りではありますが、私はマイナスをゼロに引き戻すことを胸に刻んでおくよりも、常にプラスになること、間違いを起こさない判断基準を脳に焼き付けて動くことの方が実はずっと重要で、マイナスの感情を持ち続けのではなくプラスの感情で機嫌よく過ごすほうが絶対に物事が好転していくと思ってます。

忘れていいことと覚えておくべきこと。

私は50代半ばに差し掛かりましたが、同年代の人に自分の記憶力について自信があるかと尋ねたらほとんど全員の人が自信がないと答えられます。携帯電話が普及して電話番号を覚える必要もなくなり、Google マップを使えるようになって道順さえも覚える必要がなくなった今、ひょっとしたら私たちの世代よりもっと若い人たちも記憶力に対する自信がなくなっているかもしれません。テクノロジーの発達により、覚える必要がなくなったものについてその便利さを放棄すべきだとは思いませんが、心に刻んでおくべき大切なことについては記憶力の良し悪し関係なく忘れてはならないと思うのです。

記憶は技能

私が主催する建築現場実務者向けの研修である職人起業塾では、小田全宏先生が開発された記憶術のアクティブブレインセミナーをカリキュラムの中に組み込んでいます。そこで学ぶのは、覚えておくべきことを長期記憶に植え付けて、いつでも使えるようにする技術です。この研修で正しい記憶の技術を身に付けると、どんなに記憶力が悪いと言われる方でも信じられない位の記憶を実践することができるようになります。その講座の中で記憶するための3つの原則が紹介されており、そこにしっかり向き合えば誰にでも記憶はできるようになるというものです。3つの原則とは、1、深く理解する。2、強くイメージする。3、繰り返し反復する。以上の3点で、どれもそんなに難しいことではありませんがこれを意識すれば覚えたいと思う事柄を確実に覚えられるようになります。

人生を成功に導く20の法則

職人起業塾の卒塾生全員にこの記憶術を使って脳裏に刻み込んでもらっているのは、「人生を成功に導く20の法則」です。これまでの歴史の中で成功したと言われる人たちが大事にしてきた考え方や概念を20個集め、それを判断基準にすれば人生は良き方向に進んでいくと言うものです。常に胸に刻んでおくべき20の法則は以下の通り、


1、陽転思考で物事を考える
2、倫理観を大切に生きる
3、自分の雲を信じきる
4、マイナスの言葉を使わない
5、整理整頓清掃清潔を大切にする
6、学び続ける人生を送る
7、人を喜ばせるように心がける
8、今を一生懸命に生きる
9、笑顔を常に忘れない
10、人の話に耳を傾ける
11、成功イメージを明確に持つ
12、想いを口に出してみる
13、即行動
14、先人の知恵に学ぶ
15、感謝の気持ちを忘れない
16、最後までやり通す強い意志を持つ
17、人の責任にしない
18、素直な気持ちを持ち続ける
19、ご縁を大切にする
20、目標には必ず期限を設ける

人生の選択に正しい基準を持ち続ける

忘却は人が生きていくための防御本能であり、喉元過ぎれば熱さ忘れるもの。しかし、人生は選択でできており、正しい選択をできる基準は常に胸に刻みつけておきたいものです。それができれば、きっと同じ過ちを繰り返すこともなくなると思いますし、人生は良き方向に流れ始めると思います。実際に、私自身もこの法則を長期記憶の中に刻み込んでから、大きな過ちを犯すことが少なくなったし、少しずつではありますが良い人生になってきたと思っています。考えてみれば、人生とは過去の記憶であり、未来は頭の中のイメージが具現化するものです。アクティブブレインセミナーで学ぶ3原則は未来の人生を変える力があると思うのです。ちなみに、そのセミナーは全国で一般の方の受付も行っています。まだ受講されていない方は一度受けられてみてはいかがでしょうか。強くお勧めします。

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