マーケティングと現場人材育成一体論@中国生LIVE配信
令和3年2月28日 晴れ
中国むけのLIVE配信リハーサル
令和3年の2月も逃げる様に去って行き、明日から3月。お隣の中国では春節祭も終わり、3月はお祭り気分も抜けていつもの日常が戻るとの事で、そのタイミングに合わせて以前から構想を練ってきた中国の建設業界向けに職人の意識改革と育成にフォーカスした生ライブ配信を予定しています。今日はそのリハーサルと言う事で、実際に株式会社四方継本社3階のTUGIスタジオに機材を持ち込んでWe chatで「マーケティングと現場人材育成一体論」と言うテーマで、私が一般社団法人職人起業塾で行なっている活動と基本的な理論構築をカメラに向かって熱く語ってみました。
私にとっても、中国人で建設港と言う1000万人の職人が登録している建設職人のプラットフォームのアドバイザーで、今回の取り組みのプロデュースをされている佐藤さんにとっても初めての経験で、やっぱりいくつかのトラブルに見舞われましたが、なんとか今回は(50人程度ですが)中国の人に視聴頂けた様で、ほっと胸を撫でおろしました。配信中はWe chatの画面に絶え間なくコメントが流れていて、やって見るとなかなか面白く、国内向けにもやってみようかしら?と俄然やる気になってきました。(笑)
ちなみに、本番は3月28日(日)PM2時30分〜の予定です。あくまでも中国向けで同時通訳が入りますが、we chatのアプリからなら国内でも見れる様です。
職人育成は日本と中国の共通の課題
私は台湾にも事業所を構えておりますが、中国語を話せる訳ではなく、常に使う単語は5つ程度です(笑)。全く言葉も喋れないのに中国の建設会社、職人向けに今回、ライブ配信を行う事になったのはプロデューサーの佐藤さんから熱烈なオファーを頂いたからでして、その理由は私が一般社団法人職人起業塾で行なっている、建築技術だけではない、人間力を鍛え、コミュニケーションスキルを高め、マーケティングの知識をレクチャーして現場で実践させている実践型の研修の内容が、今こそ中国の建設業界、職人育成に必要だと強く求められたからです。
これから本格化する圧倒的な職人不足に陥る日本と、いまだに経済成長を続けている中国とは随分と環境は違うと思いますが、それでも中国も一人っ子政策の余波で高齢化の波が押し寄せてきており、また、情報革命、テクノロジーの進化、DXが進んだ事で産業構造自体も大きく変化し、若者の働き方も以前とは大きな変化があるでしょうし、需要に対して職人の数が足らなくなるのは時間の問題だと思います。また、中国の近代化と職人の昔ながらの働き方(現場があるごとに労務会社(人材派遣会社)が職人グループを集めて工事を行う)が整合しておらず、職人の技術と人間性の両面の質の向上が叫ばれてきましたが、フリーランスの様な職人集団向けの教育は一筋縄では行かずに今も大きな課題として残ったままとなっている様です。この部分に関しては、日本の職人事情も程度の差はあるかも知れませんが基本は同じで、私たちは職人を正規雇用する事業所を増やすところから、そこを改善する取り組みを続けてきました。
マーケティングと現場人材育成一体論
今日のLIVE配信でのセミナーで私が話した内容は、経営資源と言われる「ひと」「もの」「カネ」「情報」のそれぞれの切り口で、建設業界が抱える問題の根本的な解決方法をお伝えしました。モノづくり事業である建設業は現場での成果物とそのプロセスが評価の全てです。当然、それを担う人材を教育、育成しなければならないのですが、職人等の現場人材を正規雇用して教育するには多額のコストがかかります。建設業界には通り値といったものがあり、そこから大きく外れた単価は競争力を失います。正規雇用がスタンダードでない業界では福利厚生費のコストが捻出しにくくなっており、それが職人への教育が進まない事の最も大きな理由です。なので、そのコストを賄う、利益をあげるマーケティングがセットであらねばなりません。
私は、顧客接点である職人に対してマーケティング理論とコミュニケーションスキルを高める教育を長年行い続け、社員の職人たちに大きな裁量を委譲して直接、顧客とのやり取りを現場に任せてきました。その結果、LTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)と呼ばれるリピート受注と紹介受注で売り上げを作れる様になり、一切の宣伝広告を打ち切りました。結果、多額の販促費がなくなった事で職人に対する福利厚生費を賄える様になりましたし、顧客満足が高まったおかげで集客に困らなくなり、厳しい業界環境でしたが20年間事業を続けて来れました。この要諦は職人に対して教育と言う名の情報をふんだんに渡してきた事であり、クラウドやアプリなどの最先端のモノを駆使して、職人達と情報の共有を行ってきた事です。
missionは職人の社会的地位の向上
8年前にスタートを切り、4年前に法人化を果たした一般社団法人職人起業塾で全国で行っている研修事業でも、職人教育を起点にヒトモノカネ情報と言う経営資源をブラッシュアップすることを提唱し続けてきました。日本で実際に私たちが実証してきたこの様な理論がそのまま中国で通用するか、当てはまるかは分かりませんが、問題の根本は同じだと思いますし、これを機会に中国でも職人が技術以外の知識やスキルを習得する場が出来て、彼らの社会的地位の向上に寄与できればこれ以上嬉しいことはありません。来月のLIVE配信、熱を込めて精一杯のパフォーマンスで頑張ってみることにします。またここの場でも配信のURLを公開する様にしますので、ご興味がある方はぜひ視聴してみて下さい。
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