奇跡は起こらない、奇跡は起こすものだ。ナショナルフォーラム2023
私が世話人として参画している、本業で社会課題を解決する経営者のコミュニティーである一般社団法人経営実践研究会では、毎年6月に1年の総決算との位置づけのイベントを開催しています。先週末、今年も大阪の中之島公会堂にて、そのナショナルフォーラム2023を中之島公会堂で開催しました。これまでで最大規模の1100人のオーディエンスを集め、熱気と感動に包まれたそのイベントの大会実行委員長を今回、私が拝命しており、何とか無事に終えることができてほっと胸を撫で下ろしています。それはひとえに、主体的に運営に関わってくれた多くの人々のおかげであり、感謝を込めて備忘録がてら振り返っておきたいと思います。
ナショナルフォーラム2023
フォーラムの内容に関しては、茨城のメンバーである中井川さんのFacebookの投稿に詳しいので、以下に引用させていただきます。非常に詳しく内容を書き残されており、フォーラムで提供したコンテンツが全て網羅されています。このような情報発信をしていただけるのは主催者としてありがたく、頭が下がる思いです。中井川さん本当にありがとうございました。
圧倒的なエネルギーの昇華
今回のイベントの企画運営を進めていくにあたって、私が1番力を注いだのは、今回初めての新企画である会員によるプレゼンテーションを全会員から自薦、他薦の両方で募り、二次予選、決勝大会、本番のスリーステップを設けて選ばれし5人に会員の代表として中之島公会堂の舞台に登壇いただいたことです。
60人もの候補者が手を挙げ、もしくは推薦されて、予選会で自らの志と、実現したい社会、そのための具体的なプランを熱く語られました。
私はすべての候補者の熱い思いを聞かせてもらい、世界を良くしたいと高い志を持つ人が、こんなにも多く集まっているのだと、大いに感動し、経営実践研究会の持つ圧倒的なエネルギーを感じさせてもらいました。上述の中井川さんのメモにあるように、アドバイザーからも熱いエールが送られていましたし、このメンバーから近い将来、数多くのゲームチェンジャーが世に出ることになると確信を強めました。
副産物的に生まれた価値
会員による会員のための会員が決めるプレゼンテーションの予備選は、私が予想していたのと少し違う副産物を生み出しました。それは、予選会に向けて、毎日のようにメンバー同士が集まり練習会を行い、フィードバックを投げ合ってブラッシュアップを積み重ねたことです。そこには、人を出し抜いて、勝ち抜くといった品のない競争原理とは全く逆の、お互いの成長のために貢献し合う美しい姿がありました。それは、この世界を生きるに値する、良きものに変革して、次の世代に繋たいとの明確な目的が共有されており、その実現のためにそれぞれが事業を通した社会課題解決、共有価値の創造を行うとの目標が設定されていました。大きな目的に向かって、助け合い、称え合い、ときには、厳しいことを言い合う切磋琢磨する文化が醸成されていました。今後の会の発展のために大きな財産になったと感じましたし、新たなチャレンジをした甲斐があったと思いました。
誰にでも分け隔てなくチャンスがある
実は、私自身が、昨年のナショナルフォーラムで会員プレゼンテーションに登壇させてもらい、建設業界の職人不足と教育業界で大きな問題となっている学歴マイノリティーの圧倒的な増加の2つの社会課題を解決すべく、キャリア教育を行う高校を設立したいとの事業構想を発表させて貰いました。その登壇をきっかけに多くの志を共にする仲間が集まり、アドバイザーからの多くの支援をいただくことになり、1年経たずして職人、育成の高校、マイスター高等学院の設立を実現することができました。長年、職人の社会的地位向上を志掲げ、活動するも大した成果を出せていなかった。私にとっては奇跡が起こった瞬間でした。そんな奇跡を起こすチャンスを多くのメンバーに分け隔てすることなくしやできたのは、私にとっては非常に嬉しく、大きな意味のある企画でした。そんな私の想いを汲み取ってくれたかのように、多くの方が時間を割いて想いの丈を語ってくれたのには本当に感謝しかありません。そして、本当に多くの奇跡が起こりそうな会員による本番でのプレゼンテーションでした。
真の民主化へのマイルストン
私が今年から掲げているテーマは「令和デモクラシー」です。自由民主主義の経済圏だと思われていた欧米型資本主義は、実質の経済成長よりも、金融資本の成長の方が速度が速いことがトマ・ピケティにより証明され、ごく1部の支配層に富が集まり、格差と分断が極まっていくのが明らかになりました。その結果、世界中で戦争や紛争が巻き起こっています。民が主体だったはずの共産、社会主義国家も1部の支配層が強権的な政治を行っており、結局、世界中で民主的なシステムは、全くと言っても過言でないほど機能していないのが現実です。その事実に向き合い、次世代に人が幸せに暮らせる社会を残すには、小さな組織やコミュニティーから民主的な運営を行っていくことが必要で、それが経済性を兼ね備えるようになれば、市場を席巻し、行き詰まりを見せた世界に希望を見出せるようになるのではないかと考えています。そして、それができるのは、三方よしや論語と算盤などといった高い精神性と共生の価値観を持った日本しかないと思っています。
結果的に、入会間もないメンバーが晴れの舞台で登壇した今回のフォーラムは、そんな私のテーマにしっくりと当てはまる素晴らしいイベントとなりました。関係者の皆様には、本当に心から御礼申し上げます。皆様、ありがとうございました。真の民主主義の実現に向けて歩みを進めて参ります。
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建設業界の民主化を担う人材育成を行っています。