人生は闘争。じゃないよね。
コロナもようやく一旦収束の兆しが見え始め、来週には飲食店も平常営業に戻るとの噂もちらほら、そんな中、昨日、久しぶりに東京に行ってきました。一般社団法人職人起業塾のカリキュラムに導入しているアクティブ・ブレイン・セミナーの創始者であり、問題解決とリーダシップ論の研修講師をお願いしている小田全宏先生が「ジャパンスピリッツ」のテーマでご自身が理事長を務められているいるオーケストラを率いてコンサートを開かれて、(普段全く音楽に親しんでいない私ですが、)今回も参加させてもらいました。今回は、たまたまのタイミングで東京に住む親父と弟もコンサートに誘い、10年前に(当時彼らが住んでいた)沖縄の首里で泡盛を酌み交わした以来の再会を喜びました。
丸くなった。
10年の歳月はよくも悪くも人を変えます。久しぶりに会った親父は随分と小さくなったように感じましたし(実際小さくなってるか、)、弟は物の分別がつく大人に成長したように見えました。互いに近況の報告や曖昧ながらも今後の計画について話したりする中で、弟が私のことを随分と丸くなったー、と表現していました。はじめは年齢を重ねて筋肉がたるんできて物理的に顔が丸くなったと見た目のことを言っているのかと思っていましたが、話している中で気づいたのは、どうやらそうではなく、物腰や話し方、雰囲気、もしくはオーラが丸くなったと評価をしてくれていたみたいです。「50も半ばになったらそんなん当たり前やん」と返しておきましたが、喜ぶべきことなのかなと感じました。
ナイフのように尖っていた
コンサートを終えて別れた後、ぼんやりと親父と弟との10年ぶりの再会のことを思い返していた時にふと思い出したのは、その昔、弟にとって私は恐怖の存在以外、何者でもなかったと言うことです。よく、いじめっ子はいじめたことを覚えていないが、いじめられた方は一生忘れないと言われますが、彼の中ではその昔、私がイケイケの職人で、ナイフのように尖っていた頃の印象を今も持ち続けていたようです。私にしてみると、決して弟をいじめたつもりはありませんが、不登校になった彼に働けと強く迫ったことがあり、結局は神戸から遠く離れた島のフリースクールに転入することになりましたが、力で押さえつけられ、恫喝された想い出は彼にとってちょっとしたトラウマになってるのかもしれません。そういえば、いつも再会を果たす度に打ち解けるまで少しタイムラグがあり、はじめのうちは若干萎縮した雰囲気をかもしているような気もします。
この世は食うか食われるか
今になって自分自身を振り返ってみると、(弟曰く)私がナイフのように尖っていた頃、私は人生を戦いだと思っていました。実際、これまで(いい奴やったのに、)商売に失敗して消えた人をたくさん見てきましたし、事業に行き詰まってマンションから飛び降りた大工の親方の葬式に参列した時は世の中はほんとに弱肉強食で気を緩めるとすぐに食われてしまうものだとリアルに感じていました。とにかくその当時の私は、何につけても曖昧でぼんやりしたことを許さず、瞬間に決断し、行動すること、その行動の結果、手のひらの上に乗るものだけが信じられるものであり、逆に手の中に入るまでは何も信じない。といった調子でした。今考えるとそんなパラダイムで生きていたことに対してぞっとします。とにかく、生きて行くのは戦いだと思って誰に対しても警戒し、威嚇し、猜疑の目で見るような了見の狭いサイテーな奴でした。
素晴らしき世界
そんな人のことを信じない、人生は闘争だとファイティングポーズをとって生きてきた私も年齢とともに様々な経験を重ねて、目の前が真っ暗になる様な悪い出来事もたくさんありましたが、良い方々とのご縁に恵まれ、助けられ、良い結果を手にすることも数多くあり、世の中も人も捨てたもんじゃないとだんだんと思えるようになりました。そんな良い人との関わり合い、良い経験に引っ張られる様になって、自分ではあまり意識しないままいつしかパラダイムが変わって(弟曰く)ナイフの刃を研ぐこともなくなり、性格も印象、表情さえも丸くなったのだと思います。そして、人を信じるもの、世の中はもっと良くなっていくと前向きなパラダイムで世界に向き合ったとき、同じ価値観や思考の人との出会いが加速度的に増えて、この世は決してろくでもない世界ではなく、素晴らしいものだと思うことが本当に増えました。人間は環境の生き物だと言われますが、思考が環境を作り、環境が人格を作る。鶏が先か卵が先かはさておき、まさに自分自身の解釈によって世界は変わるんだと今になって強く実感している次第です。このスバラシキセカイ、もう少し良くして次の世代に引き継ぎたいものです。
___________________
素晴らしい世界を継ぐ人材育成の研修事業を行っています。
____________________
毎年恒例!職人起業塾フォローアップ研修in生田神社会館
一般の方のご参加も絶賛受け付けています!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?