1人の志で世界は変わるのか? 〜Source Principle(ソース原理)とコミュニティーの創成〜
1人の想いから全ては始まる。世界を変えるのはたった1人が強く願い行動することから。とのソース理論が最近何かと話題を呼んでいます。なるほど確かにそうかもなぁと思う反面、長年生きていた経験則で人間1人の力の脆弱さを繰り返し体感してきただけにそれは果たして本当か?との疑問も拭えないのが正直なところ。先週、そんなモヤモヤした気持ちを抱えながら東京で行われたソーシャルカンパニーフォーラムに足を運びました。最近、話題騒然のソース理論の概要についてはこちら、
胸を熱くさせるのは実践
7月の山梨での開催から始まって仙台、名古屋、大阪と続いてきたソーシャルカンパニーフォーラムは卓越した実績を叩き出されている高名な経営者による基調講演やパネルディスカッションがメインコンテンツとしてシェアされていますが、各地でCSV(共通価値の創造=事業での社会課題解決)経営に取り組まれている会員の企業経営者がプレゼンテーションで壇上に上られて、それぞれ熱い志を燃やして事業に取り組んでおられる姿を見せてくれました。事業規模や業種業態は様々ですが、地域から世の中を良くしたいと真剣に、命懸けで取り組まれているのが伝わって聴いていて胸や目頭が熱くなる事もしばしば、多くの気付きや学びを受け取っています。SCF東京の記事はこちら、
課題を成長のエンジンに転化させる
今回の東京もこれまでの開催地と比して遜色ない、いやこれまで以上の素晴らしい会員プレゼンテーションで本業を通じて社会課題解決に挑戦される事例について共有頂きました。株式会社冒険の旅 代表取締役 窪田篤氏からは働き方の多様性実現の取り組みで性別や年齢、スキルやリテラシー、そして障害の有無や住んでいる場所にさえ関係なく雇用を生み出す組織形態の生成を、株式会社アスモ 代表取締役花堂浩一氏からは介護事業を3K(キツイ、汚い、稼げない)職種から脱却させてカッコよく、稼げてしかも課題先進国として世界に先んじて取り組んでいるのを強みに世界展開までも視野に入れた事業構想を聴かせて頂きました。まさに課題をエンジンに変える新しいフラット世界に適応したビジネスモデルにワクワクさせられました。
課題解決協働への提言
オーダーメードスーツをメイン事業にされている株式会社まるさんかくしかく代表取締役福井彩恵氏はアパレル業界が生んでいる環境負荷を軽減させるサーキュラーエコノミーの概念を同じ業界の仲間を募り事業化される構想を発表、青森で無農薬無肥料のりんごを栽培されている株式会社みかみファーム 代表取締役 三上優作氏からは人の身体は食べ物で出来ている原則をリアルな視点で改めて提示され日本人の価値観を見直す提言がなされました。自然農法は究極の原理原則に則った哲学だと言われますが、三上社長の哲学に触れて完全な共感、神戸でもじっくりと話を聴かせてもらいたいと早速オファーをかけました。合同会社Global Proud 代表社員 三浦陽介氏はアフリカへの事業展開で広い視野を持った社会課題の認知を呼びかけられ、経営実践研究会のプロジェクトが立ち上がることになるなど、単なるプレゼンテーションではなく、全国から集まったメンバーへの協働の提言となっておりました。
志の実現を加速させるのはコミュニティーの力
以上のような志の高い、熱い情熱をたぎらせてより良い世界の実現のために熱心な活動をされている方々のプレゼンテーションを聴いて感じたのは、冒頭のソース理論の信憑性です。やっぱり、一人が熱い想いで一歩を踏み出すことが世界を変えるきっかけになると思いました。また、それと同時に感じたのはその一人が踏み出す一歩に対してフォローする人がスケールには必ず必要であり、そこには同じ価値観、世界観を持ったコミュニティーが非常に効果的で、ムーブメントを起こすには不可欠な要素ではないか?ということです。卓越した知見や実践に裏付けられた社会課題解決型のビジネスモデル提案は広くマーケットに受け入れられ、スケールする可能性があるのは自明ですが、情報リテラシーや思想、理念がある程度共有されている「場」が必要ではないかと思うのです。一人の志から世界は変わる、しかし世界を変えるには一人では時間がかかり過ぎるのも事実。同じ価値観を持ったコミュニティーの創成がやっぱり重要だと感じたソーシャルカンパニーフォーラムin東京でした。
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