DMM×社会貢献で感じたこと。〜教育をテーマに掲げた課題解決チームの創生〜
正直言って、私はDMM.comに対してあまり良い印象を持っていません。ITベンチャーからスタートして様々な業種業態に事業を展開されていること自体は悪いとは思いませんが、エロが儲かるからそれも躊躇なくやるよ。みたいな姿勢はさすがにどうかと思っていました。それが、「DMM×社会貢献」と大々的なTVコマーシャルを流してるのを見て、あれっ何か変わったのかな?と思ったのです。ネットを覗いてみるとニュースでこんな記事が。
DMMの教育への投資
この記事によると、DMM社が50億円もの巨額の資金を提供してフランスにある世界屈指のプログラミングスクール「42」のカリキュラムを日本に持ち込んで実践し、「稼げるプログラマー人材」を育てていくというもので、この学校を卒業すればシリコンバレーの先進のIT事業に就職しても通用する位のスキルを身に付けられるとのこと。亀山会長によると、社会貢献と言う名の教育への投資は回り回って自社の人材確保につながったり、直接採用に効果を発揮しなくても企業イメージの向上につながったりのRETURNをイメージされているようで、純粋な社会貢献と言うよりは投資の側面の方が強いように感じました。しかし、事業とは持続可能性を高めるための収益性を担保する事は不可欠であることを考えれば、むしろ健全なように感じます。とにかく、収支計算だけで無料の教育施設に50億円の投資を行う訳ではないのは明らかですし、世のために良い事をしようとの志はご立派です。
社会貢献事業がスタンダードに
この記事を読んで私が感じたのは、教育事業への投資をあえて社会貢献と言うピカピカの看板に掲げなおしてテレビコマーシャルまで流していることが時代の潮流を敏感に感じとられているのではないかと言うことです。この数年、行き過ぎた資本主義が内包する数多くの解決できない社会課題が問題視されるようになり、株主中心の事業運営からステークホルダーとの共生、共感を重要視した事業へと舵を切るべきだとの論調が世界的にも高まっています。そして、資本主義の在り方を見直す風潮の中、今後、スケールするビジネスとは社会課題解決型モデルだと言われますし、実際、株主配当を求めない共感した投資家から資金を集めて上場した企業も現れ始めています。金儲けのためなら何でもやるよ、と言ってきた企業でさえなんの衒いもなく、単なるコンセプト的なイメージで社会貢献の看板を掲げるようになったのは大きな変化だと思うのです。
未来を作るのは教育との原則
もう一つ強く感じたのは、社会を、世の中を良くしたいと思うなら教育に力を注ぐべきだと言う原理原則です。情報革命とテクノロジーの進化で世の中はこんなに大きな変化を遂げたのに、日本の学校教育は旧態依然のままです。そのギャップの中で教育現場は疲弊を深めており、最近のニュースでも教員不足が大きな問題になっています。貧富の格差はそのまま学歴の格差に反映される状況が加速度的に進み、一度学歴社会からドロップアウトすると2度と若者にチャンスは回ってこない、そんな国にイノベーションが起こるはずもありません。文部科学省や教育委員会に任せていてはこの国はダメになるとの危機感を多くの大人が持っており、それを行動に移さなければならない時期になったのだと思うのです。その意味ではDMM社のように民間企業が大きな投資を行って能力の高い人材を育成する事業は一定の効果と意義があると思います。
教えるべきは、自律、目的、志
ただ、私としては能力、スキルアップのみに特化した学校の運営には少し疑問を持っています。ICTの技術革新と普及、一般化は情報の透明性と同時に、フェイクニュースにまみれて何が本当かわからない複雑な世界を作り出しました。ビジネスの世界において企業が探求し続けた顧客ニーズは多様化を極め、たった1人のトップの判断で事業を進めるのは大きなリスクを抱えることになりました。これからは、トップダウン型のヒエラルキー組織ではなく、各現場、顧客接点で末端の実務者が正しい選択ができるボトムアップ型でフラットな自律分散型の組織形態移行しなければ複雑怪奇がこの世の中で事業を持続するのは難しいと言われます。こんな世の中で教育事業を行うのにまず重要視するのは人間としての自律性であり、何のために仕事をするのかその目的意識、志を明確に掲げることだと思うのです。世界トップクラスのスキルを身に付けることも大事ですが、今だけ、金だけ、自分だけ良ければ良いと考えるような大人を大量に輩出したところで世の中は一向に良くならないと思うのです。
教育をテーマに研究と実践を進めるグループを立ち上げます。
1年近く前から私が所属して、現在熱心に活動を行っている経営実践研究会で私がリーダーを拝命しているグループがあります。この団体は本業で社会課題を解決する志で繋がった経営者が集まっており、私のチームは現在、30名近くのメンバーと様々な学びと実践に取り組んでいます。一つは5月19日から協業、協賛メンバーの募集を始める新しいキャリア高等学校プロジェクトであり、もう一つはリーダーの野中さんが推し進めている学校改革の一環での教員と経営者が交流し、これからの教育について語り合う場づくりで、こちらは5月22日に第五弾が開催されます。また、その両方に深い関わりがあるのが、高校でも社会人講師として教鞭を取っておられる内藤リーダーが普及活動を行っておられる個性診断で、自己認識を行うことで誰もが持つ可能性を開花させるタレンティズムの実現には欠かせない取り組みです。
そんなメンバーが集まっての活動ということもあり、6月から改めてキックオフを行い、「教育」をメインテーマに掲げた課題解決型ビジネスモデルの研究と実践に踏み込むことになりました。この国の未来を憂いている方は是非とも一度、私たちの事業説明会にご参加ください。以下参照。
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5.19 18:00〜 志×技能×未来 新しいキャリア高等教育学校プロジェクト事業構想プレゼン@経営実践研究会 兵庫定例会
5.18 19:00〜 第105回継塾 〜ホットシート&テラスBBQ懇親会!〜
新しい学校のビジネスモデルを検討、再考する機会を作りました。
5.22 14:00〜 \開催決定!「経営者と語る未来の学び5」/
毎度、定員がすぐに埋まってしまう特別なイベント「経営者と語る未来の学び 」の開催が決定しました!
ーーー概要ーーー
日程:5/22(日) 14:00〜17:00
場所:先生シェアハウス「わいが舎」
人数:上限20名程度
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【申し込み】
https://www.kokuchpro.com/event/fc8d721d84fed253e093f60430849560/
今回はゲストスピーカーに「世界中の学校で先生になる旅」をテーマに1年間かけて世界を一周し、世界20ヶ国40の学校を訪れ、計6ヶ月の教育実習を実施した過去を持つ 平岡 慎也さん(株式会社Stapia代表)をお招きします。
また、もう1人のゲストスピーカーとして、専門教科は国語であり、積極的に外で学び、理論と実践の往還を続けておられる山野洋平先生(交野市立交野みらい小学校教諭)からもお話しいただきます。
未来を生きる子ども達に必要な教育とは何か?経営者の方々と学び合える時間に出来ればと思っています。どうぞご参加ください🤲
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