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職人のミライ @第5回建設職人甲子園全国決勝大会

昨年はコロナの影響で開催中止どころか活動自体も止まってしまっていた建設職人甲子園ですが、今年はコロナ禍を乗り越えて見事復活を遂げました。エントリーした事業所に対して長時間に渡る支援会での取材と撮影を行なった画像を編集し、会社の紹介、各社の特徴ある取り組みや職人達の仕事と仲間に対する熱い想いが詰まった動画を作り込んで予選での選考を行い、さらにブラッシュアップした動画を決勝大会で披露した上でメンバーによるショートプレゼンを行って最優秀の会社を選ぶ新しいスタイルでの開催は運営メンバーの苦悩と工夫が滲み出ており、その分、素晴らしいものになったと感じました。最後の挨拶で石井理事長が、「これからどんな事があっても建設職人甲子園も大会や活動を継続できる形を整えた」という旨のお話をされていましたが、対面、集合が忌み嫌われる世の中にあって大きな会場を手配して熱狂するプレゼンテーションイベントという全く逆の価値観の取り組みのミライを見せて貰いました。本当に大変だったと思いますし、混迷を深める世の中に一条の光を見せてもらえた気がします。石井理事長と動画編集を担当されたYOSHIKIくんをはじめとする運営メンバーの皆様には心からねぎらいと感謝の言葉を送ります。本当にお疲れ様でした&ありがとうございました。

第5回建設職人甲子園決勝大会

昨日、埼玉県志木市で開催された第5回建設職人甲子園決勝大会に駒を勧められた登壇企業は3社でした。職人の地位向上を目指して職人育成のサポートを行われている「職人道場」、受刑者の雇用にも取り組まれ、足場鳶を社会貢献の事業として新たな価値観を付加する取り組みをされている「株式会社Saaave」、そしてロープアクセスというこれまで不可能だと思われてきた難易度の高い高所での作業を岩壁を登るクライマーのようなカッコ良さで可能にする、職人の新たなジャンルを切り開く「株式会社4U」で、審査員として参加した私としては、評価が順位に反映されるだけに、非常に悩ましく、今回の決勝大会は本当に甲乙付け難い素晴らしい事業所ばかりでした。以下に簡単ではありますが、決勝大会に進まれた3社の紹介文を列記しておきます。決勝戦で映し出された動画も程なくYoutubeで公開されるはずです。全て見れば1時間くらい時間がかかりますが、是非とも視聴の上、チャンネル登録をお願いします。きっと職人の未来が見えて来ると思います。詳しくは建設職人甲子園の大会レポートをご覧頂ければと思います。

職人道場

職人道場は創設当初から非常に懇意にしており、私自身も同じ職人育成の事業に取り組んでいることもあり、応援してきました。コロナ禍で集合研修が難しくなり、この2年間、大変だったのも良く分かっているだけに、新たな収益の柱を作るべく奮闘されてきたのには本当に心を動かされました。

株式会社Saaave

株式会社Saaaveの取り組みも、私自身が長年に渡って何度も少年院や鑑別所に入っていた若者を受け入れては去られてきた経験を思い出して、本当に心を打たれました。元受刑者の若者が、未来を見据え、夢と希望を持って働いている姿は胸の奥の方から何か熱いものが込み上げてきました。これこそ、建設業界のあるべき姿だと心底共感しました。

株式会社4U

高所特殊技術であるロープアクセスの株式会社4Uは職人たちが本当に誇りを持って楽しそうに働いている雰囲気と、これから自分たちが新しいジャンル、カテゴリーを建設業界に創り出すのだとの意気込みが伝わってきて、本当に嬉しい気持ちになりました。これまでになかった新しいスタイルのカッコよくて憧れられる職人の可能性を見せてもらいました。

全員勝者

決勝大会はオーディエンスと私達審査員の投票によって優勝企業が決定しました。結果は株式会社4Uが優勝となり、新しいジャンルの職人のカタチを切り開く事業所に軍配が上がりました。ただ、私としては決勝大会に出場された3社それぞれに違う価値を生み出しており、同じ基準で評価すること自体がとても難しいと感じました。確かに優勝した株式会社4Uはこれまでの職人に対するイメージを変える、新しい職人のミライを見せてくれましたし、誇りを持って仕事に向き合う職人が集まったチームの強さを見せつけてくれました。本当に素晴らしい会社です。しかし、今回、優勝の選に漏れた2社は優勝企業には無い価値や存在意義を持っていました。審査基準が違えば、どちらが優勝していてもおかしくはないと感じました。きっとそんな風に私が感じたことは、会場に集まった他の審査委員やオーディエンスの人達も感じていたのでは無いかと思います。そんな側面から、決勝大会に出場された全員には全員勝者の意気込みで、優勝者と同じ誇りを持って今後の業務に励んでもらいたいと心から思った次第です。

職人のミライ

私は第一回目の前の神戸で行われたプレ大会からずっと建設職人甲子園に関わって来ています。そんな私が今回の第5回全国大会に参加した感想は、建設業、職人の世界も大きく変わってきたということです。社長が先頭に立って行なっていた発表は社員さん主体になり、会場で唾を飛ばして叫んでいたプレゼンテーションは淡々とした語り口の動画に変わり、何より今回強く感じたのは、各社が自社の利益、社員の幸せだけでなく、もう少し広い視線、高い視座で事業に取り組まれ、業界の課題や社会課題に向き合うようになっているということです。そんな高い志を持った職人が全国各地に広がるようになれば、必ず事業所は活性化するし、業界も良くなる。国の基幹産業である建設業界が元気になれば、日本全体も元気になる。「建設業から日本を元気に!」とスローガンを掲げた建設職人甲子園の活動が花を咲かせ、実を結ぶ日もそんなに遠くないと感じることができました。共に学び、共に実践、共に輝く、を理念に掲げた建設職人職人甲子園の今後が本当に楽しみでなりません。登壇企業の皆様、運営に携わった皆様、審査員やオーディエンスとして会場、もしくはオンラインで参加された方々、今回の新しい大会を起点に皆さんと一緒に職人のミライを共に作って行ければと思います。

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職人のミライを作るサポートをしています。

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