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2030年問題に立ち向かう!ホットシートとノーマーケティング #第90回継塾

第90回継塾

昨日は毎月、株式会社四方継の本社で開催している月に1度の無料勉強会、継塾の開催日でした。今回は毎月参加されているメンバーの中からピックアップした事業者にホットシートと言う特別熱い席に座ってもらい、その人の現在のビジネスモデルのプレゼンテーションを聞かせてもらった上で、事業再構築のためのプランを全員で考えて提案するワークショップで、これは20年ほど前、世界ナンバーワンマーケターと言われていたジェイ・エイブラハム氏のセミナーで、高額チケットを購入した人が壇上の椅子に座りジェイ・エイブラハム氏から直接コンサルティングとアドバイスを受けることができた特別なサービスに由来しています。ジェイのアドバイスとまではいきませんが、原理原則系マーケティングを学び続けているメンバーが寄ってたかって知恵を絞るワークショップはそれなりにいい気づきや発見を与えてくれます。 

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ホットシート

今回、その熱い席に座ったのは、2030年に世界中でガソリン車の製造が中止されると言う衝撃の報道に恐怖したガソリンスタンドを2店舗経営している藤岡社長で、これまでもハイブリットが車が増えたり、若者の車離れが話題になったり、また神戸の北西の端の押部谷という高齢化が進み免許証の返納が相次ぐ村で逆風の中戦ってこられましたが、これまでとは明らかにレベルが違う大きな時代の荒波に翻弄されないようにと、10年後のビジネスモデルをスタッフと一緒に考えるべく総勢6名のスタッフを連れて強い意気込みで参加されました。 

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business model canvas

継塾で行っているホットシートは短時間でビジネスモデルを考え、まとめて発表してもらうのにビジネスモデルキャンバスと言うフレームワークを使っています。まず初めにホットシートに座っている人のプレゼンテーションを聞いた後、私が事前にアンケートを行った「50の質問」の内容を披露してその事業所が持つ強みやリソース、どのような思いでビジネスに向き合っているかなどを共有します。最後に参加者全員からの質疑応答を行い、6名〜8名くらいのグループに分かれてグループワークに取り組んでもらいます。それからおよそ1時間の間に新しくチャレンジするビジネスモデルを発表してもらうのですから、随分とハードルが高そうですが、フレームワークを使うことで(プランの精度は別として)それが可能になっています。(笑)

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顧客の体験(UX)に焦点を置く。

このフレームワークでは、「顧客は誰か?」との質問からスタートして「その顧客に提供する価値」「チャネル(どのようにして伝えるか)」「顧客とはどのような関係になるか」「新たなビジネスで得られる収益はどのようなものか」と言う順番で思考とディスカッションを進めていきます。この後に「自社が持つリソース」「コラボできるパートナー」最後に「新規事業にかかるコスト」と進むのですがこの順番が非常に重要で、一昔前のマーケティング理論では現在持っている強みやリソースの中で活用できていないものを取り上げて、それをどのように使うかを考えることが主流だったのですが、最近は顧客の体験に重点を置いて、UXとUIから新たなビジネスモデルを探るように変化しており、一応、UXデザインの思考を取り入れて皆さんに考えてもらっています。 

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ノーマーケティング

そもそも長年にわたり継塾で参加者の皆さんと共に学び続けているマーケティング理論とは一般的なそれとは少し毛色が違います。私達はマーケティングの定義を売り上げを作る方法論、金を稼ぐ手法と言う観点ではなく、ドラッカー博士が「マーケティングの究極の目的は一切のセリングを不要にすることだ」と言われたように、一切の宣伝広告と言う名の顧客への強制介入を排しても自然と顧客が集まり必要な売り上げ、利益が継続的に出来るような仕組みを私たちはマーケティングと呼んでいます。いわば、手法としてのマーケティングを排除するノーマーケティングの仕組み作りといったところです。 信頼構築とイノベーション私達が考えるマーケティングの定義とは自社独自の「市場の創造」であり、その市場とは生涯顧客の蓄積と、新規顧客の獲得から成り立ちます。そして、ライフタイムバリュー(生涯顧客価値)を引き受ける生涯顧客は信頼関係の構築であり、新規顧客の獲得は同業他社が行っていない問題解決(イノベーション)ができるかどうかにかかります。ホットシートのワークショップでビジネスモデルキャンバスを使うのは新たに取り組むビジネスにおけるイノベーションの種を見つけるのが主たる目的で、だからこそ顧客の設定をまず初めに行ってその次にその顧客に提供できるモノではなくコト、今まで体験した事の無い価値を考える順番が重要なのです。人(ペルソナ)が特定できないと抱えている課題も問題もぼんやりしたままで、問題解決(イノベーション)の入り口が見えることはありません。 

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イノベーションの種

昨日のワークショップの最後の発表を聞いていると、顧客セグメントを「免許証を返納する高齢者」「10代の若者」「ガソリン車の製造が中止された後も車に乗り続けたいと車好きの人」などなど、幅広い観点からそれぞれに提供するサービスを考え発表してくださいました。主役の藤岡社長に最後に講評を聞くと、発表されたビジネスプランの中にいくつも自分がイメージしていたサービスがあったとのことで、大きなヒントをもらえたと共に背中を押してもらえたと非常に喜んでいただきました。短時間のワークショップで出されたアイデアですから、もちろん完成度は高くありませんし、そのまま使えるプランではありません。しかし、少なからずイノベーションの種をお渡しする機会にはなったのではないかと感じた次第です。ご参加頂いた大勢の皆様には心から感謝いたします。

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やり方では無く在り方

今回で第90回を迎えた元祖職人起業塾改め継塾では開始当時から原理原則系マーケティングの理論を学び実践を行なって来ました。今年で丸8年を超えて9年目に突入するのですが、スタート当時と比べて「マーケティング」と言う言葉に対する印象と認識が大きく変わったのを最近とみに感じています。YouTubeの発信の仕方やブログやメルマガの書き方、チラシの文言やSNSのハッシュタグのつける数までマーケティングと言うカテゴリーに分類されており、それらは殆ど全てやり方のオンパレードです。私達が学び、実践に取り組んできたのはあくまでも「在り方」を中心に据えた信頼構築とクライアントが抱える顕在的及び潜在的な問題解決であり、自律循環的な組織作りで、表面的なやり方をこねくり回したい訳ではありません。私達が目指すのは売り込みを排するノーマーケティングな訳で継塾及び職人起業塾で行なっていることをマーケティングと呼ぶのに違和感を感じてなりません。しかし、しっくりくるカテゴライズが思いつかず悩んでいます。どなたか良いアドバイスをお願いします。(笑)

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