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自由と責任、権利と義務。

昨日は顧問を務めている事業所の経営計画発表会に参加してきました。期のはじめに中長期と短期の事業計画を社内で共有し、目標に向かってまた1年、皆で力合わせて頑張っていこうと整理する時間に立ち合わせてもらい、私も顧問としての立場と役割を明確に出来た非常に前向きで高揚感に恵まれた良い会議でした。
社長による事業計画発表のおよそ半分の時間を使って、改めて「何のために事業を行うのか?」との問いに対する答えを様々な切り口から延々と再確認されたのも非常に良くて、1年に1度位は目的や志を明確にする時間が絶対に必要なのだと感じた次第です。

同じ志、同じ方向性

私が主催している一般社団法人職人起業塾の研修にほとんどの社員さんが参加されている会社で、研修内容の実践のサポートとして顧問として関わり、業務改革のお手伝いしているのですからある意味当然ではありますが、私と非常に近い価値観や世界観を持っておられる経営者の言葉は聴いていてうれしくなると言うか、心強く感じるところが少なからずあり、自分自身が向かっている方向が間違っていないのだと自己肯定感を高めさせてもらえる機会でもありました。旧態依然のままで変化に疎い建築業界で同じ価値観、同じ志、おなじ方向性を持つ仲間がいるというのは本当に素晴らしいことです。ひょっとしたら聴いていたスタッフ全員よりも私が一番心を震わされたのではないかと思いました。

時代の荒波を乗り越える組織改革

経営者同士の価値観が近いと言う事は、事業で取り組む内容も共通点があって当然です。建築業を通して地域貢献したいとの想いや、闇雲に拡大成長を望むのではなく、地に足をつけて地道な活動を積み重ねながら持続可能なスケールを目指す、若手大工の正規雇用と技術だけではない人間力を含めた人材育成、ピラミッド型のトップダウンの組織形態を廃して、スタッフの才能を最大限生かすことができるタレンティズム(才能主義)へのシフト、自立型組織を形成してボトムアップを目指すなど、この度の経営計画発表会では私が自社で取り組んでいる改革とほぼ同じと言っても過言でない方向性を示されました。社内での役職による上下関係はすべて解消し、目的と目標を達成するための役割と責任だけが存在するのみで、給与や休み等も含めて後はすべて事業部ごとに話し合って自由に決めて良いと、本格的な組織改革に乗り出すと力強く宣言をされました。私としてはもちろん諸手を挙げて賛同しますし、これら全ては先行き不透明で曖昧複雑なこれからの時代を乗り越えていくには必要不可欠な取り組みだと思っています。

自由と責任、権利と義務

会議の後、数名のスタッフメンバーと話していて今日の経営計画の感想を聞いたところ、厳しめの面持ちでやることがいっぱいで、ずいぶんとがんばらなければならない。と強いプレッシャーを受けながらも決意を固めておられるように見受けられました。その彼曰く、少し前に近所の中学校に掛かっていた標語で「自由には責任が伴い、権利には義務が伴う」と書かれているのを見かけたところだったとのことで、社長が口にされた「自分達で何でも自由に決めていいから」との言葉はそのまま自分達へ責任も一緒に渡された事を正面から受け止めて、その大変さに気付かれた様でした。自由と責任、権利と義務はワンセットだと言う概念は中学校で誰もが習う事ではありますが、実際の仕事であからさまな現実として自分の身に降りかかる事はそんなにしょっちゅうありません。メンバー各々が改めて責任の重さを感じられ、その責任を全うすべく一層の奮起をされる事が新しい時代に適応した組織への入り口になるのだと思います。

自由をその手につかみとれ。

自由と責任がワンセットと聞くと、自由が良いもので責任はその代わりに差し出さねばならない嫌なものという印象を子供の頃は受け取っていた様に思います。しかし、大人になり、プライベートとでも仕事でも様々な役割を担う様になって思うのは、役割を全うした時にこそ達成感や喜びがあるもので、なんの役割も無い、果たせないのは悲しむべきことです。役割とは即ち責任が伴うもの、そう考えると主体性に火をつけて自ら積極的に役割と責任を引き受ける様にする事で自由が自然についてくるとなります。事実は1つ解釈は無限といいますが、自由と責任がワンセットなのは捉え方次第でプラスにもマイナスにもなる概念で、まして子供じゃない、社会に出て働いている人間にとって新たな役割を担える機会はチャンスと捉えるべきではないかと思います。昔から自由は自分の手で掴み取るものだと相場が決まっています。

絶対エース理論

そしてもう一つ、積極的に役割と責任を引き受ける事で手に入るものがあります。それは、圧倒的な影響力で、工務店やリフォーム会社のビジネスモデルを長年研究する中で見出した絶対エース理論と私が名付けたものです。小さな規模で営業をされている建築会社では経営者が絶対エースのトップ営業マンであることが非常に多くあります。それらの経営者は見た目が爽やかでも、板に水を流す様な喋りのテクニックを持っているわけでもなく、とりわけ知識が豊富でもない人が少なからずおり、創業時の私も完全にその口ですが、強みもコミニケーション能力も持っていなくてもそれなりに仕事の受注を重ねられるものです。そこにあるのは代表者としての役割と責任、そしてそれを全うする覚悟だけです。そう考えれば、経営者でなくても、自分が事業部を任せられる代表者との覚悟を持って仕事に向き合うことで誰もが絶対エース9の影響力を発揮することができると思うのです。これが、私が研修事業で唱え続けているタレンティズム(才能主義)の根本的な考え方でもあります。とにかく、建築現場で働くできるだけ多くの人に役割と責任を前向きに取り組んでもらい、自由を手にしてもらいたいと思います。
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才能主義の実装を目指す研修やってます。

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