戦争のタネを摘み取る小さな革命
ウクライナ情勢は日増しに緊迫の度合いを増しており、首都陥落、大統領拘束も時間の問題との噂が流れ、ネットでは「第三次世界大戦」がトレンドワードになっているとのこと。戦火が世界に燃え広がらないかと心配でしょうがないですが、今、戦地から遠く離れた私たちに出来ることは何もなく大義の元に人殺しを正当化する戦争の一刻も早い収束を祈るばかりです。国連常任理事国のロシアによるウクライナへの侵攻はこれまでのアメリカによるテロへの攻撃や地域紛争とはまるで違う世界に移行したのを如実に示しており、以前の世界大戦の大きな過ちを繰り返し、世界に戦火が飛び火しない様に現時点で出来うる限りのリスク回避に先手を打つ必要があると思います。しかし、やっぱり日本は平和で、あまりにも世間はのんびりし過ぎている様に感じてなりません。ちなみに、日本では憲法第9条で戦争という「国権の発動」を放棄していますが、世界中でこんな(進撃の巨人の壁の民の様に、)不戦の誓いを立てた国は例を見ず、どの国も戦争を行う権利を有していることを再認識しなくてはならないと気付かされました。
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。(日本国憲法第9条)
戦争と経済の密接な関係
今回のロシアによる戦争は国家の安全保障を維持するためとの大義名分を掲げておりますが、最近、経済的安全保障との概念がよく語られる様に戦争は常に経済と密接な関係があります。CIAが裏で糸を引いていたと言われるカラー革命、民主化という名の西欧諸国の経済圏の拡大にプーチンが危機感を覚えた結果、電撃的に行われたクリミア併合。それ以後、西側諸国から発動された国際的な経済制裁の影響でロシア経済が落ち込み、国民の不満が積もってきたこと、それが表面化しない様に情報統制の厳しさが増していたのは全て今回のウクライナ侵攻へのプロローグだったとも考えられます。私達も経済人の端くれとして、たとえ微弱だとしても経済的な側面で世界平和に寄与する意識を持つべきだと思うのです。
第三の選択
戦争は奪い合いの構図を暴力的に具現化する行為です。搾取を繰り返し奪い合う中央集権的なヒエラルキー的な社会構造、経済構造が争いの種になっているのは長い人類の歴史で繰り返し証明されています。だからと言って個人の所有を放棄する共産主義がその解決になるかというと、それも失敗を繰り返しており、今のプーチンや中国の習近平、北朝鮮、古くはカンボジアのポルポト等、結局、権力の集中、独裁者の誕生に繋がり却って酷い社会体制を生み出して来ました。人類が成熟し平和で誰も取り残さない世界を実現するには第3の選択が必要なのは誰しもが気付きはじめていると思います。豊かに暮らしたいとの人の願望を満たさなければ諍いは止むことなくそれは経済の問題だと言えると思うのです。
三方よしは平和思想
弱肉強食の原理で富を奪い合う新自由主義的な資本主義社会では資本を持つ者が更に資本を増やす構図が明らかになっています。それが格差や分断を深め、行き着くのが暴力による解決だとしたら、私たちが住まう資本主義社会の在り方を見直す必要があります。現実に戦争が起こっている現在、空虚な理想論に聞こえるかも知れませんが、奪い合うのではなく、与え合うモデルに移行するのが人類の成熟となるのではと思うのです。自分の取引先だけが潤うビジネスではなく、第三者や環境にも貢献できる所謂、三方よしのビジネスモデル、倫理観に支えられた事業を意識的に行うようになれば、この世から戦争の種が一つ消えるかも知れません。日本では江戸時代、300年の太平の世を謳歌しましたが、それは封建社会でありながらも村や町単位で循環型のビジネスモデルを構築していたからとも言われます。日本で古来から大事にされてきた三方よしの概念を今の資本主義と融合させることが世界平和への一歩になると思うのです。世界を変える革命というには微力に過ぎますが、私たち中小零細企業から少しずつでも意識を変えて、実践を積み重ねることが大事な気がします。
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四方よしの世界の実現を目指しています!