街づくりは飲食店から #未来創造企業のチャレンジ
東京での第5回未来創造企業認定式典から関西に戻ってきた昨日はそのまま、未来創造企業のステップアップmtgが大阪で開催されるとのことで参加しました。今回で100社近くの事業所が認定されていますが、認定企業はそれぞれの地域で大きな活躍をされており、そのリアルな取り組みを見せて頂ける貴重な機会が設けられています。私も来週のオンラインmtgに登壇する予定になっているので雰囲気を知っておくことべきだと思ったのもありますが、大阪のベイエリア、築港を中心にチャレンジングな取り組みをされている株式会社ファースト・オーシャンの中澤社長の取り組みに興味があったのが正直なところです。
街づくりに取り組む飲食業経営者
第4期未来創造企業に認定されている中澤社長率いる株式会社ファースト・オーシャン社は焼肉店や居酒屋などの飲食店事業を中心に、キッチンカーの運営やお弁当の仕出し事業、大阪の地ビール、築港Beerなるクラフトビールの開発を行われたり、また、最近新しく出店されたお店は企画・運営を学生に任せて、学生たちが社会に出る前のトレーニングの場として自分たちでビジネスモデルを考え、実行する場を提供するなど幅広い活躍をされています。売り上げが95%ダウンしたコロナ禍を乗り越えて、創意工夫を凝らして、外部環境を嘆くのではなく、出来ることに意識を集中して事業を再構築されてこられました。それらは生まれ育った築港の街を活性化したい、寂れゆく街を守りたいとの強い想いから行われているとのことで、地域に住まう住人の立ち位置を持って建築会社や不動産会社、デザイン事務所などとコラボしながら飲食店を起点にした街づくりに取り組んでおられます。
VUCAな世界に立ち向かえ!
地方都市の人口減少、商店街や地域の商業が廃れていく流れは当分留まることが無く、その傾向は加速度的に酷くなっていきます。女性の半数以上が40歳を超えている現状、また、閉塞感漂う経済状況の中、子供の出生率が回復して人口減に歯止めがかかることはこの数十年はあり得ないと言われています。30年後には日本の多くの自治体が消滅するとも言われて居ますが、それは大都会と言われている大阪府でも例外ではなく、中心部の繁華街、ビジネス街はともかく、生活圏である住宅街やその周辺の商業施設、特に大資本のスーパーや大規模小売店以外の規模が小さなお店や事業所は確実に衰退の一途を辿るのは火を見るよりも明らかです。しかし、だからと言ってしょうがないと何もせずに手を拱いていては皆が不幸になるばかりです。世界はVUCA化の一途を辿っていると言われますが、それぞれの企業がそれぞれの立場で出来ることから抗う必要があると思うのです。
未来造像企業たる所以
中澤社長は飲食店は単なる飲み食いをする場所というだけではなく、人と人を繋ぐ「縁場」と定義して、街の活性化に一役買えないかと奮闘されています。地域に眠っている港町独特のリソースを掘り返したり、若者の力を最大限に引き出したり、地域に住まう人のニーズを住人の立場でリサーチしたりとその活動は単なる飲食業の経営者とは完全に一線を画した動きをされており、さすが未来創造企業の認定企業だと、実際のお店を見せてもらったり、スタッフさんの話を直接伺ったり出来た今回の訪問で甚く感じさせられました。企業の社会的責任を自社から社会課題を生み出さない守るCSRと、積極的に役割を求め、それを全うする攻めるCSRの両面をしっかりと事業に落とされて、スタッフやアルバイト、地域住民、取引先と共有価値を創造されているのがよくわかりました。
地域幸福度を上げる「縁場」
中澤社長のそのような取り組みが人口の減少に歯止めが掛かるとは言い切れませんが、少なくともその街に住む事の価値として認められ、途切れかけていたコミュニティーが復活すれば地域の幸福度に寄与するのは間違いないと思いました。大阪の下町のベイエリア、築港での取り組みが全国津々浦々にある小さな町に飛び火して、「縁場」が広がることで、閉塞感に満ちた今の日本に少しでも明るい光が見えるようになればと思いました。今はまだ、小さな第一歩を踏み出されたところですが、これから大阪万博という大きなイベントも控えていることもあり、大きなチャンスをものにして、全国の飲食店のモデルケースになるような、そんなモデルを確立してもらいたいと思いました。中澤社長、この度はありがとうございました。非常に刺激と気付きを頂きました。大きく期待をしております、頑張って下さい!
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