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小さな工務店が取り組む理想の組織への挑戦 〜序文 哲人会議を生み出すには〜

令和3年4月3日晴れのち曇り

4月に入り、令和3年の新年度がスタートしたこともあり、昨日からは新しい取り組みの一環としてスタートさせた組織改革について書き進めています。昨日の記事には私が考える理想の組織像とそのために必要なタスクをまとめてみました。今日はこの続きで具体的なアクションについて整理してみたいと思います。昨日の記事はこちら

https://note.com/shokuninsinkaron/n/n980e3a6b4d37

目指すのは全員経営の組織

経営の神様と言われるドラッカー博士はその著書の中で「最終的には誰もが経営者としての責任を引き受ける組織を作らなければならない」と述べられています。ずいぶん前にこの一節を読んで私はひどく共感したとともに、組織作りの途方もない難しさを目の当たりに突き付けられたような気がしました。その当時の私は大工上がりのワンマン工務店経営者で、パワーゲームで何事も推し進めようとする剛腕タイプ。スタッフが何から何まで指示通りに動かないと気が済まない、その割にはやたら細かなところが気にかかる小心者で、いつも何か見落としがあるのではないかと怯えていました。同時に、自分1人でできることの限界を感じながらも、社員教育等やったことがないし、どうすればいいかもわからず立ちすくんでおりました。

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目的と主体性とInside Out

そんな時、1冊の本と出会いがあり、目指すべき方向性を見いだすことができました。そこには原理原則に基づいた当たり前のことばかり書いてありましたが、人としての成長モデルのプロセスと、その延長線上にある組織形成の基本が明確に示されており、まるで一筋の光を見つけたような気になって必死にその本に書いてあった内容を実践するようになりました。その本は「7つの習慣」と言う世界で最もよく読まれた自己啓発本で、手にとられた人も多いかと思います。そこに書かれてあるのは、まず主体性を発揮する、その次に目的を持って始める、そして重要事項を優先する、周りの環境を変えたければ自分が変わらなければならない。そして、あらゆる成果はすべて状態に由来する。と本当に当たり前のことばかりでした。しかし、これらの概念がそれまでの自分には全くなく、いつもうまくいかないのは周りのせいで、目的を明確に考えることもなく、とりあえず目先のことばかりに時間を費やしていました。

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状態を整える習慣の力

7つの習慣を読んでまさにパラダイムシフト、世界の見方が変わってしまう位の衝撃を受けてから、まずは自分のあり方を正すところから始めようとこの20年間、一貫性を持てるように様々な習慣に執着し実践を繰り返してきました。11年間続いているこのログを残し続ける習慣もその一つですが、長い時間を費やして私が肌感覚で理解し、信念として身に付けたのは「習慣の力を使えるようになれば、あらゆる状態を整えることができる」と言うことです。これは、原理原則であるが故に、当然組織作りにも当てはまり、理想の組織を作るために必要不可欠な概念だと思っています。

鉄人を育てる組織を作る

昨日の記事に私が理想とする組織の運営体制は哲人による合議制だと書きました。私自身、哲人と言うにはおこがましすぎますし、神戸の片田舎の小さな工務店に立派な哲人がたくさんいるわけがないのですが、上述の当たり前の原理原則を理解して、習慣を身に付けられることができるメンバーが集まれば少しずつかもしれませんが必ず哲人に近づいていくと思うのです。人は誰しも目先のことについとらわれてしまいがちですし、変化することに対して腰が重くなりがちです。社会人になってからもあくなき学習意欲と成長力を持っている人もそんなに多くはありません。それでも、目的を明確に持ち続ける習慣、重要事項を考える習慣、学ぶ時間を持ち続ける習慣、人間関係を良くするための習慣を継続することができれば、人は必ず成長するし、変われると思っています。要はこれらが仕組みとして組織に定着していれば、私の目指す哲人の合議制での組織運営は時間とともに現実に近づいて行くと思うのです。

習慣(仕組み)に定着させるサポート。

目まぐるしく忙しい毎日を過ごしながら、多くの習慣を持って継続し続けるのは並大抵のことではありません。習慣とは習い(出来るように)慣れると読みますが、実は選択を伴う連続した行動のことであり、毎日、誰しもが持っている怠惰な気持ちに打ち勝って決断を繰り返すことができる人しか習慣の力を身に付けることができません。しかし、ほんの少しのサポートがあるだけで、流されそうになる弱い心に気づき、それを見直し、自分との約束を反故にする誘惑に打ち勝つことができるようになります。習慣の力を身につければ、知識でも、技術でも、コミュニケーションを含めたあらゆる技能やスキルを身に付けることができます。私が組織改革のために地道に始めたのは継続的な取り組みを持続させるためのサポートで、スタッフが少しずつ哲人に近づいてくれるようになれば、合議制の企業運営が出来るようになり、そして、6年後に控えた事業継承がスムーズにできると考えています。理想の組織の改革の第一歩は、全体最適のために必要なタスクを明らかにし、それをスタッフの習慣として着実に進めていくサポートを行うことです。その内容については次回に述べていきたいと思います。

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