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反対の反対は正解なのだ! 〜憤の力は愛の裏返し説〜

少し前のnoteで、事業を起こし自立出来る様に立ち上げて行く過程では原体験を元にした「憤の力」が大きな原動力となる。と書きました。自分自身が職人として独立起業した際、あまりの生活の不安定さと将来への不安からこれでは若者は誰も職人にならない、日本から職人が居なくなるとの危惧を持ち「職人の社会的地位向上を果たす」との志を立てた経験からもその考え方はとてもリアリティーがあると思っていました。しかし、起業して間もない経営者から自分の志が見出せない、との相談を受けることが少なからずあり、今の時代、憤りを感じるような厳しい原体験を持ってる人自体が少ないのかな、などと感じることもありアドバイスに困るケースにも遭遇します。その対処と言うか、答えに最近気づいたことがあり、しっかり答えられなかった人へのアンサー的な内容を書き残しておきたいと思います。

愛されていた自分に気づくセラピー

先日、アルバムセラピーと言う過去の写真をもとに本来の自分に気づくワークショップをされている林社長に詳しくお話を聞かせてもらう機会がありました。私の周りでそのセラピーを受けられた方は全員がその内容と体験を絶賛されていて、私も一度受講してみたいと以前から思っていたのですが、話を聞けば聞くほど、なるほど!とロジックだけで納得する部分が多くありました。林社長が言われるには、「人は誰しも幼い時に幸せな体験を持っていて、年齢とともにそれを忘れてしまう。しかし、写真という過去の記録をひもとく事で昔の愛された記憶が蘇り、自己肯定感を高めることができるのよ。」とのことでした。確かに人は生まれて来た時、1人で歩く事はおろか、食事を取ることさえできない状態であり、今、生きている時点で過去に必ず愛されていた証拠になると言うのはその通りです。人が絶望を感じる時は誰からも愛されず、誰からも必要とされていないと感じる瞬間だと言われますが、丁寧に過去を紐解くとそんな人は1人もいないはずだと言うことになります。愛されていた自分、誰かに必要とされていることに気づくのは自己肯定感を高めるだけとどまらず、前向きにポジティブ思考で生きていく大きな力になると思った次第です。

過去も自分も変えられる

そんな林社長の話を聞いて思い出したのが、先週末に参加したソーシャルシンポジウム2022でハッピーマンこと栗原志功さんが壇上で語られていた言葉です。それは「過去は変えられないと人はよく口にするが決してそんな事は無い。過去に起こった出来事は自分の見方や意味付け、解釈次第で良くも悪くもなる。すべてのことを自分で変えることができるのだ。」との言葉です。過去の自分の経験を振り返り、その延長線上で今の自分があると考えれば自分の身に起こったこと全てをあの出来事のお陰で今がある。と再設定してみる事はそんなに難しい事でもないし、辛かった思い出を良い経験に置き換えることでプラスの影響が働く事は容易に想像できます。私は、セルフイメージがすべての行動やその結果を司ると思っていて、何かにチャレンジしたいと思う時、セルフイメージの書き換えこそが最も重要だと思っています。過去を書き換える思考こそ、チャレンジングな人生につながるのだと甚く感銘を受けました。志も表面的な記憶に残っている原体験からだけではなく、人生を深く見返す事で見出せるのでは無いかと思ったのです。

名言連発のハッピーマン

志の源流は怒りでは無く愛

少し前に若手経営者が自社のミッション、ヴィジョン、バリューについて考えたいとの相談を受けた際に「あなたの志の根本にあるのは何ですか?」と逆に訊き返された事があります。その際に私は自分の志の根本は憤りであり怒りだと答えました。しかし、上述の林社長やハッピーマン栗原さんの話を鑑みれば、その怒りや憤りの奥には違う原体験があったのかもと思い直しました。そういえば、と思い出しのは、子供の頃、父親に「勉強をせずに少々ヤンチャをしても男の子は身体が丈夫ならメシは食っていける。好きに生きろ。」と落ちこぼれの私を大きな愛情で包んでくれていた事を思い出しました。大工で食えないと感じた時の私の怒りはその裏返しであり、父親が注いでくれた愛情に対する冒涜を感じたから湧き出したのだと今更ながら理解をし直しました。そう考えると志の源流は父親からの絶対的な愛だと言えるのかも知れません。

志を訴えたナショナルフォーラム

反対の反対は正解なのだ!

実は私、憤の力を原動力にして世の中を良くする志を立てたと自分で言いながら、そこはかとない違和感を感じていました。コンプレックを強みに転化させる、逆境をバネに飛び上がるなんてどう考えてもひと昔の昭和世代の価値観そのものであり、マイナスの感情が渦巻いている中で自分にとっても人様にとっても本当に良いことが素直に出来るのか?と問われると上手く答えられないと以前から思っていて、胸の端に棘が刺さっている様な引っ掛かりがありました。この度、林社長とハッピーマンのお話しを伺って原体験の再設定をしていいのだと気付き、父親の愛情に守られていたからこそ今があるのだと自己理解をし直した事で胸の支えが降りた気がします。それにしても、いくつになっても学ぶこと、気付かされることは際限なくあるものです。良いご縁を頂けた事に心から感謝致します。林社長。お時間頂きありがとうございました。____________________

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職人の地位向上を目指す活動

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