1+1=の解を正しくするのは?
私が住う兵庫県では中学生に対する職業体験教育がとても熱心で、毎年、秋口になると『トライやるウイーク』と題された地域の事業所に生徒達がインターンシップとして働きに行くカリキュラムが組まれています。5日間の日程の殆どは新卒4年生の若手大工の和希が先生役として対応してくれるのですが、1日位は担当のコマを持ってください。と言われて昨日は授業を引き受けました。
人生の意味と経済的な幸福
私が中学生に対して行なった授業で伝えたのは、意味の無い人生を送るのは勿体無い、出来るだけ意味や意義を感じられる生涯を送った方が良いのではないか?との問いかけです。生徒達は確かにそうですね、とばかり、真剣な眼差しで頷いていました。
要するに志を持とうぜ!との意識喚起なのですが、資本主義社会の中でどっぷりと浸かった教育を受けてきた彼らに
も分かりやすい様に、入り口は経済的な価値を生み出すところから入りました。
儲かる人になりたくないかい?との私との問いかけに全員が「はい!なりたいです!」と素直に答えていました。そこで、中卒だけど、4つの会社の社長を務めている私が儲かる方法を教えてやろうか、と水を向けると、思った通りの反応で食いついてくれました。(笑)
儲かるひと
「儲かるという字は信じられる者と書くんだよ、多くの人に絶対的な信頼を得れば、幾らでも仕事は頼まれるし、何でも買ってもらえる、信頼こそ、経済的に豊かになる根源なんだよ。」といつもの原理原則論に基づいたマーケティングの基礎理論を紐解いて、「どんな人が信頼される人か?」との問いかけを延々と繰り返しました。そこから見出されたのは「今だけ、金だけ、自分だけ」良かったらそれでいいという人には絶対になってはダメで、未来を見据え、信用や信頼、文化や伝統、思いやりや愛情などの目に見えない価値を大切にして、世の為、人の為に働く人こそ経済的な豊かさを手に入れることが出来るのだと納得してくれた様でした。世界の課題に気づいて貰う入り口として参考までにMANという動画も見てもらいました。
宿題は志
その上で、1+1=?の単純な当たり前の計算が成り立つ様に、人に嫌われることばかりをしては、仕事なんか来なくなる、儲かることなんか絶対にない。そして、みんなが世の中が良くなる様に行動しなければ世の中は良くならないどころかどんどん悪くなる。現在、世界中で戦争が起こって毎日多くの人が殺されたり、飢えに苦しんだりしているのは決して他人事ではなく、日本もこのままでは彼の国と同じ様に戦禍に巻き込まれるかもしれないし、石油が輸入されなくなって電気さえ自由に使えなくなったり、物価がどんどん上がって、苦しい生活をする人ばかりになる可能性があるよ。君たちは一体、世の中のどんな課題を解決して少しでもいい世界に変えたいと思う?との問いを投げかけました。
中学2年生には少し難しい質問だったと思いますし、まさかそんな授業をされると思っていなかったと思います。全員、インターンシップの残りの日にちで考えてみる様にとの宿題を出しました。
1+1=2の世界の実現
1+1=2になるには、当たり前のことが当たり前に出来なければなりません。それは人間社会にもそのまま当てはまり、成果を求めるなら成果を生み出す状態を整えるべき。
状態を整えるには決めたことを約束通りに行う習慣の積み重ねが欠かせません。
今の世の中が、皆が望む成果(=世界平和、貧困や差別の根絶、誰もが生きるに値する世界の実現)を手に入れるには、ひとり一人約束を守ることから始まるんじゃないか?と、最も約束を反故にしやすい自分との約束を守る姿勢の大切さを説きました。
自分との約束を守り、着実に実力を養って、世の中の課題を解決出来る人になってください。そんな意味や意義を感じられる生き方こそ、経済的にも精神的にも豊かな人生を送ることに繋がるし私が君たちに期待することです。と締めくくっておきました。
彼らが志を見つけ、行動を起こし、周りに伝播してくれることを心から願いますし、信じたいと思います。
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志を立てて、以て万事の源となす。を教育の基本に置いた職人育成の高等学校を運営しています。