押部谷&伊川谷地域通貨発行プロジェクト キックオフ!
私が代表を務める株式会社四方継の地域コミュニティー事業部「つない堂」が毎月主催する暮らしを豊かにするイベント「つむぎ暮らし」の今月のテーマはお金について。ファシリテーターを私が務めて、「今こそみんなで考えたいお金の話」と題して大きく2つのテーマについて話し合いました。
ディフェンスとオフェンス
2つのテーマと言うのは激しく環境が変わりつつある今の世の中をファクト(事実)に基づいて冷静に俯瞰しつつ、攻めと守りの両面からお金についての認識を見直そうと言うもので、今の豊かな暮らしを守る、そして次の世代に引き継ぐために必要なことを参加者の皆さんと一緒に考える時間を持ちました。グローバル資本主義が進み、TPPやFTAなど多くの国々と貿易協定が結ばれて世界から関税が撤廃されカップリングしてしまった現代、日本の経済は世界の動向と無関係ではいられません、金本位制が崩れ去り、デジタル革命の進行とともに通貨の発行に歯止めがきかなくなっている世界で最も懸念されるのは行き過ぎたインフレです。特に今はコロナの影響で世界中で金がばら撒かれており、単に為替相場や株価の変動だけがその指標ではなくなっていま。身近ではウッドショックで明らかになったように、アメリカや中国の需要増がそのまま日本の国内価格の大幅な値上げにつながるようになりました。もちろんこれは木材だけにとどまらず、ガソリンや鉄鋼などの素材、化粧品や食料品などの加工品まで既に影響が現れ始めています。
インフレはすでに始まっている
行き過ぎたインフレは、せっかく未来の安心安定のために準備した紙幣での貯蓄をただの紙屑にします。住宅業界で考えれば、外国産材に頼っていた建築会社では木材価格が高騰し、ひどい所では倍近くの価格になっています。住宅資金をせっせと貯めていた人にしてみれば、1年間で百万円貯蓄した意味が全くなかったことになり、これぞインフレと言うより他にありません。私が住まう神戸や明石ではこの3カ月間で土地の値段が100万円単位で上がっている地域も少ながらずあり、紙幣が紙屑になりつつあるのを肌で感じています。特にアメリカでは消費者物価指数が5%に迫る勢いになっており、大都市では土地価格だけではなく賃貸の住宅やテナントなどの家賃にもその影響が波及し始めていると報じられています。世界の物価の指標として良く用いられるマクドナルドのビッグマックはアメリカでの価格を日本円に換算すると1000円にもなるとのことで、日本円は着々と紙屑になっているというよりありません。
未来への備えは紙屑を避ける
そんなインフレリスクを感じる局面では、紙幣が紙屑にならないようにディフェンスを講じるべきです。そもそもマイナス金利になってしまっている日本では銀行に預けていても貯蓄に対する運用益は全く出ないため、証券会社を通して株式投資や海外の国債等で運用することがすっかりスタンダードになっており、ドル建ての資産運用が随分と一般的に普及していますが、世界同時インフレになれば、どこの国の紙幣でも紙屑になってしまうリスクからは逃れられません。これまでの歴史を鑑みれば、インフレが進むと金利が上昇し、金利が上昇すると金の価格が下がります。この経験則からタイミングを見計らって金の現物で資産を味がしておくべきとよく言われます。ただ今は、金銀比価が歴史上まれに見るぐらい金に偏っており、(明治維新の開国当初は1:5だった金銀比価が今では1:120になっている!)将来を見据えて長い目で資産を守るなら銀の現物にするのが良いのかもしれません。
宵越しの金は持たない
少し前に、老後2千万円問題がずいぶんと話題になり、老後資金の見直しが取り沙汰されましたが、結局、人は未来に不安を抱く分だけ貯蓄をしなければと考えます。逆に、未来の不安が払拭できれば貯蓄や資産形成などしなくても良くなるわけですし、未来のために今を犠牲にして、やりたくもない仕事に従事するとか、行きたいところにいかず、やりたいことを我慢するなんてことは(究極、人はいつ死ぬか分からないことを考えれば)ナンセンスです。もちろん、未来への備えは必要ですが、人生とは生きた時間の集合体であり、今一瞬を積み重ねたものである以上、今を生きる事に集中することが何より重要だと思っています。
人生100年時代と言われるようになりました。年老いてから不自由なく暮らせる備えは必要かもしれませんが、お金はあの世にもっていくことができません。目的なき蓄財に固執するのは貴重な人生の時間を使うにはもったいなさすぎるように感じます。ちなみに、私の場合は生涯現役をモットーにしており、世の中に価値を生み出せなくなった時に人生を終えるべきだと考えていて、資産形成にも興味はなく、あまり将来に対する備えの必要性を感じていません。宵越しの金を持たない職人気質が残っているのかもしれません。(笑)
激しい経済環境の変化に対するオフェンス
先行き不透明で複雑で曖昧な今の時代、自分たちの暮らしを守るのは結局自分たちでしかありません。資産運用を(と言うよりも未来への貯蓄は)銀の現物にすると言う守りの一手だけでは少し頼りなく感じます。そこで積極的に自分たちで安心して暮らせる持続可能な社会を形成する取り組みを進める必要を強く感じて、新たなアクションを同じ想いを持つ仲間と共に起こすべきではないかと考えています。自立循環型社会とはすなわち分散×自立であり、それぞれの地域が自立して成り立っている(循環する)上でそれらが相互に関わり合い、全体最適を目指す社会だと考えています。なので、まずは小さなコミュニティーを形成し、その中で持続可能な循環を生み出す事は未来への不安を払拭していくことにつながると思うのです。その具体的な取り組みとして、今回、地域のみで流通する腐る通貨の発行を提案しました。顔が見えるコミュニティーの中で物々交換に近い形で通貨の流通を行えば、必ず地域は活性化するし、循環型の経済の活性化はそのまま未来の不安を提言します。まずは共感してくれた仲間がいる押部谷と私たちが住まう伊川谷結んで、地域通貨を介してお互いがお互いを助け合い、協力し合うコミュニティーの形成を目指していきます。インフレへの懸念は少し気が重い問題ではありますが、一方で昨年の年始に立ち上げた地域コミュニティー事業「つない堂」がいよいよ真価を発揮する局面になってきたとも感じており、このピンチをチャンスに変換するきっかけにしたいと思います。
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今こそみんなで考えたいお金の話第2弾オンライン併用で行います!
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地域コミュニティー形成に奮闘してます!