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志に触れて志が高まり志が固まる

山梨県で初めて開催されたソーシャルカンパニーフォーラム20222にこの度参加してきました。基調講演は成熟した社会の実現には資本主義経済の根本を変えなければならないとチャレンジングな共感を軸にしたネット通貨、eumoを運営されている、日本のESG投資の先駆けとして有名な鎌倉投信の創業者新井さん、パネルディスカッションではティール組織の第一人者として有名な武井さんに、美容業界で社会課題解決を行って大きな成果をあげておられるラポールヘアの早瀬社長、その他にも見た目とは裏腹に実はビジネスでも卓越した成果を上げ続けられているハッピーマンこと栗原志功さん等々、豪華メンバーを加えて『共感資本が実現させる社会の未来とは』とのテーマで行き過ぎた資本主義が生み出した数多くの解決できない社会課題をどのように解決し、ウェルビーイングと言われる誰もが幸せに平和に暮らせる世界をどのように作り上げるのか、と熱い論議が交わされました。

ソーシャルカンパニーフォーラム2022in山梨

purpose経営

新井社長の基調講演では、冒頭に最近とみに良く耳にするようになったパーパス経営について言及されました。新井社長曰く、理念経営とパーパス経営の違いとは理念に社会性が内包されているか否かであり、自社と自社の社員だけでなくもっと外に目を向けて目的意識を持っているかにかかっていると口にされました。その目的、存在意義が明確になっていれば、掲げた理念にステークホルダーが共感、共鳴して行動される様になるはずでその共感の輪が広がることがパーパス経営の特徴だと言及されました。最近、ニセコ町が共感資本主義への転換を宣言するなど単に生産力の物差しであるGDPではなく、国民の幸せを図るGDWが始まるとの予言を示されました。このたびの参議院選挙での結果を見るとそんな社会変革が起こる可能性はもう少し先になりそうだと私自身は感じましたが、新井社長の話を拝聴していて、近い将来、根本的なビジネスの価値観が刷新されて大きな変革期を迎えることがイメージできました。

KEIPEの赤池さんのプレゼンテーション

共感資本が実現させる社会の未来

今回のソーシャルカンパニーフォーラムのテーマは「共感資本が実現させる社会の未来」とされており、そのための最も重要なファクターは上述の新井さんの講演の中でもパーパス(志)であると示されたように、パネルディスカッションや経営実践研究会の会員によるプレゼンテーションでも繰り返し志という単語が飛び交いました、ソーシャルカンパニーフォーラムの名の通り、社会的な存在意義を見つめ、志を掲げて社会課題解決に取り組むことでビジネスが回りだし、持続可能な経済性も両立させることができるとの基本的な方向性を会場に集まった150名ほどの経営者が共有し「共感こそが人類を救う」との認識が大きな広がりを見せ始めたのを体感することが出来ました。ビジネスモデルのスタンダードは水面下で確実に変わり始めています。

経営実践研究会の会員プレゼンターション

志に触れて志を固める

経営実践研究会の会員によるプレゼンターションでは共感資本主義を軸にした経営実践が4社によって発表されました。どの発表も非常に素晴らしいものでしたが、その中でも最も印象に残ったのは会計事務所を経営されているエンパワージャパンの穂坂さんの発表でした。会計事務所業務とは全く関連がなさそうな社会的養護に目を向け、擁護すべき子供達の支援を実際に雇用にまで進めている自社のみではなく取引先の企業に提案し実践されているのは本当に素晴らしい取り組みです。

社会的養護とは
社会的養護とは、保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことです。
社会的養護は、「子どもの最善の利益のために」と「社会全体で子どもを育む」を理念として行われています。
資料集「社会的養育の推進に向けて(令和4年3月31日)」[PDF形式:21,590KB]
厚生労働省HPより

穂坂さんの発表が終わった後、アドバイザーでコメンテーターを務められていた武井さんが穂坂さんの行ってきたことに対して「素晴らしい・・」と言ったきりその志に触れたことで感情が込み上げてきて、暫しの時間コメントが出来ない状態になりましたが、会場を見渡すといい歳をした大人が集まっているにも関わらず、多くの人の目に涙が溜まっていました。穂坂さんは子供達の支援に取り組み始めて、クライアントから支払われる自社への収益を擁護対象者の子供達の支援に使うことを明確にされてから、本業の会計事務所の方も大きく成長されたとの事でしたが、会場での空気を感じてさもありなん、と納得させられました。私自身も穂坂さんの志に触れ、学歴マイノリティーにチャンスを渡す新しい高等学校の実現に向けて取り組みを加速させようと志を固める機会になりました。

社会的擁護支援の重要性についてのプレゼンテーション

社会性こそが働く理由

私は子供の頃、父親から「人は社会とのつながりを持っているからこそ人、社会に向き合い、積極的に関わることこそ働くということやで」と繰り返し言い聞かされ続けてきました。世間がバブル期に向かう好景気の最中に、社会性を持つことの重要性を叩き込まれ、名前に剛い志とつけられたこともあり、自分は何のために生まれてきたのか?と長年自問自答を続けてきました。大工として働く様になり、創業した時に掲げた「職人の社会的地位の向上」はその一つの答えではありましたが、50歳を過ぎてもまだ、なんら世の中にインパクトを与えることも、業界を変えることも出来ずにモヤモヤした感情を抱いていました。しかし、ここに来て、多くの志を掲げる仲間を得て様々な分野のエキスパートの方々に学ばせてもらえる環境が整ったことで漸く父親に言われてきた本当の意味で社会性を持った生き方にシフト出来そうだと感じています。多くの志に触れ、志を高め、志を固めて突き進んでいきたいと思えた山梨の夜でした。フォーラムを企画運営くださったメンバーの皆様、お疲れ様でした&心から感謝致します、ありがとうございました。

三次会での締めの一枚

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志を固める研修、高校の設立を進めています。


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