プロティアン最初の一歩
第2号(2021年5月12日)
第1号|静岡Bankerの赤堀保裕さんからリレーして、第2号を担当する私は、キャリア界隈では名の知れる存在となっています。その理由は、「職業キャリアコンサルタント」であると同時に、プロティアン・キャリアの実践者だからです。(キャリアコンサルタントは、資格取得後に組織に属して一部職務をキャリア関連にすることはできても、“単職で食べてゆくこと”の難しさが指摘されています。)
そこで、本日は、私の略歴をプロティアンで解いて行きます。これを事例として“みんなのプロティアン”になれば幸いです。
まず、現45歳の私の職歴は、16年間の人材業界における営業職期と、8年間の起業独立期に分けられます。独立には、自身の従属的思考から営業職期を「会社が決めた数字を追いかけて、会社への報告を繰り返す業務」と観ていて、 “将来に自己像を描けなかった”ことが背景にあります。今でこそ「職業キャリアコンサルタント」として活動していますが、起業独立初期の私は、“身体は独立すれども、思考は従属だった”ため、絶望の現実と向き合ったことは想像に容易いと思います。
私が足りなかったのは、「キャリアは私がしてきたこと」という自律思考でした。働いた経験を“勤務先会社名や配属職務、職業ごとの年数で区切る従属思考” で描くキャリアに心理的成功は無いということです。必要なのは、働いた経験を“個人に属するキャリア資本で捉え直す自律思考”だったのです(図1参照)。自律思考が、キャリア軸を外から自身の内に置き、環境の変化に対してまでも“変幻自在なキャリア”に向けて行くのです。
これがプロティアン・キャリアの第一“アイデンティティ”との対峙となるわけです。私が絶望の現実と向き合わなければならなかった理由は「アイデンティティ無き、アダプタビリティに向かった」からだと説明がつきます。もちろん今は、キャリア資本の整理をことあるごとに行っています。
次号は、「働きことと人生を統合することに挑戦されている馬詰さん」にバトンをお渡しします。
#プロティアン #プロティアン研究会 #ぷろぴのひろば #中村英泰
図1
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