「包丁の使い方」 最大のポイント
今回のテーマは「包丁の使い方」
その最大のポイントについて、解説させて頂きます。
大原則
包丁を使う上での大原則は、
とにかく、この一点。
>>>包丁は押し付けただけでは切れません<<<
「押すか、引いて使う」これが最大のポイントです。
でも、実はこれがなかなかの難題で多くの素人さんや
プロであっても、出来ているつもりでも案外、出来ていない。
見る者が見れば、理想とは程遠い使い方になっている時があります。
実際、以前共に仕事をしていた60歳過ぎのベテランと言われる
人間でも疑問の切付をする事が度々ありました。
本当に包丁の使い方が綺麗と感じる職人は、極々僅かです。
<押し潰してしまった切付>
包丁の意思
刺身を切りつける時に、身に負担を掛けないように「刃」に
切らせていく感覚。
包丁の刃が自からの意志をもって切り進む、それを使っている者が
包丁の意思に従って切らされている様な感覚。
そして、最初から切れている所へ刃を差し込んで行く様な、
すぅ~っと入っていく感覚。
これは、実は刺身だけに限らず野菜を刻む時、肉を切る時、
極端な話・・蒟蒻や豆腐を切る時でも、感じなければなりません。
非常に抽象的な表現で恐縮ではありますが、実際に包丁を
使い込んで多くの経験を積んだ時に、すっと力が抜けて
包丁がひとりでに切り進んでいく感覚を感じる事が出来ます。
非常にシンプル
「切る」という一言に込められた概念は、和食の料理人の場合は
非常に多くの意味を含んでいます。
多くの意味を含んでいるにも拘らず、非常にシンプル。
包丁を素材に押し当てる事無く、刃を大きく使って滑らせて使う事こそ
最大にして最高のポイントです。
ぜひ、このポイントを意識して包丁を使ってみてください。
ハッと気づいた時には、素材の切り口が格段に変わっていますから。
では、本日も良い一日を!