閑話休題:ブレードランナー2049
もともとブレードランナーは原作のほうが好きで、旧作も映像とミステリアスで独特なテンポは気に入っていたもの作品の解釈としてはいまひとつと感じていました。
ざっくり言うと、原作は「自分はアンドロイドかどうなのか?」という哲学的な主題なんだけど、映画になるとそういった内省的な問いかけは無くなります。どっちかというとアンドロイドに恋する話で。
続編にあたる2049は、アンドロイドの生殖がテーマになっているので、アンドロイドと人間の境界線とは?というアプローチができたはずなんだけど、なんだけど・・・結局、父と子どもの絆☆自己犠牲が崇高で人間的!の側面のほうが強くて、もっと確信に迫って欲しかったなぁという消化不良感が残ります。
父にあたるデッカードがハリソン・フォードなこともあり、父と息子の関係性はSWの既視感しかないんだよなぁ。いきなり、大御所っぽいレジスタンスが登場してくるあたりも。
とはいえ、映像面はやはり洗練されていて、荒廃した都市や、無機質な建造物と中で動く生命力に欠ける人間たちは、より原作イメージに近く惹きつけられたのは確かです。
途中で、過去のデッカードの声が流されるんだけど、その声だけで過去のデッカードの姿がありありと眼に浮かぶし、あの頃のハリソン・フォードは本当にかっこよくてセクシーだったよなぁとしみじみ思いましたね。