花巻をつくる
花巻は、日本の感覚でいうと、中華まんの一種。
発酵生地で餡を包んだものが「包子」、餡なしのパンのようなものが「饅頭」、同じく餡なしのものを、華やかな形に飾り巻きにしたものが「花巻」と呼ばれるものになります。
餡なしといっても、ネギやごまなどを巻き込むこともあるので、味のバリエーションはいろいろです。
西洋のパンでも、三つ編みにしたものや、チョコレートシートを挟み込んでねじったものなど、花巻に通じるような形のものがありますが、花巻はやはりアジアの食べ物だけあって、作り方がユニーク。お箸を使います。
私は何の疑問も持たず、お箸での成形を受け入れていたのですが、パティシエである知人がそれを見ておもしろがっていたので、そのユニークさに気づきました。確かに…洋菓子を作る時にお箸は絶対使いませんもんね。
花巻の巻き方も、すごく沢山の方法があるのですが、今回は、私が個人的に気に入っているものを。
お箸使いのユニークさと、仕上がりの美しさ、療法を楽しめる巻き方です。
まず、特徴的なこの「襞」ですが、成形時に油を塗ることで、生地同士がくっつくのを防ぎ、膨らんだ時に広がって美しい模様となります。
伸ばして薄く油を塗った生地に、塩と今回は花椒を振ります。油はごく薄くて大丈夫、塗りすぎるとベタベタになって扱いにくくなってしまいます。
続いて、生地を三つ折りにし、90度回転させたら、「偶数個」にカットします。
幅は2.5~3㌢くらい、長さは10~15㌢くらいが扱いやすいです。
2個ずつ重ねていきます。
ここからがお箸の出番。重ねた2つの生地を密着させるために、中央部分にお箸を置き、ぐぐっとおしこみます。2つの生地の間には油が塗られていませんので、お箸で圧力がかかった部分は、これでくっつきます。
再び生地を90度回転させ、両端をしっかりつかんで、ゆっくり伸ばしていきます。25㌢~30㌢くらいまで伸ばします。
焦って一気に伸ばすとちぎれてしまうことがあるので、少しずつ、順に伸ばしていきましょう。伸びにくい時は、数分間寝かせると良いです。
成形の最終段階は、動画にて。お箸大活躍です。
巻終わりも、お箸を抜く前にしっかりと生地を抑え込むことが大切。ここの接着が甘いと、蒸している間に崩れてしまったりします。ぐぐっと力を込めて形を仕上げましょう。
麻婆豆腐でお馴染みの「しびれるスパイス」花椒ですが、控えめに使うと、しびれは全くなく、華やかで甘い香りと旨味を感じさせてくれます。麻婆豆腐のイメージしかないと、驚くかもしれません。
花椒以外にも、黒胡椒やごま、ネギを散らしても美味しいですし、油の代わりに塩や砂糖で味をつけたピーナッツバターを塗るのも美味しいです。パンの感覚で食べられますよ。