『しくじり漫画先生に学ぶ正しい夢の叶え方』⑭ おしまい
あとがき的な
この度は、『しくじり漫画先生に学ぶ正しい夢の叶え方』をお読みいただきありがとうございました。
この物語は、想像ではない、私の実体験の失敗を元に描いた、しくじりの教科書です。
私のケースは、何も特別なものではありません。そのほとんどが夢追い人の多くが直面するものばかりです。
人は失敗を恥ずかしいもの、不名誉なものとして、隠したり大した問題ではなかったと、見えないところへさっさと片付けてしまおうとします。当然、自ら堂々と失敗を語る人はあまり居ません。なので、私たちはなかなか他者の失敗を知ることができません。
だけど、成功体験から得られるものよりも、失敗体験から得られる経験や知識の方が、はるかに価値があると思うのです。
なぜなら、成功に至る道筋は人それぞれの能力や環境、タイミングなどに依るところが大きく、それを真似ても決して自分が成功できる訳ではないからです。
例えば、渋谷でスカウトされてデビューしたモデルさんの真似をして渋谷をウロウロしていても、モデルさんにはなれませんよね。(可能性は0ではないでしょうが、効率的なやり方ではないです。)
逆に、失敗は、この本でも取り上げた数々の事例のように、多くの人に当てはまる普遍的なものばかりです。「テストに出るぞ」と同じレベルです。
その落とし穴が見えたら、「お、これはしくじり漫画先生が言ってたやつだ。知ってる知ってる」って鼻で笑って飛び越えて下さい。
本当は、失敗は自分自身で体験するのが一番身になると思いますが、全部の穴に落ちながら進むには、人生は短すぎます。それに、やっぱりその都度ケガを伴いますし、痛いです。
私がたどり着いたラインまでにある落とし穴は、知っている分はすべてお伝えできたと思うので、せっかくこの本を読んで下さった方は、私の先の道にある落とし穴でズッコケて下さい。
そして「盛大にしくじったな。お前ウケる」って笑いながら、またさらに先を目指してください。
そして、できればその貴重な失敗体験を、同じ冒険をしている他の仲間たち(私も含め)にシェアして下さい。みんなで穴をつぶしていけば、きっととんでもなく遠くの世界まで旅立つことができるはずです。
参考文献
『失敗学見るだけノート』(畑村洋太郎著/宝島社)
『失敗の化学』(マシュー・サイド著/有枝春訳/ディスカヴァー・
トゥエンティワン)
『ピクサー流創造するちから』(エド・キャットムル、エイミー・ワ
ラス著/石原薫訳/ダイヤモンド社)