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『しくじり漫画先生に学ぶ正しい夢の叶え方』②


手段と目的を取り違えない

 おかしな話に聞こえますが、こうした手段と目的の取り違え問題は、日常のなかでも多く発生します。

 例えば、レポートの作成のために参考文献を読み出したら、もっとその分野を深掘りしたくなって何十冊も専門書を読み込んでしまった、というようなケースとか。
 あるいは、何かを学びたくて大学に行きたいのに、なぜか難関校を目指す、みたいな。

 それ自体が悪いことではないですが、あくまでレポート作成や就学が目的であって、専門知識をより多く得ることや、難関大学に入ることが目的ではなかったはずですよね。

 この取り違え問題、実は「あるあるー」って笑ってもいられないくらい、とても根が深い問題だと思うんです。
 
 本人も気がついていないことがほとんどですが、自分のやっていることに自信が持てないから、「自分は間違っていないし、成功しているんだ、という揺るぎない確証を得たい」ために、「確固たる実績を上げること」が、すべての最優先事項になってしまっているのです。

 自分が間違っていないことを立証するために、夢は二の次になってしまっている状態です。
 これでは到底夢を叶えることはできません。
 そして、この取り違え問題による怖ろしい弊害がもう一つあります。

 それは、他の有効な手段を自ら排除してしまうということです。

 例えば私の場合、他の出版社へ漫画を持って行くとか、別の賞に応募してみるとか、少女漫画のアシスタント先を探すだとか、はたまた専門学校で学ぶとか、他にも無数の手段があったはずなんですね。
 なのに、私は週刊少年ジャンプだけに、漫画の持ち込みと投稿を続けていました。
 自分が設定した実績を上げることに囚われて、他の手段の検証を何一つ行っていないんですね。 
 先の章でお伝えしたように、「HOWのためにどんどんWHATを試していく」ことが、夢を叶える本来のプロセスなので、ただの手段の一つにすぎないWHATを手放せずに他のWHATの検証を行わないのは、夢を叶えるための歩みを止めてしまっているのと同じことなんですね。 
 
 夢を叶えるのに、自分が有能であること、成功していることを証明する必要は全くありません。
 
 常に自分が「どうありたいのか」を意識し、そのために「何をするか」という順番で行動を始めると、自然と物ごとは良い方へ転がり始めます。

#創作大賞2024 #コミックエッセイ部門


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