コロナ差別はどうすれば無くなる?教えてえらい人。
新型コロナウイルスが日本に蔓延し始めてから早1年。コロナ自体はもちろん、それにまつわる様々な問題も終息することなく今に至る。
このコロナまわりの問題で、個人的に折り合いがつかないのが医療関係者への差別問題だ。
自身の身も危険に晒されるにも関わらず医療に従事する方の苦労は到底計り知れないし、そういった姿が報道される度に仏様でも拝むようななんともいえない気持ちでいっぱいになる。
しかしそんなありがたい存在に対して、嫌がらせや差別、誹謗中傷を行う人間が少なからず居るのだ。
最初にこういった差別問題の報道を目にした時は、「クソみてぇなことをする人間が居るもんだ」とげんなりした。差別は絶対悪で、そういった思想を持つ人間は間違っていると純粋に考えていたから。
昨年末、いわゆる第三波の真っ只中、そんな自分を顧みる出来事があった。
なんのことはない、離れて暮らす母から1通のLINEが届いたのだ。
「仕事を手伝ってもらってるAさんの息子さんが勤めている病院でコロナ感染者が出たみたい。」
どうやらこの”Aさんの息子さん”というのが看護師らしかった。母は一抹の不安を覚えて私にこういったLINEを寄越したのだろう。
還暦を過ぎ、日常生活に支障はないまでも持病もある母。そんな母の近くに感染の小さな芽があるように感じた私はそのLINEに
「Aさんにはしばらく休んでもらえば?」
と返信を打ち込んで送信ボタンを押す前にふと思った。
・・・あれ、これ差別になるんじゃないの?
そうだ、これは自分が”クソ”と一蹴した差別者と同じ発想だ。
そう気付いて、母への返信は「仕事をリモートに切り替えられないの?」と打ち直して送信した。
寸前のところで表出を免れた私の差別心。だけど、それは確実に自分の中にも存在したのだ。その事実に私は愕然とした。
もちろん医療従事者やその家族を貶めてやろうとか、関わりたくないとかそんな風に思ってはいなかった。ただ離れた場所で1人で暮らす母が心配だった。
家族を大切に思う気持ちはどこで差別に捻れてしまうのだろう?そしてこの捻れを押し通さなければ、家族の安全は守れないのだろうか?
もしかすると、心ない差別のほとんどは「家族を守りたい」という思いの裏返しだったのかもしれない。ただ異常に感染力の高いウイルスへの不安がその尊い気持ちを差別へと捻じ曲げてしまう。
そうだとしても、もちろんコロナ差別は間違っている。あってはならない。家族を大切に思う気持ちとコロナ差別、対立以外の構図があれば良いのだけど、私にはまだそのイメージが明確についていない。
自分の中で解決策が見つからず、というか気持ちに折り合いがつかずずっと悶々としているこの問題を私たちは抱え続けるしかないのでしょうか・・