見出し画像

図工作品の投票制は必要?

我が家には小学2年生の娘がいます。

先日図工の作品を持って帰ってきたのに、そのことに全く触れようとしなかったので、私から聞いてみることにしました。

「何を作ったの?」

答えたがらない娘。

「全然票が、取れなかったからいやなの。」

どうやら子ども達が作った作品は、いっせいに教室に並べられ、クラスの中で良いと思った作品に投票をするということをしたそうです。
そして、獲得数の多かった作品を作った子の名前だけが発表されたとのこと。

その中で票が全然入らなかったことが嫌だったので親にも見せたくない、としょんぼりしていました。

私が「とっても良い作品だよ。」と言ってもクラスメイトからの票が欲しかった娘には届きません。

この投票制に私は強い違和感を感じていました。
それは娘の作品に票が入らなかったことを怒っているのではなくて、なぜ投票をする必要があったのかが分からなかったからです。


小学校が図工の時間に子ども達に求めているのは何なのか。

そのことを知りたくて小学校に問い合わせしてみました。ただ、モンスターペアレントみたいになりたくなかったので、あくまでも投票制の意図を教えてほしいと伝えました。

先生が仰ったのは
「図工の時間に子ども達に求めることは
創造性、人の作品を見る力、制作スキルです。
投票をしたのは、人の作品を見る力を養ってほしいと言う思いと、次回は私も選ばれたいというモチベーションにつながると思ったからです。」
とのことでした。

「人の作品を見る力を投票制にしてしまうと、次回は創造性のある作品より、人の票を獲得できる作品を作ろうとするのではないでしょうか?」

と私が返したところ、先生は「おっしゃる通りです。私の配慮が足りませんでした。」と謝られていました。(謝ってほしかった訳ではないのですが、、。)

きっと小学校ではカリキュラムがパンパンで、図工の作品を1人ずつ発表するような時間を持つのは現実的に不可能なのだと思うのです。

投票制にすることによって効率よく「作品を見る目」を養えるのではと思われたのかも知れません。

しかし結果としてうちの娘のような
「この作品は票がもらえなかったから価値がない」と思ってしまう子が出てくるのではないかと思うのです。

作品を見た目だけで、しかも票が入るか入らないかで価値を決めてしまうことはとても浅い考えだし、アートを苦手にする子どもを増やすきっかけになってしまうのではないかと心配にもなります。

アートとはそのようなものではありません。
このやり方はどちらかと言うとデザイン思考なのでは?と思います。

図工こそ、結果だけではなくて子ども達がたどってきたプロセスを見ることができる最適な科目だと思うのです。

小学校低学年での図工のあり方をもう一度見直すきっかけになればいいなと思う親心、、です。。

いいなと思ったら応援しよう!