親知らず4本一気に抜歯するお話 その3
そしていよいよ入院当日。
前日入りで入院のためこの日にいろいろと詳しく説明を受ける。
麻酔科医:やはりピルを服用されているので、局所麻酔にて手術を行います。
やっぱり。でももう抜けるならなんでもいいよ。
麻酔科医:手術中のBGMなんですが、お好きなジャンルはありますか?
え、そんなの選べるの??
わたし:KーPOPとかって...ありますかね...?
麻酔科医:ありますよ😊
あるんや!!!!
わたし:じゃあそれでお願いします!!!
爆音でKーPOP流れたらなんとかがんばれそう。
その日は何もないので売店でお菓子を買い込む。
ただの遠足気分である。
ゴロゴロしながら8時消灯。
そして6時起床という健康的な生活。
当日は午後から手術のため、お昼は8割程度にしてくださいとのこと。ただでさえ足りないのに。
そんな当日の昼食がこちら。
なんで今日に限って天ぷら!!!!!
ちゃんと少し残しました。
手術室に行く前に体温を測るのだが、何度やっても37度台が出てしまう。(平熱36.8くらい)
37度台だと手術室に入れないそう。
ほんとに何度も測った、両脇やっても37度超えてしまい最終的に軽く浮かせてなんとか36度台に持ち込んだ。
しかしこのわたしの体温の高さはここだけで終わらないのである。
そしていよいよ手術。
普段なら街の歯医者さんのようなリクライニングチェアで手術するそうだが、手術室が空いていたため手術室にて行うそう。
うわあ〜ドラマと同じ〜!!!
でっかいライトある!!!
テンション上がるぅ〜!!!!
この期に及んでノー緊張なわたし。
手術台に乗って準備が整うのを待つ。
ぼんやりBGMが聞こえてきた。
実は部屋に入った時から流れていたが知らない曲だったのだ。
(まあKーPOPっていうてもいろいろあるもんなあ〜知ってる曲流れたらいいなあ〜)
そこで聞こえてきたのはBoAのメリクリ(Korean ver.)だった。
え!?いま2020年やねんけど!!!!
KーPOP!!!BoA!!!メリクリ!!!
しかも韓国語バージョンかい!!!!
BGMに頼るのは無理だと思った。
しかもボリュームはほんとにBGM。
わたし:すみません...BGMの音量を上げてもらうことは出来ますか...?
看護士さん:わかりました😊 少し上げますね!
ボリュームは2だけ上がった。
さほど変わらなかった。
そしていよいよその時が来た。
担当医ともう1人ベテラン先生が来た。
簡単にもう一度説明を受け、麻酔が始まる。
麻酔が痛いってほんとだな。
まあこんなところ(歯茎)に注射されたら麻酔じゃなくても痛いわ。
確か 右下→右上→左下→左上 の順で抜かれた。
右下が横向きに生え、左上が真っ直ぐだが穴があきかけの親知らず。
右下にほんとに手こずってた。
多分1番時間要してた。
埋まってるのでその上の歯茎を切らないといけなくて、その説明を受ける。
先生:じゃあ歯茎切るね〜
もちろん麻酔で痛みはないが、自分がいまからされることをわざわざ言われるって無理な人は無理だよな...と改めて思った
レポを見て心してはいたが、ほんとに土木工事。
ぐりぐり、ゴリゴリ、グググ...
大の男が体重をかけてるのを感じる。
痛みはないが感じる。
先生:もうちょっと手前切って!
ああ!...ちょっと変わって!
先生!?初めてですか!?
だからベテランの先生いたんですか!?
わたしは新人の先生を応援するしかない。
顎が疲れてくるし、見えないし、でも音は聞こえるし、こちらも疲れてきてる中一生懸命 (がんばれ...がんばれ...)と心の中で応援していた
そのときズキっと痛みを感じた。
わたし:ひはひ(いたい)...!!
ベテラン先生:痛いですか?これすると痛い?
わたし:ひはひへふ(いたいです)...
ベテラン先生:そうかそうか、ごめんね。
ちょっと麻酔足そうか。
ベテラン先生:もう1回チクッとするよ。ごめんね。
めっちゃ優しいやん。沁みる。
ベテラン先生:これどう?まだ痛い?
わたし:ひはふはひへふ(いたくないです)...!
麻酔の素晴らしさに感動した。
ベテラン先生:はい、じゃあ続けるね〜
おそらく上手く抜けず、ハンマーで砕かれる感覚がした。
痛みはないが骨に響く。骨に響いて耳に届く。
KーPOP全く聞こえない。
土木工事と先生の話し声しか聞こえない。
先生:はい、右下抜けたよ〜。
つぎ右下いくね。
体感右下に20分くらいかかってた、右上5分かからず終わったんじゃないかな。
上の方が抜きやすいって見たけど、ほんまやったんや。
と手術受けながら思ってた。
そして12月の手術、部屋は暖房が効いていた。
新陳代謝がよく体温が高いわたし、めちゃめちゃ暑くなってきた...!
わたし:すみません、ちょっと暑いです...
看護士さん:暑い?ちょっとタオル上げるね。
下半身にかけられていたタオルを足首が出るくらいまで上げてくれた。
手術は進む、わたしの体温の上昇も進む
普通の綿100%のパジャマ。
インナーはキャミソール。
信じられないだろうが汗だくなのだ。
わたし:すみません、まだ暑いです...
看護士さん:まだ暑い?うーん、もう少しタオル上げますね。
つま先まですっぽり覆っていたタオルは手術が終わる頃には膝上まで上がっていた。
そうして手術は進み左側はさほど手こずらず、1時間ほどで手術は終了。
元々全身麻酔予定だったので局所で一気に4本抜ききった達成感と、人生初めての手術室、新人先生とベテラン先生のやり取り、何よりKーPOPがBoAということで自分的に面白い経験だったし、終わってみれば楽しかった。
むしろ局所にして良かったなとも思うくらいだ。
口の中、頬の内側と歯茎が腫れてパンパンになってる。痺れて上手く動かないし話せない。
看護士さん:よし、じゃあゆっくり起き上がりましょう。
優しく起こしてもらう。
看護士さん:気分はどう?大丈夫ですか?
わたし:楽しかったれす...!
局所になって良かったれす...!
多分看護士さん的には体調を聞いただけであって、感想など聞いてない。
看護士さん:楽しかった...!?はは...(苦笑)
まじで絵に描いたような苦笑い。
そして寡黙な男性看護士さんは本気で引いていた。
看護士さん:これ、今回抜いた歯ね!
丁寧にわたしの名前が書かれたチャック袋に綺麗な歯が2本、歯であったであろう破片が複数入っていた。
ちょっとふらつくし体力も消耗しているため車椅子で部屋まで戻る。
まだ麻酔がきいてて、汗だくで、抜きたての歯4本分握りしめて看護士さんに車椅子押してもらってるんおもろいなと思いながら部屋に帰った。
以上がわたしの抜歯ストーリーでした。
元々全身麻酔予定で一気に4本抜くこともありいろんな人のレポ見たけど楽しいっていうてる人はいなかったね。まあそらそうよね。
意識あるまま手術室入れたり、新人先生とベテラン先生の掛け合い聞いたり、BGMが全く聞こえなかったり、貴重な経験になりました。
もし最後まで読んでくれた方いたらありがとうございました☺️