知らぬまに、手を引かれてた。私が企画生になる日まで2(企画メシ2021)
2021年6月、私は「企画生」になった。コピーライター・作詞家の阿部広太郎さんが主宰する連続講座「企画でメシを食っていく(企画メシ) 2021」。阿部さんと「企画メシ」を知ってから企画生になるまでのことは以前書いたけれど、まだ書ききれなかったことがある。
先輩企画生に出会った日
2021年、オンラインで開催された「いつか仕事で再会するための連続講座『企画でメシを食っていく2021』」にエントリーし、無事、企画生になることができた時、私には連絡したい先輩企画生がいた。SNSで初めてDMを送ったのは、「言葉の企画2019」企画生のShinoさんとユースケさん。
お二人を知ったのは、下北沢の「本屋B&B」で行われた「企画メシ報告会」だった。私を「企画メシ」に導いてくれたのは、もちろん主宰の阿部広太郎さんだけれど、それだけではない。先輩企画生たちの姿を目にしたことで、「企画メシ」への憧れがより一層強くなった。
報告会で強く印象に残ったのが、「ことばの日」の企画だった。「ことばの日」という記念日を作るため、プロジェクトを立ち上げ、活動しているという話に驚いた。「企画メシ」や「言葉の企画」は、講義を聞いて学びを深めるだけではないんだ。「言葉の企画」に参加したかったと思う一方で、こんなすごい場に自分が加わることができただろうか、とも思った。
会場で感じたのは、企画生同士のあたたかなつながり。客席には多くの企画生がいたようで、登壇する同期の仲間を熱く応援していることが伝わってきた。
報告会が終わり、私は持参した本に阿部さんからサインをもらおうと順番を待っていた。その時話しかけてくれたのが、登壇者の一人のユースケさんだった。「仕事も年齢もさまざまな人が参加していて楽しいですよ」と教えてもらった。年齢を気にしていた私だったが、この言葉に背中を押されていたのかもしれない。企画生になってから、交流会でユースケさんとお話しした時、この時のことを覚えていてもらえて驚いた。
本気と熱気の「企画祭」
「企画メシ報告会」の最後に、「企画メシ」5周年を記念した「企画祭」を開催すると発表された。この時は行けないなあと思っていたのだけれど、参加することができるようになり、結局、最初から最後までみなとみらいにある会場の「BUKATSUDO」にいた。
当日、少し早めに桜木町の駅に着いたら、ビラを配っている人たちの姿を見かけた。会場に着くと、大人の本気の文化祭、というような熱気だった。一生懸命で、楽しそうで、企画生の仲の良さも伝わってきて、ちょっと羨ましくなった。
企画メシを体感できるトークイベント、料理やドリンク、さまざまな展示など、企画がてんこ盛り。トークイベントを聴いていると意外と忙しくて、展示をゆっくり見る余裕がないほど。うっかり見逃したものがあって、悔しい。最後の記念撮影の時間にまで居残ってしまった。あたたかな雰囲気に、あの中に加わりたいと思ったのかもしれない。
「企画メシ2021」の最終講義で、久しぶりに「BUKATSUDO」に足を運んだ。会場を装飾したり、軽食を用意したりする同期の姿に、「企画祭」に参加した日のことを思い出した。
5月18日は「ことばの日」
報告会や企画祭で話を聞いて以来、気になっていた「ことばの日」は、2020年に記念日として制定された。記念のイベントはオンラインでの開催となったが、そのおかげで地方に住む私も参加できた。
「企画祭」や「ことばの日」のイベントに参加して、企画に応募したり、ツイートしたりした。それを見た「ことばの日」発案者のShinoさんがコメントをつけてくれてうれしかった。Shinoさんもまた、私を企画メシへ導いてくれた一人だ。
イベントで、「ことばの日」のキャッチコピーを書く時間があり、私が書いたコピーがnoteに残っていた。
2022年5月18日、「ことばの日」は三度目の記念日を迎えた。おめでとうございます💐
▼「ことばの日」誕生までの道のりはこちら。
羽ばたくための招待状
家で過ごすことが増えるようになった2020年。鬱々とする日々の中で、視線を上げるきっかけをくれたのが、阿部さんの著書『それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない「解釈」の練習』。そして、オンライン講座「Schoo」での阿部さんの講義「心をつかむ超言葉術」だった。
いつかこの本を届けてくれた感謝を伝えられたらいいな、と思っていたら、チャンスがやって来た。「一言POP」の募集があり、最後は感謝状みたいなコピーになってしまった。その中の一本が、担当編集者賞に選ばれた。編集者の橋本さんは、阿部さんの連続講座「言葉の企画」2019の企画生だ。橋本さんが勇気を出してくださったから、この本が私たちの手元に届いた。
その後、noteの読書感想文コンテストの課題図書に選ばれていると知り、感想文を書いて、橋本さんにも初めてDMを送った。ここでも企画メシへ向けて背中を押されていたのかもしれない。
この時選ばれた「一言POP」。
手を伸ばしたから引かれてた
「企画メシ」を知ってから「企画生」になるまで、随分時間がかかった。でも私は2020年の企画生になれてよかった。私のタイミングは、ここだったのだと思う。
「企画メシ」の最終講義が終わった後で、完走の報告を送った先輩の数は、参加の報告の時よりも増えていた。他の代の企画生とも出会うことができるとは思っていなかったので、うれしい出来事だった。この記事では3人の先輩企画生のことを書いたけれど、たくさんの先輩たちの言葉や活動に、SNSやイベントなどで触れ、影響を受けた。背中を押してもらえたことに感謝している。
「企画メシ」へ参加することになって、オンラインでの講義だし、他の企画生と年齢も離れているし、すごいキャリアの人が多そうだし、やっていけるだろうか、親しくなれる人がいるだろうか、などと不安もあった。でも交流会やチームの企画などを通して、少しずつお互いを知ることができた。
企画メシを終えた今、同期の活躍や近況をSNSなどでうれしく眩しく眺め、時々ちょっと悔しくなったり、焦ったりもする。何かあった時に、報告したくなる人がいて、頼れる人がいることがうれしい。
「企画メシ」は、スキルや知識を身につける講座とはちょっと違う。「企画力」や「言葉の力」を伸ばしたい、と思って参加した私だが、最後の課題で出てきた自分の答えは、思っていたものと違った。これから、最終講義でみんなの前で宣言した言葉が、私を思いがけない所へ連れて行ってくれるかもしれない。
人はそう簡単には変わらない。人生も劇的には動かない。前に進んだつもりが、また足踏みしてしまう。でもやっぱり、その前の自分とは何かが違っているはずだ。何度もこのnoteで書いてきたけれど、「企画メシ」を通して、私は他の誰でもない、私になっていった。
阿部さんの本の中にこう書いてある。
私も手を伸ばしていたのだろう。だから、阿部さんが、先輩たちが、手を引っ張ってくれたのだ。
『企画メシ2022』開催決定
今年も『企画メシ』の開催が決まった。「自分の道を言葉でつくるための連続講座『企画メシ2022』」。プレイベントがオンラインで開催される。
B&Bの客席から、オンラインの画面越しに、ずっと見てきたこのイベントで、私もお話しする機会をいただくことになった。テーマは、『企画メシの出会い方』。これなら私にも話せそうだ。長い時間をかけて、出会っていったから。
昨年の講義で、ライター仲間3人でラジオの配信に挑戦した時に、阿部さんからいただいた言葉を思い出す。
もし気になっていたら、イベントを覗いてみてほしい。話すことは苦手な私だけれど、話すことも愛して、ことばにしてみたいと思う。つないでもらったバトンを、つないでいくことができますように。
▼『企画メシ2022』プレイベント
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