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アメリカ口腔外科専門医のカルテシステムについて

今回は私の勤務するアメリカ口腔外科専門医で使用されているカルテシステムについて書いてみたいと思います。

私が日本でドクターとして働いていた頃を思い出すと、

「大量の書類の記入と管理に常に忙殺されていた」

という記憶が鮮明に残っています。

そして、

「地方厚生局や都道府県監督官庁による新規指導、個別指導のための書類整備に費やした膨大な時間と手間」

については、いま思い出しても憂鬱な気持ちになります。

しかし

「書類も印鑑も超重要」

な日本社会の中で生きていくためには避けて通れない道だと当時は半ばあきらめて仕事をしていました。

そんな私ですが、アメリカで現在のオフィスに転職してから一番衝撃的だったのは

「クラウドを利用した斬新なカルテ管理システム」

です。

実はこのシステム、カルテのみではなく、フロントデスク予約システム、財務処理システム、売り上げ管理システム、2D・3Dレントゲンデータ管理システム、矯正分析システム等のすべてのシステムと連携できるようになっているのです。

加えて、インターネットにつながってさえいれば、どこからでもシステムにアクセス可能なのです!
(まぁ、クラウドだから当然ではありますが、、、)

これはかなり衝撃的!

なぜなら、

まず第一に、
紙データがゼロで、全ての記録がデジタルデータとして保管されるので、誰がいつ記載、編集、削除したのか?等が明確でかつ改ざんができない。

第二に、
手書きカルテにありがちな、解読困難で乱雑に書かれた英語の読解が不要になる。

第三に、
家からでも気軽に診療の予習、復習、勉強等が好きな時間にできる。

からです。

渡米して最初に勤務したオフィスではドクターの乱雑な文字によって書かれた英語の解読にどれほど悩まされたことかわかりません。

それに比べると、PC上に表示される美しいアルファベットは私にとって神からの啓示レベルにありがたいものでした。

また、自分が見逃した症例や、ドクターが示した治療計画等を後からでも気軽に確認することができるのはクラウドシステムならではの手軽さです。

加えて、カルテ改ざんができないので訴訟社会のアメリカで勤務する際にも安心感があります。(アシスタント業務といえども、いつどこで悪意のあるトラブルに巻き込まれるかはわかりません。)

また、英語力を高めるという意味でもネイティブスピーカーが記載する文章から直接学ぶことはかなり多いです。

最後に、このシステムですが、なんと!!

「新人スタッフのための研修ガイダンス映像」

も含まれています。

そのため、lead assistant (日本でいうところの、お局様)にいじめられたり嫌味を言われたりすることなく、自分のペースでシステムの使い方をマスターしていくことができるという利点もあります。

というわけで、どんなシステムなの??

というと、

Carestream Dental社が販売する

「Sensei  Cloud」

です。

「なぜいきなり日本語???」

というツッコミきますよね〜。

アメリカでは日本語は"Cool"な言語として理解されている節があるので、きっとこのようなネーミングなのでしょう。

しかし、それにしても

Sensei (先生)?????

私にとっては「奇妙な感じ」しかありませんが、、、。

ということで、

以下がCarestreamdental社のリンクになります。


フロントデスク


チェアサイド


画像分析


どこからでもアクセス可能

今のところSensei Cloudはアメリカとイギリスのみで販売、サービスを展開しているようです。

私もいつの日か日本に戻ったときにこんな便利なクラウドを使って診療できるシステムが整備されているといいな、と思います。

今回は以上です。

お読みいただきありがとうございました。

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