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アメリカ歯科助手に必要な英語力について

今回は実際の診療現場で要求される英語力について書いてみたいと思います。

ちなみに私が渡米前に日本で保有していた英語資格は
・TOEIC860点
・英検準1級
・IELTS overall band score 6.5

でした。

これはCEFRのB2(中上級)レベル相当です。
CEFR定義によれば、具体的にできることは

聞く:身近な話題でなくても、個人間・社会・学問・職業の世界で出くわす話題について、標準語で話されれば理解できる

読む:さまざまな目的や種類の文章を、独力でかなりのところまで読み解くことができる

書く:さまざまな情報や議論をまとめ、自分の関心がある分野の幅広い話題について、明瞭かつ詳細な文章を作成することができる

話す:ネイティブを相手に、お互いにストレスなく、流暢かつ自然に対話することができる

となります。

上記のように表現されると

「なんだ、ちょっとは英語できる人?」

みたいに思われるかもしれません。

実際私も日本に住んでいた当時は

「自分の英語って、そこまで悪くはないよね。」

という意味不明な自信はありました。

しかし渡米した直後の感想は、というと

もし英語のレベルを戦闘に例えるならば、

「日本での英語はオンラインゲームだったのね」

と思えるような絶望感でした。

当然ですが、アメリカに住んでいるアメリカ人は日本に住んでいる親日のアメリカ人たちとは違い「日本語も日本文化も全く理解しない」わけで、彼らとのコミュニケーションは

「リアルな戦場での命がけの闘い」

なのです。

別に彼らは親日でもないし、英語は

「話せて当然」

です。

つまり、

「話せなければ、即試合終了」

そんな環境はストレスでしかなかったです。

ちなみに私の主人はアメリカ人で、渡米前は日本で一緒に生活していました。
主人は日本語を全く話さないので、当時から日常会話は英語オンリーでした。

しかし、渡米してからは彼の英語でさえもスピードアップしているように感じ、孤独感と絶望感で軽いショック状態になっていたことをよく覚えています。

幸いなことに、現在は会話能力もかなり向上したので仕事上大きな支障が出るようなことはなくなりました。

それでも日々痛感するのは

「どうやっても英語ネイティブスピーカーのレベルには到達できない」

という悲しい事実です。

しかし今の私が思うのは、だからと言ってネイティブスピーカーを目指す必要は全くないということです。

むしろ、

「自分の強みを生かしてそれを売りにできれば恐れるに足らず」

と考えています。

渡米して以来アメリカで働く日本人にたくさん出会ってきましたが、生まれも育ちもアメリカで、という例外的な人を除いては

「職場で要求される最低限レベルの英語にまで達していれば、あとは日本で培ったスキルで勝負」

できるように感じました。

究極のところ

「あきらめないメンタル」

が一番重要かもしれません。

実際のところアメリカは他民族国家なので、移民の2世、3世も多くバイリンガル話者はかなりの数にのぼります。

現在の職場では私も含めたすべてのメンバーがバイリンガルスピーカーです。

私ほどではありませんが、みんな多少のアクセントはあり、それを周りから指摘されてどうこう、なんてことは全然ありません。

もちろん、アクセントはできるかぎり排除するように努力した方が良いですし、英語力は高ければ高いほど現地で生活しやすくなります。

しかし、それを目指して準備を重ねているうちにいつの間にか渡米の機会を失ってしまったというのは残念ではないかと思います。

日本での診療現場を思い返してみると、歯科医師以外のポジションで働いていた同僚たちも、等しくみなさん優秀でした。

診療現場での技術という観点においては日本人もアメリカ人と大きく変わることはないように感じています。

アメリカで歯科助手として勤務するために日本での国家資格は特段必要ありません。

実際アメリカで出会った日本人の中には日本での歯科業界経験ゼロからスタートして歯科助手として働いている人もいました。

つまるところ

「どこまで本気で挑戦できるのか、そしていかに日本で培った自分の強みをアメリカの現場で生かすことができるのか?」

という1点に尽きるのではないかと思っています。

今回は以上です。

お読みいただきありがとうございました。





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