Smile! You are on camera!
今回はアメリカデンタルオフィスにおける防犯対策について書いてみたいと思います。
アメリカの治安が日本に比べてかなり悪いことは周知の事実ですが、それはデンタルオフィスでも例外ではありません。
「オフィスに銃を持った患者が来院した場合の対応マニュアル」
のようなテーマのオンライン講座が有料で販売されている現実を知ると
まさに
”Welcome to USA!”
といった気持ちになります。
在米期間が長くなるにつれて、さまざまなCrazyな経験をすることにも慣れてきました。
Road rageから銃乱射に発展することもありうるアメリカでは運転中に変な動きをする車両からはすぐに距離をとるようにする。
”DOWN!!!”という声が聞こえたら、とりあえず即座に身を伏せる。
などは自分の身を守るための基本的ルールとなっています。
安全な日本社会のありがたみを実感しますね。
ということで、ほとんどのアメリカンオフィスでも防犯カメラをはじめドアのアラーム音などの防犯対策は完備されているわけです。
当然待合室にも複数のカメラが設置されているわけですが、そのサインが冒頭の
Smile! You are on camera!
なわけです。
警告的なサインではなく、ユーモアたっぷりの表現で監視カメラの存在を相手に伝えることができるアメリカ人のセンスがよく表現されているな~と思います。
私がデンタルオフィスで経験した最近の出来事は
「銃で武装した警官の突入」
です。
朝の診療準備を行っていたところ、鍵のかかっていない裏口のドアが開いたことを知らせる警告音が鳴りました。
同僚が出勤したと思った私は
Morning!!
と声をかけ、ふと相手を見上げると
「バリバリに武装した2人の警察官」
が私の前に立っていたのです。
いやいや、とりあえずその銃を私の方に向けるのはやめてほしい。
というか、
「なぜいきなり侵入してきたの??」
と頭の中はパニック状態に。
早口の英語で
「不審者を見なかったか?通報したのは君か?」
と尋ねられるも、恐怖のあまり言葉が出てこない。
完全フリーズ状態になっている私を横目にフロントから同僚がでてきて
「通報したのは私です!怪しい男の風貌はこんな感じで、、、、」
と淡々と警官に説明を始めたのです。
「いやいや、そんなことになっているなら一言私にも伝えておいてほしい」
と涙目の私。
なるべく控えめに
「事前に教えてほしかったな~」
と同僚に言おうとした瞬間に、別の同僚が会話に入ってきてこの一言。
「私もその男、見たんだよね~」
って、そんなにカジュアルに表現しないでほしい、、、。
「911にコールする」
はアメリカでは自衛の手段として当然の権利であり、それを周囲にいちいち報告してまわることではないのだという文化の違いを改めて実感した次第です。
結局警官たちは診療室のすべての扉を開けて不法侵入者がいないことを確認したあとにオフィスを去っていきました。
ちなみに酸素、笑気ガスタンクが設置された「火気厳禁」のエリアにも堂々と銃器を持って侵入していった警察官たちを見て、
「不審者よりもそのタンクになにかの拍子で引火して爆発する可能性があるほうがよっぽど怖いんだけど」
と心の中でつぶやいていた私なのです。
今回は以上です。
お読みいただきありがとうございました。