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身体障害と精神障害の母を比べる
私の弟は、自閉症児です。したがって、私は自閉症の兄弟(いわゆる兄弟児)となります。
そんな私が、今回、脳性麻痺の夫と付き合って、ふたりの母(実母・義母)を見ながら、身体障害の親と精神障害の親の類似点・相違点を目の当たりにし、記事にしてみようと思いました。
ここに書かれることは、あくまでも、私の経験は40年前の一例で、全部を鵜呑みにして欲しくないし、家族ごとにユニークなカタチがあるはず。できれば、障害者がいる家庭でも明るい家庭設計がなされることを望みます。
ただ、現実問題、精神障害と身体障害の親を比べるということが、さほど頻繁には起きないだろうと思い、筆を取りました。
障害児の母は強く明るくなければならないのか
障害者の母親は忙しいです。子供に不調があれば、あっちの病院、こっちの病院へと連れて行きます。主人の車椅子も車の荷台に軽々と持ち上げます。
そんなどちらの母も、子供が小さな時は、涙腺を緩めて、車を走らせていた時もあったとのこと。自分のなかで、この子の最期まで見るんだという気持ちが芽生えるまでは、相当のことがあったのでしょう。
子供の将来で迷惑をかけてはいけない
私の実母の口癖が「弟のことで将来あんたたちには迷惑はかけないからね」ということです。親が亡き後、弟が入院などすれば、同意書のサインなど、最低限は協力するはずなのに、やらせてもらえないのです。
一方で、主人との結婚で、義母は「あの子に迷惑かけちゃってよかったのかしら」と祖母と話をしたそうです。
日本人文化の迷惑って何なんでしょうね。迷惑って大なり小なりかけちゃうものじゃないですか。
なんで私だけが我慢しなくちゃならない
義母は夫の送り迎えや金銭管理を率先してやります。最初は、ありがたいと思っていたものですが、実は、本人は、若干嫌がっていたり。
そして、私は義母が夫を子供扱いすることについて「過保護」とはっきり言ってしまったことがあります。大事に育てた息子(障害があって全部はできない息子)であることは重々承知でした。彼女は、何度も、「なんで私だけが我慢しなくちゃいけない」と言いました。
それは、現在の我慢ばかりではなく、幼少期の辛い経験も連なっていたはずです。では、「義母がこれ以上我慢しなくていい社会」とはどういうものなのか、まだ答えは出ません。
私たちが障害児の母に出来ることとは
私も主人も複数の障害を抱えていて、来年から妊娠を目指すかどうか、迷っています。六体満足な子供が生まれてくる保証など、どこにもありませんからね。
でも、障害児が生まれたとしたら、長年の兄弟児の経験を通して、ひとつの願いはあるのです。障害児をありのまま受け入れようと。子供の時は、弟を兄弟としてそのまま受け入れることができました。だから、親になった時も同じことができないかなと思います。
親が福祉関係者になることは娘に有益だったのか
最後に、実母が精神保健福祉士という資格を取得し、現在ではグループホームの運営に関わっています。福祉制度に困れば、聞きやすいですが、家族としての絆を失ったように感じます。
私は最後の入院をしたときに「これからは医療と福祉を頼って生きていって」と言われました。
生活相談員をつけてもらい、福祉制度を活用しながら、社会復帰する道は、今までの無法地帯よりだいぶ楽に感じました。
でもね、どこか、母親に福祉関係の情報がなかったとしても、福祉関係者と連携しながら、私と付き合っていってほしかったというのが本音です。