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PMFを最速で達成するための組織形成への模索
会社設立から約5ヶ月が経った。2024年の振り返りとして、学生起業した自分が直近で模索してる「PMFを最速で達成するための組織形成」についての仮説をまとめようと思う。
初期のスタートアップにおいて、限られた資金の中でいかに最短でPMFまで到達できるかが、生存と成長の分岐点となる。つまり、スタートアップはすべからくこの命題に向き合わなければならない。
現在の組織形成における私の仮説は以下だ。
CEOの迅速な意思決定を基軸に、PMF達成に向けて高速でPDCAを遂行できる組織
この仮説に基づき、採用戦略において3つの核となる要件を設定している。
インターン生中心の組織
シード期にドメインエキスパートをチームに迎え入れることは、資金面での制約と創業者の求心力の観点から現実的ではない。その代替として、業界を牽引する経営者との定期的なメンタリングを通じて、外部知見のインプットを最大化している。これらの知見に基づく意思決定のもと、マネジメント層ではなく手を動かせる優秀なインターン人材を重視し、インターン生を中心とした組織編成で高速なPDCAサイクルを実現する。これが、学生起業した私の現在の競争戦略である。
対面での稼働
意思決定のスピードを重視する観点において、リモート中心の組織は致命的な弱点を抱える。返信までのタイムラグがそのまま意思決定速度の低下につながるからである。しかし、リモートでメンバーを募集した方が候補者が集まりやすいというのも重々承知している。私たちは、初期段階ではインターン生中心のチームを形成すると舵をとった。社会人になると家庭もでき、ワークライフバランスを意識する人も多いが、学生層には自己の成長を最優先し、学業やプライベートよりもインターンシップにコミットしたい層が一定数存在する。採用効率と意思決定速度のトレードオフにおいて、私たちは後者を選択した。候補者プールの制約は、私が友人に片っ端から興味ありそうな学生がいないか相談すればよい。
一人当たりの稼働量
私たちは、一人当たりの稼働量を担保するために、最低でも週20時間を設定している。多くの稼働量を要求するような採用をし、PMFまでは人数を最小限にし、マネジメントコストを抑えている。また、インターンかどうかに関わらず各メンバーに裁量権を付与する体制を構築する。
2024年の反省点
2024年を振り返ると、「最速でPMFを達成する組織づくり」と「市場でのポジショニング想定」を完全に失敗していたと感じる。
スタートアップは、スピードが命にも関わらず自分は最速でPMFを達成することに適していない組織づくりをしていた。
上述したが、最速でPMFを達成するためには、PMFに寄与することにリソースを集中し、経営者の素早い意思決定を基盤にPDCAを高速で回す、一人当たりの稼働量の多いチームが膝を突き合わせて働く必要がある。
これに対する意識はしていたものの、人材の配置にあたって行動に移すのが遅く、怠慢があった。
また、スタートアップは市場においてどのポジションを取るかというのが少ないリソースで戦う上で重要だが、自分は戦略を疎かにし戦術にばかり目を向けていた。
ポジションを取りに行くということは、それに当てはまらないことに着手しないという選択をすることであるのにも関わらず、「何をやらないか」という部分を曖昧にしてしまっていた。リソースを単一プロジェクトに集中させる意思決定を完全に遅らせてしまった。
こんなんでは一流の経営者にはなれない。非常に悔く恥ずべきことだが、2025年以降の自戒として文章に残すことにする。