売れないんじゃなくて興味がないの

保険屋になった時に、AIU損保の研修所で営業トークなるA４の紙一枚の台本のようなものを覚えさせられました。法人向け労災の上乗せ保険で、画期的な商品が発売されて、今までは地震や噴火などの自然災害は対応外だったのに、熱中症でも保険金が出るんです、なるしょうもないトーク。

保険を売ったことがない人間でもこれは何のために覚えるの？というやつです。トーク試験と言ってそれを覚えて話せるかを試されます、大半は真面目に覚えようとしておりますが、私と数名はやる気もないので指導者には会社を我々をもっと信用しろ！と怒鳴られました。

経営者相手に話すにしても、これは何についてのお話でしょう？「人が興味を持たないものは売れるわけはないわけです」。保険の画期的な商品に興味がある、自然災害は保険金は出ません、そもそも労災上乗せ保険になんて興味のある人はいるの？

人が興味を持たないものは売れない
すでにお客が考えていることから会話を始めよ

簡単な話ですが、10年前にタバコをやめた私には値上げの話は興味もない。喫煙者からすれば10月から値上げですから、今ならおひとり10カートンまで買えますよ、と言われただけで買うかどうか考える。

自然災害は保険金が出ないなんてことをお客が考えているわけありませんし、保険なんて物に興味を持つ人も皆無。私の目の前に座っている人は保険に興味なぞありません、お金がないからどうにか無駄な支払いを減らしたい、一番のムダは使いもしない保険なのではないだろうか？と私の前に座っているのです。

そんな人に癌になったらどうします？とかご主人にもしものことがあったらどうします？なんて言う方がムダ。興味があるのは保険ではなく、無駄な金を払わないこと。

なんでこんなものにお金を払っているので？から話に入れば、あっという間に話は終わりますね。保険会社が2時間話す台本とか、何回も面談しろとか、そんなのを教えるのはなんなんでしょうね？