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薄気味悪い呪われたような絵の秘密
待ち合わせで時間をつぶすことになり、クルマの中は日差しが強く暑いので久しぶりに図書館に入ってみました。雑誌コーナーは結構人がいたのでそこを避けて、文庫本とかのコーナーへ。
人気の本や新しい本より一昔前のものが大半です。その中に表を向けて並べてあり、ずいぶんと昔に見たことのある薄気味悪い絵の文庫本がありました。
犬神家の一族という横溝正史の人気作品ですが、いつ見ても薄気味悪い絵の表紙で。しかもどの作品の文庫本の表紙もすべて薄気味悪い。最近の文庫本は当たり前のようにキャラクターや目につく絵が描いてあるのが当たり前ですが、文庫本のこの目につくような絵を描くようになったのは角川文庫の横溝正史が初めてといわれておるようです。
1976年に公開された映画犬神家の一族は、角川映画の初作品ですが、今でこそ当たり前のメディアミックス手法を使い、映画音楽を公開前に出したり、あの薄気味悪い表紙の文庫本を平積みさせたりしたようです。
映画そのものは金田一役の石坂浩二をはじめ豪華なキャストでしたし、監督も市川崑ですからヒットはするでしょうが、この映画の宣伝手法や映画の関連商品を売る手法はすごいです。流行らせた、観るのが先か、読むのが先かというコピーもそのまんま。
今でこそ当たり前の本の平積み販売が、ここからはじまって薄気味悪い表紙は、その後の八つ墓村とか延々とつながっていき、音楽に関しては薬師丸ひろ子や原田知世といった角川看板女優が映画の主題歌を歌い、公開に合わせてレコードも売り、主演女優の写真の入った赤川次郎の原作本が書店に大量に平積みされるという関連商品も根こそぎ売るやり方。
当時は子供だから特に何も考えてはいませんでしたが、今色々調べてみるとすごい手法だったんですね。角川春樹氏は色々あったようですが、まだ映画制作をされているようです。
私が好きだった角川映画は、戦国自衛隊ですね。横溝正史も赤川次郎も角川女優も出てこない作品ですが、、、
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