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令和6年第3回大田区議会定例会・出番動画 9/17(火)一般質問 ①社会を明るくする運動 ②元気高齢者の居場所づくり ③図書館の地域をつなぐ役割

9月13日(金)〜10月11日(金)の会期で、#令和6年第3回大田区議会定例会 が開催されています。

9月17日(火)に行いました #一般質問 の動画が、YouTube「#大田区議会チャンネル」にアップされましたので、ぜひご覧ください(↓)
https://www.youtube.com/watch?v=QB1G9S1MP38

「居場所」を共通キーワードに、区民の孤独・孤立を防ぎ、ウェルビーイングを高める観点で、新たな大田区基本構想にも引き継がれた「地域力」が区政全般にわたって重要であることを再確認しつつ、下記の3点にわたり質問しました。
1 #社会を明るくする運動の地域での生かし方について
2 #元気高齢者の居場所づくりの進め方について
3 #大田区立図書館の地域をつなぐ役割について

以下に、私の質問部分の全文を掲載します。

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 新たな大田区基本構想は、「心やすらぎ 未来へはばたく 笑顔のまち 大田区」を2040年頃の将来像に掲げています。この「心やすらぎ」は、区民が健康やつながりに恵まれたウェルビーイングな状態をさすものといえ、現在策定中の大田区基本計画や各種の分野別計画において、その達成をめざしていく必要があります。
 今回は、区民の孤独・孤立を防ぎ、ウェルビーイングを高める観点から、3点にわたり質問します。

 まずは、社会を明るくする運動についてです。
 NHK連続テレビ小説『虎に翼』で犯罪、非行や更生が注目されている折ですが、犯罪は社会を映す鏡です。罪を憎んで人を憎まずと言いますが、犯罪を生み出した環境にこそ注目すべきです。
 この議場には、鈴木晶雅区長、松原秀典議長をはじめ、保護司を務める議員や理事者の皆さんがいらっしゃいますが、私も保護司として、罪を犯した人たちの立ち直りを支える更生保護に携わってまいりました。
 私も担当した経験がありますが、暴力事件を起こした人には、幼少期に親から暴力や暴言など虐待を受けていたことが背景にあることが多いとされます。親が悪いと言ってしまえばそれまでですが、その親にもそうなった環境があったはずです。
 ニュースになることも多い新宿歌舞伎町のトー横に集まる少年少女たちの中には、大田区の少年少女もいると聞きます。家庭や学校に居場所がなく、居場所を求めて流れ着き、非行や自傷行為に及び、犯罪に巻き込まれることが問題となっています。
 『大田区地域福祉計画』の大田区らしい地域共生社会のイメージイラストにも示されていますが、「みんなに居場所がある」ことが大事です。居場所がないことで孤独・孤立となり、ときにそれが犯罪や非行につながります。
 保護司は立ち直りの支援である更生保護の活動を行います。保護司には、罪を犯した人を孤立させない居場所の役割があると考えます。ただ、再犯も含め、犯罪や非行の防止にもつながる多様な居場所づくりには、幅広い地域のチカラが必要です。
 社会を明るくする運動は、今年で第74回を迎えました。副題的なフレーズである「犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ」が運動の趣旨を端的に表していますが、幸福の黄色い羽根をシンボルに全国的に行っている国民運動です。
 大田区においても、大田区、大田区教育委員会、大田区保護司会、大田区自治会連合会をはじめ、35の機関・団体で推進委員会を構成し、取組みを進めています。7月の強調月間には、大田区民のつどい、地区集会、また、地域によってはミニ集会などにも取り組み、犯罪予防や立ち直りへの理解を啓発しています。
 今年の大田区民のつどいでは、3人の中学生による意見発表、大森第十中学校出身のオーボエ奏者・三木サトルさんたちによるジャズコンサートが行われました。
 地区集会も区内15会場で行われました。私は地元の馬込・池上・新井宿会場の地区集会に参加しましたが、大田区の保護司のOB・OG会である大田区桐友会の会長である、松原忠義・前区長の講演を拝聴しました。また、大森少年センター所長から、若者の間で大麻の使用が広がっている現状やトー横の話など、少年犯罪についての情報提供がありました。講演を受け、犯罪や非行を防止し、立ち直りを支えるために、地域として何ができるかをグループワークで話し合いました。私のグループでは、学習支援に取り組んでいる事例、居場所の重要性などが語られました。
 まさに、日常的な地域活動にどのようにつなげるかが重要です。社会を明るくする運動では、近年、孤独・孤立、生きづらさに着目してきましたが、地域の居場所づくりなどに期待される役割は大きいと考えます。
 そこで伺います。社会を明るくする運動における啓発活動が、日常的な地域活動で生かされるよう、区はどのように取り組んでいきますでしょうか。

 次に、昨日は敬老の日でしたが、元気高齢者の居場所づくりについてです。
 大田区の高齢化率は、全国に比べて低めとはいえ、今後、経験のない超高齢社会を迎えていきます。
 こどもの居場所づくりは、区としても、東京都の補助金を活用した大田区こども食堂推進事業、大田区子ども生活応援基金を活用した長期休暇中の子どもの居場所づくり補助事業などを行っています。一方、高齢者の居場所づくりについては、シニアクラブへの支援などを除くと、特段の補助のしくみはないように思います。
 東京都では、令和5年度より「TOKYO長寿ふれあい食堂推進事業」をスタートし、こども食堂ならぬ「シニア食堂」の運営経費を補助しています。初年度である昨年度には、4区1町が活用し、13食堂が補助を受けました。
 荒川区も昨年度活用した自治体の一つで、「よりそい」という団体による「つなぐ荒川食堂」の活動を視察させていただきました。毎週月曜日の11時30分から12時30分に開かれており、視察した日は、ミートボールカレーにみそ汁、小鉢が3つ、コーヒーが付いて400円。私も美味しくいただきました。この日は、12名の利用がありました。病院通いの帰りに寄った方、お友達同士連れ立ってきた方々、シニアクラブを運営されている方々などいらっしゃり、地域の情報交換の場にもなっていました。代表の方が皆さんにさりげなく声かけされている姿が印象的でした。
 もっとも、荒川区では、今年度、令和6年度は東京都の補助金を活用していません。というのは、昨年度は東京都から上限額までは全額が出る補助金でしたが、今年度は半額補助に変わったからです。代わりに、荒川区独自の住民主体の地域介護予防事業としてもともとあった、「地域パートナーの会」の立ち上げを支援し、補助するしくみを活用しているとのことでした。
 大田区でも、高齢者の居場所づくりの取組みは様々に行われています。フレイル予防には運動・栄養・社会参加の3つが重要といわれます。高齢福祉課が2年ごとに発行している「高齢者見守り・支え合いネットワーク活動事例集」でも、食事、茶話会、手芸、歌、体操、ポールウォークなどを通じた、自主的な居場所づくりも紹介されています。
 実際、私の身近でも、地元の新井宿六丁目町会会館を使い、月1回、食事、カラオケ、輪踊りなどを楽しむ、その名も「楽しむ会」が、コロナ禍を経て、この春から再開しています。また、「高齢者元気プロジェクトおおもり」は、プラムハイツ大森西区民集会室を使い、健康麻雀、ポールウォーク、体操、食事会など、高齢者の集いの場を開いてきました。在住歴が浅く、町会やシニアクラブにつながれていなかった方が、「ここで仲間ができた」と喜んでいらっしゃったのが印象的でした。
 地域での自主的な居場所づくりが広がっていくことが、元気高齢者の孤独・孤立を防ぎ、ウェルビーイングを高めるうえで重要です。荒川区のようなリーダーの養成や経費補助は一つの方法です。また、集える場所が重要であり、先だって第2回定例会での代表質問でも提案したように、地域資源である自治会・町会会館などのコミュニティや民間の施設がより開かれたものになるよう、区としても後押しを進めていくことが重要と考えます。
 現在、元気高齢者に対する大田区の事業は、どうでしょうか。『おおた高齢者施策推進プラン』からは、シニアクラブへの支援のほかは、自主的な居場所づくりより、老人いこいの家やシニアステーションが提供するプログラム、介護予防事業のプログラムに来てもらうものが中心であるように思います。
 地元の新井宿老人いこいの家で、地域包括支援センター新井宿、大田区社会福祉協議会と共同で開催している「新井宿メンズ倶楽部」を見学させていただきました。地域参加が苦手な男性も多いことから、シニア男性にターゲットを絞った講座を行うといった工夫は、区施設ならではの取組みといえます。
 そこで伺います。区では、元気高齢者の居場所づくりをどのように捉え、進めていきますでしょうか。

 最後に、大田区立図書館の地域をつなぐ役割についてです。
 図書館は、年齢や対象を問わず、誰もが利用できる公共施設であり、図書資料などを通じて区民のウェルビーイングを高める施設として、今後ますます重要になります。大田区は5万人に1館という方針で、16館の区立図書館、また、大田文化の森情報館、田園調布せせらぎ館図書サービスコーナーも含め、きめ細やかに地域に配置してきたことで、区民の身近な居場所にもなっています。
 また、図書館は地域ごとに特色を持ってきました。例えば、洗足池図書館には、勝海舟コーナーが設けられ、近接する勝海舟記念館との相乗効果があります。また、羽田図書館には、大田区の姉妹都市アメリカ合衆国マサチューセッツ州セーラムコーナーがあります。姉妹都市交流の中心を担ってきた大田セーラムクラブの会報がファイルされており、今年8月にセーラム市学生訪問団をお迎えするにあたっては、私自身、姉妹都市交流の歴史を振り返るのに活用させていただきました。
 さらに、最近、大田区立図書館では、地域の写真展など、地域の記録や記憶の共有を通じて、住民をつなぐ取組みが見られます。
 昨年に続き、今年も、4月から5月の大型連休をはさんで、「大森西の写真展」が大森西図書館1階多目的室で開催されました。もともとは、コロナ禍でも地域を元気にできることをしたい、との地域の皆さんの熱い思いから始まりました。大森西の企業、学校、神社、お祭り、商店街など、様々な写真が展示されていました。
 面白いのは、ある写真がきっかけで、「うちにもこんな写真があるよ」など、写真展の期間中に、どんどん写真や冊子などが増えていったということです。写真というツールを媒介として、地域のコミュニケーションが活発になり、地域の記録や記憶が発掘されていくという展開があったことです。
 また、7月半ばには、「キネマ通り商店街回顧展」が蒲田図書館2階多目的室で開催されました。惜しまれながら解散した、東蒲田のキネマ通り商店街。シンボルのアーチ型看板も撤去されました。そこで、地域の歴史を記録し、地域の皆さんの記憶を呼び起こそうと、回顧展を企画しました。昭和のおわりから平成のはじめの頃の地図には、来場された皆さんが話しながら付箋に「思い出」を書き込んで貼り付ける様子が見られました。
 また、今年開館50周年を迎えた入新井図書館では、「入新井プレイバック50+(ゴジュウプラス)」と称した周年行事を行っています。多目的室がないため、同じフロアにある入新井集会室を使って、地域や図書館の写真や資料などを展示する1日限りの「なつかし広場」を開催した後、図書館内の掲示板を使って、「なつかしギャラリー」として展示しました。現在は同じく掲示板を使って、地域の皆さんの写真提供による「みんなのまち『これまで』と『これから』写真展」を行っています。
 私は、議員になる前の平成29年度に、区民活動団体を代表して、大田区立図書館の今後のあり方有識者検討会の委員を務めました。その検討会を踏まえて、平成30年4月に大田区教育委員会が「大田区立図書館の今後のあり方について」をまとめました。そこに盛り込まれた図書館の地域力育成機能は、今年3月に改定された『おおた教育ビジョン』にも「図書館資料を仲立ちとして、人と人とを出会わせ、結び付け、地域活動へと誘う、居場所、憩いの場としての機能」という表現で引き継がれています。
 地域の写真展などは、図書館が地域のコーディネーターとして、地域をつないだ事例といえます。『おおた教育ビジョン』にある「地域の特色を生かした図書館の整備」としても重要な取組みであり、大田区立図書館全体に広げてほしいと考えます。
 もっとも、図書館は、「静かな利用」が前提の場です。多目的室を持たない図書館においては、「動きのある利用」との両立にはより多くの工夫が必要となります。
 そこで伺います。様々な制約もあるなかで、大田区立図書館の地域をつなぐ役割を、今後さらにどのように展開していきますでしょうか。

 冒頭で触れた、区民の孤独・孤立を防ぎ、ウェルビーイングを高めるうえでは、大田区基本構想で基本理念に位置づけた「地域力」がやはり重要です。今回は、「居場所」を共通キーワードに、あえて地域力推進部以外のテーマを取り上げることで、「地域力」が区政全般にわたって重要であることを再確認したつもりです。そのような意図を最後に申し述べ、私の質問を終わります。

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#チクメン #一所懸命 #とことん現場主義
#あなたと共に政策実現
#大田区議会議員 #庄嶋たかひろ #庄嶋孝広

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